特集
気づいたら今年は10周年!
せっかくなのでデジタルカメラ業界の10年を振り返ってみた
(2013年〜2014年編)
各社それぞれの攻防が続く中、個性派モデルも注目を集める
(2015/1/13 07:00)
デジカメ Watchの創刊10周年にあわせ、デジタルカメラ業界の10年を振り返るこの企画。いよいよラストの2年間となりました。
本来なら10周年である2014年(つまり昨年)のうちに公開すべきところ、ちょっとしたトラブルの積み重ねと私の怠惰により、結局2015年を迎えてからとあいなりました。切りが悪くて申し訳ございません。
今回も写真家・山田久美夫さんと私が、印象に残った製品や出来事についてとりあげます。
これまでのページはこちら。
2004年〜2006年編 創刊前夜からHOYAペンタックス合併発表まで
2007年〜2008年編 D3、5D Mark II、裏面照射型CMOSなど
2009年〜2010年編 E-P1、NEX-5などミラーレス群雄割拠へ。超高感度ワールドも開かれる
2011年〜2012年編 東日本大震災、そしてタイ洪水…それでも魅力的な製品発表が続く
それでは今回もお楽しみください!(デジカメ Watch編集長 折本幸治)
2013年:THETAやQXなど意欲的な製品も
山田:Contemporaryラインの第一弾ですね。このクラスって、あまり注目を浴びないんですが、実はF2.8〜4と結構な大口径で、高性能で、高品位で、価格もそこそこ手頃。実用レンズとして、けっこうバランスがいいんですよね。インパクトはやや弱いんですが。
山田:Sportsラインの第一弾。ここで120-300mmがArtラインになった。そのぶん、大きく重くなったのが難点でしたね。しかし、描写力はピカイチで、ズームとは思えないほどですよね。確かに一般的なレンズではありませんけど、いいレンズですね。
※記事公開時における「手ブレ補正が追加された」との発言は誤りでした。誤解を招くため、該当箇所を削除いたしました。
折本:これは画期的ですね。PC直結でレンズ調整を行なうシステムです。
山田:これは便利だし、画期的ですね。本来はレンズ調整やファームアップ用の治具という感じですが、シグマは新シリーズから、ファームアップや調整を専用ソフトでユーザーでもできるようにした。ファームアップは超便利ですが、各種調整、特にピント位置は、一度ハマると大変手間にかかる世界ではあるけれど。
山田:ここで像面位相差が入って、AFがより高速になった感じですね。初代X100が大ヒットしたこともあって、その部分改良機っていう印象でしたけど、完成度は高かったなぁ。
山田:このクラスにも秒15コマの連写機能を搭載してきたのは意外だった。機能的な魅力はあっても、上級機と同じような撮影がJクラスでもできることで、Vシリーズの存在意義が薄れたような印象がありましたね。
折本:今の時代、真鍮ボディという目の付け所に感心しました。
山田:使い込むと、真鍮の地金がでてきて、金色になる。銀塩時代の高級機って、それがある種の勲章だったんですよね。そんな価値観を高級コンパクトで具体化したのはとても斬新でしたね。こんなこだわり、けっこう好きです。
折本:広角、準標準と揃えて、まさか次に中望遠が控えているとは思いませんでした。マクロ性能も高いのですが、ブレが厳しいカメラなので、自分には使いこなしも難しかったです。
山田:イメージ的には二眼レフの「テレローライ」なんですよね。このカメラは、ほんとうによく写ったなぁ。しかも、チャート撮影をしても、絞り開放から四隅まで、理論解像度が100%でるっていう、考えられないほどの性能を実現していました。ただ、ごくまれに、不思議なゴーストがでるのが玉に瑕でしたが、撮るのが難しいぶん、うまく撮れたときの満足度はとても大きかったですね。
山田:私はいまでも、ナナオっていってしまいますね、どうしても。それだけ強いブランドでしたね、ナナオは。そのままでいいのに…と思いました。
山田:800mmF5.6だけど、意外なほどコンパクトだったのが印象に残っていますね。価格はさすがに凄いと思いましたが、800mmをこのサイズに収めたのが凄いと思うし、1.25倍の専用設計のテレコンで、1,000mm F7.1。しかも、メーカーが画質低下がないことを明確にうたっているのも凄い自信だと思いました。
折本:この手の製品をポンと出してくるところがキヤノンの面白いところですね。直販のみというのも珍しい。
山田:キヤノンの柔軟さというか、底力をみたような気がしましたね。じゃないと、この発想は出てこない。ユニークだし、実用性も損なわれていないし、従来からの常識を打ち破ろうという意気込みが感じられるモデルでしたね。ただ、国内は直販のみというは、どうかな?と思いました。実機を使って見ると、ほんとうに使っていて、面白いカメラでしたからね。
折本:メーカーによってはこの頃から、高級コンパクトの2ライン化がはっきりしてきました。センサーサイズを落として、よりポケッタブルな高級コンパクトを作ったわけですね。
山田:いいモデルだけど、これを出すべきだったのかな?という疑問を感じたモデルでもあります。高級コンパクトって、難しい市場だなっていう感じもしましたね。
山田:買いました。いまでも、月面撮影などで使っています。やっぱり、APSで24メガでローパスなしですから、36メガのD800系よりも画素密度が高い。なので、レンズ性能さえ追いつけば、かなり高精細な画像を作ることができるポテンシャルを秘めているボディですよね。完成度も高いし、その割には手頃だし。ただ、もう、画像処理エンジンが世代遅れという感じで、高感度系は少々厳しくなりつつありますね。EXPEED4搭載機が早く出ないかなぁ〜という感じですね。
山田:このレンズ、ほんとにいいレンズですよ。Aマウントで、あまり注目されていない感じもありますけど。シグマの50mm F1.4やツァイスのOtusが近い時期に登場したこともありますけど。私はEマウントに変換して、「α7」系でけっこう使っています。
折本:GレンズもII型にリニューアルされてきました。ソニーがGレンズを大事にしているのはうれしいのですが、価格が……
山田:そう価格ですよね、このレンズのネックは。ただ。描写力は抜群に良い。このクラスでトップといってもいいくらいの実力を備えた銘レンズですよね。できれば、このEマウント用がほしいところですけど、いまはアダプター経由で「α7」系で使っています。
折本:ニコンから、APS-Cセンサー+単焦点レンズの高級コンパクトが出ています。この後リコーGRがすぐ出たので、あまり話題になりませんでしたが……後継機が待ち望ましいです。
山田:人気はイマイチでしたけど、いいカメラなんですけどね。GRとはやや違った、やや実用機寄りにふったアプローチですよね。でも、これで外観の仕上げとかを高級一眼レフ調のシボ系にしたら、より高級感のあるモデルに仕上がったし、一眼レフユーザーももっと注目したと思うんですけど。残念です。
折本:約12年ぶりのモデルチェンジ。待っていた人も多かったのではないでしょうか。フィルム時代に発売された前のモデルから、格段に良くなっています。
山田:このレンズも、いいですね。まあ、先代は設計も古かったし…でも、ちょっと巨大かな?
折本:要するにiPhoneのカメラを使ったスキャナーですが、クラウドファンディングを経由して製品化されたことが新鮮でした。ロモグラフィーらしいフットワークの軽さを見た思いです。
山田:面白いアプローチですよね。スマートフォンのカメラ機能を使うっていうところがいいし、そのままスマートフォンをアルバムとして使えるところも、意外に実用的ですね。
折本:Kissに新鮮みがなくなったと思いきや、ここにきて大英断。ミラーレス勢に真っ向勝負の小型モデルです。パンケーキレンズのEF 40mmも出て、これは強力な商品になると思いました。一方でEOS Mの立場が少し心配になりましたが……
山田:これはEOS Kiss系のなかでも、結構インパクトがありましたね。人によっては小さすぎるといわれるかもしれないけど、これならサイズ面では、ミラーレスじゃなくて、一眼レフでもいいかな?と思わせるところがありましたね。でも、当初、価格が高めだったので、結局購入には至らなかったんですけど、欲しかったモデルですね。
山田:個人的には、ザクティという独立したメーカーとして、きちんと生き残ったことって、凄くよかったなと思っています。ザクティブランドの製品は少なくても、OEM/ODMをキッチリと安心して依頼できる先として、貴重な存在ですからね。
山田:EOS Mって、いいカメラなんだけど、価格やタイミングがイマイチあわなかった。でも、このモデルが登場したころから、価格が熟れてきたし、このボディの佇まいもなかなかよかった。再注目させたという意味では、このタイミングでの発売がちょうどよかった感じがします。
折本:このレンズは、APS-Cモデルユーザーへの福音でした。スペックを聞いたとき、何を撮ろうか楽しみにしてました。
山田:このレンズにはビックリした。APS用とはいえ、ズームで、しかも、F1.8ですよ!これは凄い!と思いました。しかも、実際に撮ってみると、描写が想像以上によくて、F1.8開放でも十分実用になるのに、驚きました。巨大なレンズではありますけど、APS用高級レンズって、なかなかないので、その意味でも貴重な存在ですよね。
折本:GR DIGITALシリーズの進化版。ボディサイズはそれほど変わらずに、APS-Cセンサーを搭載しました。しばらくはこのカメラの話題ばかりが周囲で飛び交い、GRファン驚喜の時期でしたね。
山田:このAPSのGRも、いつも傍らに置いてあるカメラなんです。使って見ると、とてもよくできているし、質感もいい。ただ、発表当初は、「GRのよさって、小型センサーならではの世界だったんじゃない?」という違和感があった。つまり、GRって歴代、機敏で高級感のあるボディで、小型センサー搭載機ならでの世界観を持っていたハズって。あと、ネーミングも「GR」って言い切っているので、次は?という疑問もあったし。
折本:いまとなっては一般的になった、Adobe Creative Cloudの出発点です。当時、ユーザーにとってサブスクリプション制は耳慣れないものでした。
山田:CCって、当初は少々わかりにくかった。その後、月々1,000円の写真家向けコースが登場してからですね、ある意味で、Photoshopがとても身近になったのは。
折本:当時オリンパスイメージングではこのモデルを、OM-D E-M5と並ぶフラッグシップモデルに位置づけていました。E-M1が出たいまとなっては、若干中途半端にも感じますが、スタイリングは好きです。Wi-Fiもこの頃から搭載が進んだ印象があります。
山田;確かに、難しいポジションになってますよね、E-P5って。PL系も高品位路線になってきているので、そっちでもいいかな?と最近ちょっと思っているんです。もちろん、本格的に撮るなら、やっぱり、EVF一体型のほうが使いやすいですしね。雰囲気は好きですけど。
折本:1/1.7型センサーを搭載したミニマムな高級コンパクト。スペックをおごらず、後のGM1やGM5に通じる潔さを持ったカメラです。ただ、レンズスペックはなにげにすごかったです。
山田:このカメラは、しばらく愛用してましたね。やっぱり、このボディサイズで、1/1.7型センサーで、F2からの28-200mm相当って、まさに夢のカメラ。さらに、曲がりなりにも、きちんとEVFまで一体型になっているのは凄い。自動切り替えじゃないのと視野が狭いのは気になるけど、EVFがあれば、日中でも、200mm側でも結構使える。このカメラは、いまでも、傍らにいるカメラの一つです。
山田:このレンズを見て、「EOS Mって、継続するんだ」って思った人が多いと思いますね。しかも、コンパクトだし、画質も上々。とても魅力的な存在ですよね。でも、購入に至っていないのは、ボディ側の問題だな。EVFの「EOS M3(仮)」待ちです、私は。
山田:有機MOSって、発表資料を読むと、とっても魅力的なんですが、まずは実際にモノがでてこないと、その実力がわからない。期待してるんですけどね。
山田:好きなカメラです。凄く実直で、写りは想像を遙かに超えるレベル。こんなに立体感のある自然な描写をするズームレンズって、希有な存在だと思いますよ。絵作りも品があって。ちょっと嵩張るし、価格も立派なものですけど、それだけの魅力がありますね。
折本:Eye-Fiはここでようやくスマートフォンとの連携を本格化しました。解消すべき問題はまだありますが、スマートフォンへの自動転送はひとつの理想なので、これからもがんばってほしいです。
山田:Eye-Fiはこの世界の老舗であり、いまでも多くの機種が対応している点で、とても安心感がありますね。私も初代の「EOS M」にいれて使うことが多々あります。やはり、Facebookなどで、スマートフォンと組み合わせ使う機会がどんどん増えているので、このシステムは魅力的ですよね。
山田;いまの月面撮影用メイン機種です。1/1.7型センサーになって、ほんとに画質が上がったし。RAWデータで取ってPhotoshopなどで処理すると、想像以上にいい絵がでますよ。でも、初代から1/1.7型で発売していえば、もっと人気が出たような気がするんですけどね。
折本:Xシリーズなのにあれっ?という感じでした。ファインダーレスの小型軽量路線。取材用にブラウンを購入するつもりでしたが、その色だけ発売が遅く、何となく買い時を逃してしまいました。
山田:Xシリーズのエントリー系ですよね。私は「X-T1」が出るまでは、可動液晶が必要なときによく使ってました。ただ、ポジションとして、やや中途半端な感じがありますね。もう一工夫欲しい感じですね。
山田:このレンズ、外観は正直、安っぽいけど、ほんとによく写る。特に、16mm(24mm相当)からカバーできる点がとっても便利なんです。ただ、絞りリングがレンズにないので、操作性が大きく変わっちゃうのが残念。まあ、もともと、エントリー系のキットレンズが大前提ではありますが、よく写るだけに残念…。
折本:初代RX100のユーザーでしたが、RX100の完成度が高かったので、個人的にはそれほど盛り上がりませんでした。ただし高感度画質をはじめ、着実にブラッシュアップしているところに、ソニーの1インチセンサー戦略の本気度を感じました。
山田:初代のネックだった高感度性能がだいぶ改善された感じですね。この手のカメラは、けっこう、光線状態の悪い場所で撮影することが多いので。あと、チルト液晶もやっぱり便利。でも、初代のインパクトの強さが半端じゃなかったので、ややおとなしい感じ見えましたね、完成度は上がっているのに。
山田:酷いです…。この半年前に「RX1」を購入したオーナーとしては、「えっ〜!」っていう感じでしたね、まさに。ただ、使って見ると、やっぱりローパスなしになると、同じセンサーでも切れ味が全然違う。これは凄いと思いましたね。でも、このカリカリの描写が「RX1」オーナーが求めている、大人のコンパクト機と合致するのか?というのは疑問でした。なにより、「RX1」発表時に、将来の展開として、ひとこと、いっておいて欲しかった…。
折本:半年後とは確かに酷いですね(笑)
折本:ここで社名から“ペンタックス”が消えました。リコーだけ残ってペンタックスがなくなるのは、ファンとしてちょっと納得がいかないのでは。当時はふがいなく思ったものです。今は慣れましたが。
山田:辛かったな…。社名からペンタックスの文字がなくなったのは。もちろん、ブランドとしては残ったわけですけど、やっぱり、釈然としない。最初から、そのつもりだったんだ…という感じがして。実はいまも、馴染めません…。
折本:一眼レフカメラのまま、センサーからライブビューの性能アップを図ったというのは意表をつかれました。ミラーレス陣営には脅威の技術ではないでしょうか。もちろん、ミラーレスにも転用できますけど。それ以外もまとまりが良く、使いやすいカメラです。
山田:いいカメラだし、メカ部分の造り込みがしっかりしているので、使っていても、なかなか心地良い。でも、このモデルの一番の売りが「デュアルピクセルCMOS」っていうのは、どうも…。だって、一眼レフファインダーで静止画撮っている範囲では、何の関係もない機能を、メインの売りにするのは、どうなんだろう?と思いました。しかも、ユーザー体験会で普通のユーザーのかたが、その機能があるからAFが早いと思い込んで話をしているのを聞いたときは、これでいいの?と思いました。もちろん、凄い技術だし、将来の展開が楽しみなのは、わかるんですけど。
折本:ここでUHS-II対応カードが発表されています。しかし、いまだに対応機種がFUJIFILM X-T1のみというのは寂しい限り。
山田:確かにX-T1のみですね。でも、私はX-T1を使うことが本当に多いので、この速さは凄いと思った。特に高速連写後の書き込み時間、バッファの開放時間が、全く違うんですよね、通常カードとは。使うと、普通のカードには戻れない感じがありますね。
山田:これまで超高倍率というと、望遠側ばっかりが注目されたけど、このモデルでは、広角側が一気に20mmになった。これは画期的な出来事だと思いますよ。だって、普通の薄型高倍率機でも、この領域までカバーできているモデルは皆無ですからね。私も取材で使いましたけど、やっぱり、FZ200と比べると、望遠側の暗さが如何ともしがたく、泣く泣く。FZ200に戻ってしまいました…。
山田:実は先代の「XS1」から、密かに好きなモデルだったんです。この薄さは画期的ですよね。しかも、XS3になって、画素数は減っていますが、画質も上がっているので。しかし、この薄さで5倍ズームなら、スマートフォント一緒に持っていても、役割分担がきちんとできるし。好きだな、いまも。
折本:新製品なのに、あり得ないほど強烈なぐるぐるボケ。それが売りになるのが、今の時代らしいと思います。
山田:これも、アリなのかな?楽しいといえば、楽しいかもしれないけど。
折本:日本に台数が入ってこなかった上、あっという間に中国へ転売されたカメラ。中国経済のすごさを改めて思い知りました。
山田:すごいですよね。中国では、TRは完全なブランド品ですし、なにしろ、TR専門ショップがあるんですから。もちろん、日本でも自撮り文化はありますけど、中国は想像を超える世界ですね。
折本:初代GF1が出たときのようなプレミアム感。装備もGシリーズを凌駕していて、動画のプロ=GH、コンシューマーのハイエンド=GXという棲み分けが見えてきました。パナソニック初のボディ内手ブレ補正も衝撃的でしたね。
山田:GXも初代はポジションがいまいち明確じゃなかったけど、GX7になって、ポジショニングがはっきりした感じですね。しかも、チルト式のEVFがとってもユニークで、草花のローアングル撮影にとっても便利。
山田:このレンズ、地味ですけど、私にとっては結構重要なレンズなんです。正直、それまでのNEXシリーズは、高性能な標準ズームがなかったので、ボディが高画質でも、それを普段から活かす術がなかったわけです。それがこのレンズの登場で、一気にそれができるようになった。なので、「NEX-7」や、最近は「α6000」と一緒に使うことが多いですね。やっぱり、レンズの力って、凄いですよ。
山田:リニューアルといっても、基本は外観変更。光学系は同じで、コーティングを最新にしている感じですよね。それでも十分といえば、そうなんですけど。
山田:出た! THETA。これまで、全天球撮影なんて、超ハードルが高くて、自分で撮れるとは思っていなかったけど、THETAなら簡単。特に、スマートフォンと組み合わせたときのおもしろさは、画期的ですよね。正直、私は初代は高価だったんでパスだったけど、二世代目は発売日に購入しました。
折本:まずは、先進的なユーザーがいち早く取り入れ、使い込みを競い合った印象です。キワモノで終わらず、表現のツールとして定着してほしいです。
山田:いいレンズですよね。明るいし、そこそこのサイズに収まっているし、寄れる。マイクロフォーサーズならではの世界を具現化した感じがしますね。
山田:発売までに1年かかったけど、これは絶品ですね。メーカーがこのタイミングで開発発表したかった理由が、使って分かりました。切れ味も鋭いし、ボケもズームと思えないレベル。特に、1.4xテレコンを併用したときの味が好きです。
折本:新たにフラッグシップラインを設けたわけで、E-M5での不安要素がすべて解消。カメラらしいスタイリングもかっこいいし、何より触っていて楽しい。私の周りでの所有率がやたら高い(笑)。フォーサーズ終息宣言の引き換えに出た製品ですが、ここから先の進化も楽しみです。
山田:バランスのいいカメラですよね。E-M5もかなり頑張ったカメラだと思うけど、確かにわずかな不満点をきちんと解消してきた。操作性もよく練られているし。高級機ですよね。
折本:これまたソニーらしいチャレンジングな製品ですね。
山田:ソニーって、こんな発想のものを、きちんと製品化しちゃうところが、凄いと思いますね。なんだか、「これをどう使う、どう活かす!」っていうバトンを、ポンっと渡された感じがしています。ソニーが元気になってきた証拠でもありますね。いいなぁ。
山田:私はこれからの時代、主役は徐々にボディから、レンズに移行してゆくと思うんです。その意味で、レンズの味を解析して、それをシミュレートできるようにしたところは、凄いと思います。ただ、これができたことで、メーカーは自分が求めるレンズ像をもっともっと明確にする必要性がでてきた。これって、とても重要だし、大変な作業だと思いますよ。
折本:これはミラーレスカメラらしい展開だと思いました。レンズ交換なのに完全防水。水中での画質も、防水コンパクトの数段上を行きます。地上での画質も良いので、リゾートへの旅行におすすめです。
山田:ミラーレスの可能性の一つとして、こんな世界があるっていうのを、きちんとみせてくれた。これはとても意義のある製品だと思いますね。
折本:2012年9月に生産を完了したD600の後継モデル。この後、D600の黒いツブ現象が公式に告知されるのですね……
山田:D600って、不幸なカメラだったような気がしてるんです。でも、こんなに早くD610に移行するとは思わなかった。最近、なんでも、騒ぎすぎる感じがして…。常に完璧なものを出せればいいけど、あまりに完璧さを追求すると、結果的に開発期間を延ばし、最終的に、価格に跳ね返ってくる。それでいいのかな?って。
折本:リコーイメージングになって初のK一桁。ローパスセレクターはこれまたSRを活かした独自機能です。
山田:ほんと、「おぉ、その手があったか!」という感じですよね。結局は、センサーシフトで、ほんのちょっとだけ、ブラしているわけですけど。技術の可能性を追求する姿勢には、とても共感が持てますね。
山田:今後、このような問題が増える可能性があったところに、このような動きを日本メーカーが明確にみせたのは、とてもいいことだと思います。でも、デザインって、判断が難しいところだとは思うのですが。
折本:Eマウントでフルサイズという、あっと驚く展開。α7の15万円前後という価格にもショックを受けました。この後、APS-CのNEXを含め、ミラーレスとAマウントをすべてαに統合したりと、改革が進みます。
山田:このインパクトは凄かったですね。初めて見たとき、しばし、絶句しました。このカメラって、サイズ的には「E-M1」とほぼ同じなんですよね。これでフルサイズを実現しちゃうのは、凄すぎる!ソニースピリッツを感じましたね。しかも、24メガだけじゃなく、36メガまで、最初からラインナップしたのにもビックリ。最初に見たとき、ソニーの人に「あとは超高感度ですね」っていったら、その後、α7Sまで登場しちゃうし。ただ、発売当初、レンズが弱かった。特に、α7Rとツァイスのズームが同時発売じゃなかったのが、痛かった…。
山田:1インチセンサーって、凄い可能性があると思っていたんですが、確かに、24-200mm F2.8通しをこのサイズ感で実現したのには感心しましたね。ただ、持ち歩くには、やっぱり、大きかったなぁ。1インチの限界点もあるし。なにより、近接撮影で色収差が残っていたので、取材用としては厳しかったのが、個人的には一番残念でした。
山田:これを「α7」「α7R」と同時発売して欲しかった…。というか、「α7R」の発売を遅らせて、このレンズと同時発売にすれば、もっとよかったのに…って思いましたね。製品の魅力って、発売のタイミングも大きく関係するんですよね。そこが一番、惜しかった…。
山田:サイズを考えると、F4っていう選択肢はありだと思いました。でも、やっぱりちょっと魅力薄。我が儘だなぁユーザー側って。
折本:コンセプトといい、価格といい、話題になりました。こうしたマニアックなレンズが、予想以上に売れたというのもすごいです。
山田:このレンズは大ヒットしましたね。私もお借りして使いました。確かに、開放付近での、独特な立体感、特に後ボケはよかったですね。けど、正直、開放の時の描写が、どうしても納得できなかった。点光源チャートも撮影しましたけど、四隅はもう一息だし、軸上色収差も残っているので、開放だとピント位置で色が変わるのも。周辺光量も意外に少ないし。これが現在の理想レンズっていわれると、疑問を隠せませんでした。すいません、買う気だったんで、妙に厳しい目になっちゃって。
折本:似合うレンズが少ないのが難点ですが、マイクロフォーサーズの究極の姿を見せてもらった思いでした。質感も高く、趣味性も備えている。比較的発売の近い上級機のGX7がかわいそうでした(笑)
山田:私にとって、ひとつの理想型でしたね。大げさに言うと、夢が叶った!っていう感じです。これがマイクロフォーサーズの神髄ですよね。オレンジのカラーリングもよかった。意味もなく、首から下げて持ち歩いてましたね、とにかく可愛くって。でも、人って勝手なもんで、「これでEVFがあれば…」って思った。そうしたら、ほんとにGM5がでてきた(笑)。
折本:GMに合う貴重な1本。でもまだ大きいかな。画質はものすごく気に入ってます。
山田:画質もいいし、ちゃんと絞りリングがあるところもマニアックですね。こんなレンズをちゃんと出してくるところにGMの本気度をうかがい知ることができますね。
山田:Xシリーズだけど、ベイヤーセンサー。絵作りはちょっと違うけど、でも、ちゃんと富士フイルムらしい絵を出してくるところがいい。
山田:実は私の常時携帯機なんです、これ。この小ささで、2/3型1,200万画素のX-Trans CMOS II。しかも、レンズは25-100mm相当でF値もF1.8-4.9と結構明るい。さらに、RAWデータ記録もできるし、なによりも、microUSBで充電できるのが安心。画質面では1インチセンサーに勝るとも劣らないし、JPEGのままでも色がいい。このサイズで、これに匹敵するモデルって、なかなかないんですよね。
折本:このあとも富士フイルムは、Xシリーズをファームウェアで強化していきます。リコーGR DIGITALのファームウェアアップデートといい、ユーザーにはありがたい施策です。
山田:X100って、ほんとうにファームアップで進化していますよね。その後の富士のXシリーズ全般にいえることですけど。なので、新製品が出ても、その機能が載ってくることが多いので、先代ユーザーはさほど困らない(笑)。
山田:STYLUS 1って、ある意味で、究極のデジタルカメラなんですよね。デザインもOMライクだし、EVFもなかなかいい。取材用メイン機材として使おうと思ったけど、やっぱり、高感度では1/1.7型の欠点を覗かせるし、なによりも、全体に動作が遅い。悪くいうつもりはないけど、結構、理想と現実のギャップを感じたカメラでした。
折本:カメラ好きが潜在意識で「あったらいいな」と思い続けていたデジタル一眼レフカメラ。加えて、センサーがD4と同じというところに特別感を覚えました。
山田:このコンセプトというか、こんな佇まいのカメラ、欲しかったですよね。後藤さんらしいカメラですね。久々に、人の顔が見えるカメラです。正直、細部の造り込みはもう一息だと思うし、とってもキツいいいかたですが、「ニコンがニコンの真似をした」って感じる部分もある。でも、普段使いのFX機として、とてもいい絵を出してくれるし、次世代への期待も込めてDf、買いました。
折本:これが売れているんですよね。動きモノを撮る人口が増えているのは間違いないです。
山田:魅力的なレンズですよね。描写性能も十分だし、価格的にリーズナブル。手持ちで振り回せる範囲の重さとサイズ感ですし。すごく、デジタル時代をきっちり見据えたレンズだなぁと思いました。カメラ側の進化で高感度撮影も普通にできるようになって、この明るさでも困ることはなくなった。しかも、この価格帯ならなんとか買えますしね。デジタルって、「ほんとうのこと」を明瞭にするっていう部分があるわけですけど、このレンズが大ヒットした理由もわかりますね。
山田:ホワイトのKiss。いい雰囲気ですよね。実は、けっこう好きなんです。一眼レフって、こんな世界があっていいなぁと思いました。
折本:カシオの考える高級コンパクトですね。機能は今まで通りてんこもりで、外装にもこだわった。
山田:これはこれで、一つの正解だと思います。でも、カシオって、時代を先取りしちゃうので、ユーザー側が追いつけるのかな?というのは、一番の心配だったりします。よくよく見ると、ほんとに凄いカメラなんですけどね。
山田:このサイズのテンバ、昔使ってました。いまだと、ほんとにミラーレスに最適なんですよね。
折本:やたらAFの高速化をアピールしていましたが、それ以外にもボディが小型化されるなど、ミラーレスカメラとして着実に良くなっています。ただ、依然として華が感じられないのはなぜでしょう。
山田:ほんとに華がないですよね。いいカメラなんだけどなぁ。でも、キヤノンって、ほんとに真面目な会社だなと思いました。M2、完成度はかなり高いし、エントリー寄りに見えるけど、実は高級ミラーレスって感じがしています。内心、「ライカT」の最大のライバルでは?と。
山田:これ、いいレンズですよ。画質はこの画角域のズームでトップレベルですね。最近、外での取材では、この10-24mmと18-135mmの組み合わせで使ってます。
2014年:そして未来へ…
山田:ついに、エントリー一眼レフまで、ローパスレスの24メガかぁという驚きがありましたね。その一方で、確かに競争力があるし、売れるけど、ほんとうにいい写真が撮れて、ユーザーを幸せにするのかな?って疑問も。私が古いのかもしれませんけど。
山田:これには感動しました。大げさかもしれませんけど。ついにシグマが、ど真ん中の直球勝負をしてきた。しかも、実際に使ってみても、それに値するだけの卓越した描写性能と質感を備えたレンズに仕上がっていましたからね。Otusと真っ向勝負できるし、価格を別にしても、総合性能ではこちらが上だと思っています。
折本:ミラーレス用のレンズで一般的な沈胴式を取り入れて小型化。一方のトレンドがもう一方に波及した例です。
山田:カメラの最大の欠点って、持っていなければ、写らないことですから、携帯性の向上は、カメラにとっての永遠の課題ですよね。この沈胴式っていうアイデアは昔からあったけど、一眼レフ系では意外なくらい採用されなかったのが、むしろ、意外ですね。
山田:マイクロフォーサーズの本気度が伝わってくるレンズですね。描写もいいし、高級感も十分。85mm F1.2相当にするために、42.5mmっていうやや中途半端な焦点距離をあえて採用したのも、こだわりを感じますね。でも、ライカレンズなら、90mm相当の45mm F1.2でもよかったような気もするんですけどね。
折本:遅延がわからないレベルのEVF。ここまできたかと感動しました。Xシリーズ念願の防塵防滴ボディでもあります。
山田:Xシリーズって、以前から結構使っていたんですが、このモデルが出てから、メインとして使えるようになりましたね。なによりも、凄い安心感がありますね。撮っていて、信頼できるカメラですね。欠点もあるし、完成度ではもう一息っていうところもあるけど、あとは自分がカバーできる範囲なので。先のファームアップでグンと魅力も増したし。
折本:ローエンドのOM-Dですが、正直、完成度が高いです。E-M1がフラッグシップというならば、E-M5が今後どうなるのか心配になったりします。
山田:やはり、小中学校時代、OM-1/2で育ったので、これが「OM」だよね!っていう感じがしましたね。この小ささで、この完成度。実は、E-M1よりも使用頻度が高いボディだったりします。
山田:よく写りますよね、このレンズは。そろそろ、超高倍率だからっていう意識をさほどしないで使えるレベルになってきたような気がしています。さらに、16mmスタートっていうのがいい。個人的には、デザインも以前より好き。しかし、APS用とはいえ、24-450mm相当の一眼レフ用レンズは、やっぱ、凄いと思いますね。
山田:最初に見たとき、実は「あっ、こう来たか」って思ってしまいました。私、カメラのデザインを自分で勝手に考えて、考察するっていうのが好きなんですよ。本邦初公開の話ですが。そのケーススタディーの一つに似てるんで。なので、その理由も、メリットもデメリットも、想像がつく。なので、先に欠点が脳裏にあって、実はとても心配でした。デバイスのレイアウト的に理はにかなっているんだけど、すごくブレやすい。使っても、そうでしたので。画質はいい。特に高感度や色再現性が従来より向上しているので、使いやすくなってますよね。
折本:私の最初の印象は「なんじゃこりゃ」でした(笑)。でも実物は結構美しい。どんどん我が道を行く感じが頼もしいです。
山田:これは何気に、いいカメラですよね。すごく完成度が高い。NEX-6と7の融合版と聞いて、トライダイアルナビは?ってNEX-7オーナーは思ってしまうんですけど。でも、使ってみて、不満はないですね。AF性能は高いし。あとから「4D focus」っていう名称をつけるのは、どうかな?と思いますけど。ただ、NEX-7のような、愛着が湧かない。これがソニーの最大の課題ですね…。
山田:なんだか、突然でしたね。まあ。「S」っていう改良版だったこともありますけど。改善できそうな「D4」の欠点はきちんと進化していたし。メモリーカード以外。逆にいえば、もともと「D4」の完成度が高かったことも証ではありますが。
折本:これはかっこいいですね。Nikon 1の上級機はモデルチェンジのたびに新しいフォルムになるので新鮮です。スペックもNikon 1ならではの高速番長だし。
山田:仮面ライダー世代は、やっぱ、V3でしょう!っていう変な意識もありますが(笑)。正直、このV3になって、Vシリーズがやりたかったことが結実したような気がします。外付けEVFでいいのかなという点はありますけど。
折本:これも売れました。野鳥をはじめ、日本にはいかに望遠を必要とするアマチュアが多いかを物語っています。
山田:これは売れましたね。いまでも、品薄かと。結構な値段なんですよね、スペックを考えると。でも、出てくる画はいい。手軽な超望遠連写には最適な機材ですよね、Vシリーズとの組み合わせは。
山田:GH4も、いいカメラですよね。どうも、4Kっていうワードが先に出過ぎて、静止画カメラとしてのよさがイマイチ浸透していないのが、個人的には気になりますが。
折本:ソニー・イメージング・ギャラリーの開設といい、ソニーが写真業界にかける意気込みが伝わってきます。
山田:ソニーの本気度、凄いですよね。私は昔から「リアルなフォトギャラリーやプロサポートがないと、一級のカメラメーカーといえない」って、悪態ついてきたからな、15年くらい。実は、1月30日から2月19日まで、ソニー・イメージング・ギャラリーで4Kテレビで見る静止画の作品展を開催するんです。撮影したカメラはソニー以外のもいろいろあるけど(笑)
折本:CMOSセンサーになって、さらに化け物ぶりがアップしました。5,140万画素で高感度にも強い。あこがれる人が多いのもうなずけます。
山田:初代が難産でしたけど、二世代目は意外に安産でしたね。しかも、最新デバイスを搭載して、画質や高感度性能、連写も大幅アップ。しかも、価格は他社と比べて、バーゲンプライスですから、これは魅力的ですね。
山田:ライカのミラーレスって、どんな姿なんだろう?と思ったけど、とても品があるカメラに仕上げてきましたね。しかも、操作性はすべてタッチというところも斬新。絵作りもライカっぽい、雰囲気のあるもので、好きなカメラですね。もし、余裕があれば…と思ったけど、余裕なんか全然ない…。
折本:高級感は随一で、うっとりするほど。プロモーションも旺盛に行なわれ、ライカが新しい層を開拓しようという気概を感じました。
折本:これは自分の中でヒット商品です。ミラーレスが流行する中、良いところをついた製品だと思います。
山田:これは、一種のスキマ商品のように見えるけど、ミラーレスって、すでに高感度撮影が日常的にできるので、このクラスでも十分過ぎるほど。当初、直販のみだったので、知名度が今ひとつなのが惜しい。
山田:これは、出るべくして出た、デジタル時代のレンズ。ボケとかファインダーの明るさを別にすれば、F4で十分。むしろ、F4開放から高画質で、しかもIS付きなら、そちらのほうが実用的ですものね。
山田:EF-Sマウントのユーザーは多いけど、意外に超広角系が足りなかった。それを補ってくれるレンズですし、価格もけっこう手頃ですよね。
折本:「何だかすごいことになったな」というのが当時の感想。ここにきて、α7シリーズが3台揃い、スタンダード(α7)、高画素(α7R)、高感度(α7S)と、用途に合わせてボディを変えて使うコンセプトに感心しました。
山田:正直、私の読み通りになりましたが、12メガはちょっと意外でした。大胆というか…。でも、ほんとうに、余裕のある、いい絵を出しますね、このセンサーは。超高感度もそうですが、私は超ワイドダイナミックレンジのほうにもすごい魅力を感じていて、ほんとうに頻繁に使っています。難点は、あまりにDレンジが広くてシャドー側の階調がでるので、レンズの善し悪しが見えてしまうところ。実はかなりレンズを選ぶカメラだったりします、普通とは違った意味での。
折本:EVF内蔵のギミックも素晴らしいけど、望遠端の最短距離が短くなったのがうれしい。取材にプライベートに使いまくっています。
山田:IIIになって、ほんとうに進化してますよね、日常使いにもいいし、本格的にも撮れる。EVFもよく入れた!っていう感じ。いい意味で、かなりオールマイティーなカメラに仕上がっていますね。逆にいえば、スピードは速かったとは、3世代かかったともいえるんですけど。
山田:このAF、凄いですよね。普段、あまり激しい動きモノを撮ることがないんですけど、このカメラを使うと、撮れちゃう。Eマウントの旧NEX系と、AFマウントの棲み分けがさらに明確になった感じがしますね。できれば、レンズも高速なものを使いたいところですよね、最新の。でも、レンズが高い…。
山田:これっといった特徴が少ないけど、使って見ると、バランスのいいレンズですね。ただ、価格が高めで、純正のF4ズームと被っちゃうのが難点ですね。
山田:鳴り物入りで登場したOtusですね。このレンズは、凄い! 通常は画質向上のために絞りっていうことがあるんですけど、このレンズにはそれが必要ない。開放からバリバリの高画質なんで。なので、絞りは本来の被写界深度調整などの目的に使うっていうところまで、性能を上げてきた。ツァイスの考える、最新の高画質レンズを見た思いがしましたね。でも、高価だし、レンズを味わうという意味での楽しさは希薄だったりする。ほんとに、人って、我が儘だなぁ〜と自分で思ってしまいました。
山田:フォトキナ最終日前夜に、盗難にあったカメラです。今回のフォトキナ取材の完全なメイン機材だったんですけどね。正直、嵩張るけど、ほんとうに、よく写る。1インチなんで、超高感度とかボケは、それなりですけど、それ以外は、これで十分!と思えるほどですね。
折本:待望の望遠ズームレンズ。これでEOS Mでもダブルズームが組めるようになりました。
山田:私は、EF-Mの望遠ズームと一緒に、EVF付きか対応ボディがでると思っていたんですが、予想が外れました…。でも、正直、APSミラーレスで、背面ディスプレイのみでの望遠撮影は、キツい。キヤノンは十分分かってるハズなんですけどね。
山田:このレンズの先代を、風景撮影時の予備として使っていたんですが、今回のほうがやっぱり、いい。きちんと進化してますね、流石に。むしろ、進化していないのは、使っている自分側だなって。
山田:LUMIXユーザーとしては、開発発表当初に搭載されていたVC機能がなくなったのが、痛い。でも、描写はいいので、OM-Dとの組み合わせで使っています。VCって強力だし、安心感絶大ですからね。
折本:大ヒットモデルD800の後継機です。ISO64というところが、さらに風景撮影を意識したように思えました。
山田:D800Eオーナーとしては、なんか複雑な気持ちです。発売から2年。24回払いのローンが終わったところでの登場だったんで…。それはともかく、D800系の欠点を、ことごとく直してきた。特に、ミラーショックが軽減されたのが、悔しい、いや、いいですよね。絵作りも変わっていて、パッと見たときの印象もよくなっていますね。ほんとに完成度が高くなったけど、じゃ、買い換えるか?っていうと、微妙だな…やっぱり。
折本:光学ファインダーがEVFに変更されたと同時に、ボディがレトロ調から少し変化。残念なような…でもかっこいいですね。
山田:ボディデザインは、前のほうが好きでした。なんか、妙に男っぽいカメラになってしまったのが残念です。でも、スナップ用に結構愛用しています。ファインダーがいいし、表示レスポンスも十分で、タイムラグも短いから、ほんとにシャッターチャンスが掴みやすい。センサーは2/3型だけど、1インチ級モデルに引けを取らない性能。なによりも、手動ズームがいい。人って、迷うモノ、行ったり来たりして、最良のところを探すものなんです。なので、本来は電動ズームじゃ、なかなかベストを決められないんですよね。USB充電も便利ですよね。あぁ、このカメラだけもって、ふらっと、どこかに出かけたい…。
山田:つぎはこう来たか!っという感じ。ほんとうに、カシオって、いろいろな方向性を打ち出してきてますよね。使って見て、とても面白いカメラだと思いますが、本体とレンズで両方を充電するのが面倒だったり、コネクト時の消費電力も気になるし、なによりも、液晶の表示品質は低いのが最大のウィークポイント。
山田:定番のPX-5Vからどうかわるのか、興味津々だったんですが、一気に黒の再現性を向上させてきた。一方、以前の5V用に作ったデータを印刷すると、イメージが違っちゃう。定番を変えるって、いろいろ難しいなぁと思っいました。私はまだ、旧タイプですけど。
山田:PL7になって、結構、「P」シリーズに近い印象になってきた。やや上質になった感じがしています。メインは自分撮り機能なのかもしれませんけど。PENシリーズは、だんだん、展開として、難しい方向に向かっているような気がしてるんですけどね。
折本:ハイブリッドビューファインダーがさらに進化しました。意外と拡大表示は意外と使えます。ただ、ここまでやるなら個人的にはEVFで撮るかな。
山田:私も、この機能を使うなら、EVFで撮っちゃう。でも、このカメラの雰囲気って、好きなんで、近距離で人物を撮るときに、積極的に使いますね。レンズもいいし、絵作りもいいので。
折本:ミノルタSTFで有名なアポダイゼーションが富士フイルムからも。こういうこだわりのラインナップがXシリーズの楽しいところです。
山田:正直、普通の56mm F1.2って、いいレンズだけど、距離によって、あとボケがささくれだった感じになることがあるのが難点だったので、結構、背景や距離に気を遣わなければいけないレンズだった。そこに、このレンズがでてきて、それを解決する方法ができた。でも、ノーマルとAPDを2本使い分けるのは、けっこう大変ですね、やっぱり。でも、このレンズのボケ味は、ほかではなかなか出ない世界なので。
山田:このレンズは、凄いです。この描写力は。表現が難しいけど、目が覚めるような世界とでもいうのかな? それでいて、もの凄く嵩張るわけじゃないのが、APS機のいいところですよね。防塵防滴っていう安心感もある。これでテレコンがあれば…と思いますけど。これまで、Xシリーズは長玉が弱かったので、風景系の人にとってはかなりの朗報ですね。
山田:ニコンって、真面目だなあっと思いました。このカメラって、単に800系と600系の間を埋めるっていう存在ではなく、次世代を見据えた新プラットフォームなんですよね。内部レイアウトを大幅に変更することで、薄型化できたので、結果的にチルト液晶をいれても、分厚くならなかったわけで、これは一つの成果だと思いますけど、このプラットフォームの考え方を展開してゆけば、「Df」だってもっと持ちやすくて、スタイリッシュなカメラになるだろうし…。
折本:グリップが深くて持ちやすいです。軽くて軽快なので、F1.8シリーズの交換レンズと組み合わせたいです。
折本:これも人気がありますね。タムロンの150-600mmそうだけど、600mmが身近になった年でした。
山田:レンズって、設計や開発にかなりの時間がかかることを考えると、タムロンとシグマが、近い時期に、同じ焦点域を出してきたのは、やっぱり、時代の要求だったんでしょうね。さらにシグマは、2ライン。とことん性能重視とバランス重視の2つを同時に提案してきた。これも凄いですよね。でも、とても真面目な取り組みだし、結果的に中途半端なレンズがでてくるより、ぜんぜん、いい展開だと思います。
折本:スペックだけでいったら最強の広角ズームレンズ。本格的なフルサイズ時代の到来を感じました。価格も安いです。
山田:これは、タムロンの挑戦ですよね。タムロンって、高倍率ズームのイメージが強くて、実用的なレンズをたくさん売るメーカーっていう感覚があると思いますが、その一方で、凄い技術力を持っているわけで。このレンズは、その、もう一つのタムロンの第一弾なのかもしれませんね。発売済みだけど、まだ実写できていないんですが、フォトキナで触れた印象もよかったし、圧倒的な存在感がありましたね。いま、期待している一本です。
折本:これは触ってみたい。早く日本で発売されないかな。
山田:これは当然、日本国内発売するでしょう! これまでSIMフリー端末って、凄く特殊なものだと思われていたけど、今年5月からは、基本、SIMフリーになるわけだし。実際に使いましたけど、1インチセンサーの絵は、やっぱり、定評のあるiPhone6などとは、全然別の世界。当然ですが、これ、SIM対応の本格派デジタルカメラだなって、明確に感じますよね。だって、FZ1000と同じ絵が出るんですもの。しかも、撮ったら、転送することなく、すぐに、ネットにアップできるので、超便利。実はRAWデータで撮っているんですが、すでにSILKYPIXが対応しているので、普通に使えるし、JPEGよりも包容力のある絵が楽しめる。まあ、最近のスマートフォンに比べると、造りが頑丈なぶん、重めで厚手だけど。でも、カメラ好き、写真好きなら、ハマると思いますよ。
折本:この年一番の話題作でしょう。元の7Dユーザーが多いこともあり、待ち望んでいた人がいかに多かったか。期待に応える性能ですし、それらが販売数字に表れました。
山田:5年ぶりですものね、このクラスで。それだけに期待が高かった。結果的には、もの凄い飛び道具的な機能はなかったけれど、全体の完成度は凄いレベル。面白みに欠けるかもしれないけど、とてもいい道具に仕上がっていますね。いま、EOS 5D MarK IIIを使っているんですが、もう少しだすと、コストで「7D MarkII」と「EOS 6D」の両方が買えるんですよね。なので、画質は「6D」、動きは「7DII」っていうのも、いいかな?と思っています。高感度は「5DIII」より「6D」のほうが有利なのもあるんですけど。
山田:DOって、どうしたのかな?と思っていたら、ちゃんと生きていた。しかも、こんなに小型軽量な400mm F4って、相当魅力的な存在ですよね。価格以外は。
山田:本来は、こちらを先に出すべきだったと思うんですよ、40mmより。薄いし、安いし、よく写る。とても魅力的なレンズだと思います。
折本:キヤノンもついに1インチ高級コンパクトに参入しました。PowerShot S系をベースにしたことで手慣れた感じ。最初から完成度高いです。
山田:G7Xは、S90系の進化版っていう感じですよね、正直なところ。このカメラはバランスがいいし、質感もいい。RX100系とガチのライバルになりますよね。キヤノンがこれだけの真っ向勝負を挑んだだけの実力は十分にありますね。
折本:Mモノクロームと同様、ライカしか世に出せないカメラですね。トイデジカメを除けば別ですが……
山田:買えないけど、フォトキナ会場での発表会を見ていて、銀塩育ちの血が騒いだのは確か。もう一度、撮ってすぐに見えない世界に、挑戦してみたいと思ってしまった私がいました。ほんと、これを他社がやったら非難囂々でしょうけど、ライカがやると、尊敬され、やる気にさせるって、やっぱり、ライカって凄いなぁと。
折本:新しいLX、1インチでくるかと思いきや、フォーサーズでした。意表をつかれました。
山田:いま、一番頻繁に使っているカメラです。日常的な作画は、ほぼこのカメラといってもいいくらい。確かに、フォーサーズセンサーという点もあるし、しかも、有効12メガということもあって、絵に余裕があるんですよね。しかも、このサイズで、24-75mm相当で、F1.7-2.8って、ミラーレスでも、あり得ないような世界。ボディの操作感もアナログ的で、なんとも”通好み”のカメラですよね。また、私は普段3:2ですが、マルチアスペクトなので、1:1でも画角が同じ。なので、このカメラになって、積極的に1:1比率を使うようになったのも、自分で驚いています。一緒にいて、こんなにも幸せになれるカメラに出会ったのは、久々かもしれませんね。
山田:GM1を見たときに、「EVFがあったら…」と思ったら、こんなに早く、実現した。GM発表当初に聞いたら「ストロボを外せばできないこともない」といっていたので、その時点で具体的に考えていたんでしょうね。で、いまの常用機で、LX100でワイドから中望遠、GM5は望遠とマクロ用という形が、私の基本です。これだけ持ち歩いても、一眼レフ+標準ズームより軽いので、。まあ、EVFは小さいけど、これがあるだけで、望遠やマクロがちゃんと撮れますから、効果絶大です。でも、オレンジ外装も欲しかった…。
山田:4Kフォト。GH4が登場したときに、いろいろやってみたけど、基本がムービーなので、使いにくさや不満を感じた。それをファームアップできちんと静止画用に特化したのは評価できますね。でも、最初から、これをやるべきだったと思いますよ。
折本:旧型は撮影地でよく見ます。これも待ち望まれたリニューアルのひとつでしょう。
山田:このレンズも、私の風景一眼レフ撮影用の標準機材。でも、もう、手放します。どう考えても、新型のほうが圧倒的にいいので。ただ、16年ぶりっていうことは、もし、つぎも16年後なら、私、70歳近いので、きっと、最後の、EF100-400mmなんだとなぁと思ったら、急に落ち込んじゃったんですけど。
山田:Dfを予約し、発売直後に購入したオーナーとして、正直にいうと、やって欲しくなかった。これは違うっていう気がして。
折本:リフォーカスカメラの第2弾です。今度は国内代理店がつきました。THETAのように、まずはブロガーやガジェット好きに受け入れられるといいですね。
山田:この考え方は、とても興味があって、使って見たんですけど、確かに面白いし、実用性もある。もちろん、この世界はアリだと思います。あとから、ピント位置や深度を調整したい撮影って、ありますし。でも、これが写真を楽しくするのか?って考えると、それはちょっと違うような気もしました。便利だけど、楽しくない。
山田:おおげさないい方をすると、この方式って、実用品としてデジタルカメラの、一つの到達点かもしれないし、もしかすると、ピン送りや3Dなどムービー的な表現へ移行する足がかりになるかもしれせん。
山田:でも、写真って、楽しいから撮るものだと思うし、結果だけでなく、そのプロセスも重要なんです。つまり、1枚の写真を撮るときに、いろいろなものを、その場で判断し、決めてゆくっていう、いわば人生の分岐点みたいなものを、瞬時に判断してゆく。そんな醍醐味がある。だから、常に真剣勝負なんです。
山田:人生、後から見ると、やり直したいことって、たくさんあると思います。でも、後からやり直せることが、いい結果を生むわけじゃないって。それよりも、失敗してもいいから、そのときそのときの課題に、真剣に、真摯に取り組むことの方だ、より大事なんじゃないかな?と。
まとめ
山田:創刊から10年、デジカメ Watchが見つめ続けてきたデジタルカメラの世界にも、そんなことがたくさんあったような気がします。でも、どの製品も、そのときに正しいと思ったものを、メーカー世に問うてきた。そして、ユーザーはその対価を払うという形で、それを真剣に考え、判断してきた。それがいまの結果なんです。それらをすべて受け入れたうえで、これからのデジタルカメラがどんな風に歩んでゆくのか。
山田:今年は「カシオ・QV-10」発売から、ちょうど20年目。今年、デジタルカメラはようやく成人式を迎えるんですね。デジタルカメラにとって、いまはとても厳しい時代を迎えていますが、これからのさらなる荒波に揉まれながらも、どんな風に成長してゆくのか、実はとても楽しみにしています。大いなる、期待を込めて…。
折本:10年、長いようで短かったですね。デジタルカメラ業界の10年は、技術の進化と大衆化の両方が上手い具合にリンクした10年だったと思います。実際、5年間ぐらいは自分自身が買うカメラもどんどん良くなり、自前のレンズシステムも銀塩時代からずいぶん様変わりしました。
折本:コンパクトデジタルカメラがスマートフォンに取って代わられたことで市場が縮小していますが、おかげで、カメラが本来のこだわりの世界に戻ってくるのかと期待しています。かといってデジカメ Watchではディープな世界だけでなく、カジュアルなカメラとの付き合い方もお伝えできればと思っています。今後ともご愛読のほどよろしくお願いします。