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シグマ、新世代Foveon X3センサー採用の「dp Quattro」シリーズ

28mm/45mm/75mm相当の3機種を開発発表。CP+2014に出品

 シグマは10日、新世代のFoveon X3ダイレクトイメージセンサー“Quattro”を搭載するレンズ一体型デジタルカメラ「SIGMA dp」を開発発表した。発売時期・価格は未定。2月13日に開幕するイベント「CP+2014」に出品する。

 同社の哲学である「作品づくりのためのカメラ」としての方向性を先鋭化させたという新モデル。ボディ形状はこれまでのDPシリーズのように箱形ではなく、単焦点レンズを装着したミラーレスカメラのように飛び出したレンズ部と、極端に薄いボディ部分が目を引く。

 特に、グリップ部分がレンズ側でなく背面側に出ているのは珍しい形状。同社では、重量感・形状・レイアウトによるホールディング性も含め、すべての要素を「画質」に集約したとしている。本体のみの重量はDP2 Merrillの355gから395g(dp2 Quattro)になっている。

 dp2 Quattroのボディサイズは161.4×67×81.6mm。幅がDP2 Merrillの121.5mmに対し約4cm長く、奥行きはDP2 Merrillの59.2mmに対し81.6mmとなっている。

 ラインナップはDP Merrillシリーズと同様の3機種。搭載レンズごとに35mm判換算28mm相当のdp1(19mm F2.8)、45mm相当のdp2(30mm F2.8)、75mm相当のdp3(50mm F2.8)がある。現時点の仕様表によると、レンズ構成枚数と最短撮影距離、絞り羽根の枚数はDP Merrillシリーズ各機種と同様。

 撮像素子はAPS-Cサイズ相当のFoveon X3ダイレクトイメージセンサー「Quattro」(23.5×15.7mm)。従来のMerrillセンサー(4,800×3,200×3層)と異なり、3層のうちRGB色情報のRとGを取り込む下部2層は490万画素、Bの色情報と輝度情報を取り込む最上層を2,000万画素とした。この「1:1:4」構造にちなみ、新センサーのジェネレーションネームはQuattroと命名。30%の解像度向上、データ容量の削減にも成功したという。

センサー構造(シグマ提供)

 同時に、データ処理の高速化と消費電流の削減も行なった。画像処理エンジンはQuattroセンサーに最適化した「TRUE III」に刷新。具体的な撮影可能枚数は明らかになっていないが、バッテリーはMerrillシリーズに採用されていたBP-41から「BP-51」に変更。少ないと言われていた撮影可能枚数の増加にも期待がかかる。記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカードに対応。

 有効画素数は約2,900万画素。記録サイズはRAW HIGHで最大5,424×3,616ピクセル、JPEG SUPER-HIGH(3:2)で7,680×4,320ピクセル。14-bit RAW記録に対応する。感度はISO100〜ISO6400。

 Foveon X3ダイレクトイメージセンサーは、光の波長特性を利用し、シリコンの異なる深さに3層のフォトダイオードを配置して色分離する垂直色分離方式を採用。水平に並んだカラーフィルターで色分離を行なう一般的イメージセンサーのように、カラーフィルターによる光情報の損失がない点や、光学ローパスフィルターが不要な点を特徴としている。

 AFはコントラスト検出式。MFはフォーカスリングで行なう。操作ダイヤルはカメラ上部に2つ、シャッターボタン同軸と背面寄りに装備する。AEロックボタンを引き続き搭載。液晶モニターは3型約92万ドット。

【2月12日13時30分】製品画像を追加しました。

(本誌:鈴木誠)