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ライカ、アルミ削り出し“ユニボディ”の「ライカT」
APS-Cセンサー採用。新規のライカTマウント
Reported by 本誌:鈴木誠(2014/4/25 08:40)
ライカカメラジャパンは、レンズ交換式デジタルカメラ「ライカT」(Typ 701)および交換レンズ2本を5月26日に発売する。4月18日の予告通り、ドイツ時間の4月24日15時に発表された。ボディの価格は税込23万7,600円。
新規のライカTマウントを採用するライブビュー専用機。プレーンな印象のアルミボディと、背面の大きなタッチパネル式モニターが目を引く。貼り革などもなくシンプルな見た目だが、ボディ両端の丸みにクラシックなライカらしさのアピールも感じられる。Wi-Fi機能も内蔵した。
ライカの現行レンズ交換式カメラには、中判AFデジタル一眼レフカメラの「ライカSシステム」、35mmレンジファインダーカメラの「ライカMシステム」がある。レンズ一体型にはAPS-Cセンサーの「ライカXバリオ」および「ライカX2」があるが、APS-Cフォーマットのレンズ交換式カメラはライカTが初となる。
背面モニターは3.7型130万ドットで、主な操作はタッチで行なうという。タッチAFにも対応。よく使うメニュー項目を登録できる「マイカメラメニュー(MyCamera menu)」の搭載で操作性に配慮した。背面にはカーソルキーなどのボタンがなく、上部に右手親指で操作するダイヤルが2つあるのみ。
ポップアップ式の内蔵ストロボを装備。シャッターボタンと同軸の電源レバーが「OFF/ON/フラッシュマーク」の配置になっており、それで切り替えると見られる。ストロボは1/180秒まで同調する。
ライカTマウントは電子接点を持ち、コントラスト検出式のAFや電子制御の絞りを備える。別売の「ライカT用Mレンズアダプター」(税込4万5,360円)でライカMレンズも使用可能。同時発売のライカTレンズについては後述する。
ライカTの撮像素子は、APS-Cサイズ相当(23.6×15.7mm)の有効1,630万画素CMOSセンサー。感度はISO100-12500。RAW(DNG形式)記録に対応する。シャッター速度は1/4,000秒〜30秒。連写性能は約5コマ秒。
記録メディアはSDXC/SDHC/SDカード、マルチメディアカードに対応。16GBの内蔵メモリーも備える。
アップルApp Storeで無償配布する「Leica T app」を用いて、Wi-Fi経由の画像転送やリモートライブビュー撮影が可能。また、Android端末などでは無線LAN経由でWebブラウザからカメラにアクセスし、画像の閲覧とダウンロード(200万画素)ができるという。
ボディ上面に動画ボタンを装備。1,920×1,080p/30fps、1,280×720p/30fpsのMP4動画を記録できる。
カメラ上部にホットシューを備え、GPS内蔵・アイセンサー搭載の外付けEVF「ライカ ビゾフレックス(Typ 020)」(税込7万3,440円)を利用可能。LEDビデオライトを備えたクリップオンストロボ「ライカSF26 フラッシュ」(発売時期・価格未定)もラインナップする。
バッテリーはリチウムイオンバッテリー「BP-DC13」(単体税込1万2,960円)。撮影可能枚数は約400枚。カメラ本体にバッテリーチャージャーが付属する。microUSB端子を備え、USB充電にも対応する(要1A出力)。
外形寸法は134×69×33mm。重量はバッテリー込みで約384g。
Adobe Photoshop Lightroomのダウンロード権が付属する。
レンズ2本を同時発売。フォトキナで広角と望遠のズームも
レンズは、標準ズームと広角単焦点の2本を同時発売する。
「ライカ ズミクロンT f2/23mm ASPH.」(税込24万3,000円)は、35mm判換算35mm相当の広角レンズ。
レンズ構成は非球面2面を含む6群9枚。最短撮影距離は0.3m。フィルター径は52mm。付属のバヨネットフード非装着時の最大径×長さは63×37mm、重量は約154g。
「ライカ バリオ・エルマーT f3.5-5.6/18-56mm ASPH.」(税込21万600円)は、35mm判換算27-84mm相当の標準ズームレンズ。
レンズ構成は非球面4面を含む7群10枚。最短撮影距離は0.3m(広角端)、0.45m(望遠端)。フィルター径は52mm。付属のバヨネットフード非装着時の最大径×長さは63×60mm、重量は約256g。
2本ともレンズ鏡筒に絞りリングや距離指標は持たない。
なお、9月にドイツで開催される「フォトキナ2014」では、これらに加えて広角ズームレンズ「ライカ スーパー・バリオ・エルマーT f3.5-4.5/11-23mm ASPH.」と望遠ズームレンズ「ライカ バリオ・エルマーT f3.5-5.6/55-135mm ASPH.」も正式発表するという。
別売のライカT用MレンズアダプターでライカMレンズを装着すると、絞り優先AEもしくはマニュアル露出モードでMF撮影できる。6bitコードを読み取るセンサーも持つという。
専用アクセサリーを用意
ライカTの本体およびアクセサリーは、発売済みのコンパクトデジタルカメラ「ライカC」などと同様、アウディ社のデザインチームが手がけたという。
以下はいずれも2014年6月発売予定。
「ライカT用リストストラップ」(税込5,400円)は、ブラック、ホワイト、メロンイエロー、オレンジレッドを用意する。
「ライカT用キャリングストラップ」(税込9,720円)は、ブラック、ホワイト、メロンイエロー、オレンジレッドを用意する。
ストラップ取り付け部には「Easy-Click」方式を新たに採用し、着脱の容易さと、アイレットの凹凸が目立たない点を特徴としている。ストラップを使用しない際はダミープラグの装着でフラットになる。
シリコン素材の「ライカT用スナップ」(税込8,640円)は、カメラ前面を守りつつ、外観イメージを変えられるプロテクター。背面モニターや操作部を保護する「ライカT用フラップ」(税込4,320円)と組み合わせられる。
そのほか、「ライカT用レザープロテクター」(税込1万2,960円)、「ライカT用ホルスター」および「ライカT用レザーホルスター」(いずれも税込2万3,760円)、「レザーシステムバッグ」(税込4万1,040円)を用意する。