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オリンパス、新フラッグシップ機「OM-D E-M1」

像面位相差AF搭載。フォーサーズはマイクロフォーサーズに統合

 オリンパスは、同社レンズ交換式カメラのフラッグシップ機「OLYMPUS OM-D E-M1」を10月上旬に発売する。カラーはブラックのみ。(発表会の模様はこちらの記事を参照されたい)

製品名 同梱レンズ 発売時期 店頭予想価格
ボディ ボディーキャップレンズ(BCL1580) 10月上旬 145,000円前後
12-50mm EZレンズキット M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZ 170,000円前後
12-40mm F2.8レンズキット M.ZUIKO DIGITAL 12-40mm F2.8 PRO 10月下旬 220,000円前後

 像面位相差AFや光学ローパスフィルターレスセンサーなどを搭載するマイクロフォーサーズ機。「OM-D」シリーズの第2弾となる。また、同社のフラッグシップデジタル一眼レフカメラ「E-5」(フォーサーズ機。2010年10月発売)の後継モデルに当たる。

 なお、「体験イベントでフラッグシップ機最新機種を展示」と8月27日に予告していたカメラは本機に当たる。体験イベントの詳細はこちらを参照されたい。

 オリンパスはE-M1の発売で、同社がこれまで有してきたフォーサーズとマイクロフォーサーズのシステムを統合する。今後、レンズ交換式デジタルカメラの新規開発はマイクロフォーサーズ対応製品に絞る。フォーサーズの新製品について、「ボディ、レンズとも計画はない」(同社)としている。なおE-5や現行のZUIKO DIGITALレンズ(フォーサーズ対応レンズ)の販売は当面継続する。

 オリンパスは、次期フラッグシップカメラとして一眼レフカメラとミラーレスカメラの開発を並行して進めていたという。フォーサーズ機は「E-7」(仮称)とするモックアップもできていたが、検討の結果ミラーレスカメラが優位だと判断したとする。今回、「フォーサーズレンズの性能をフルに引き出せる新AFシステムを実現」(同社)できたことも両システムを統合する要因の1つとなった。

 E-M1の登場で、これまで同社マイクロフォーサーズカメラのフラッグシップ機だった「OLYMPUS OM-D E-M5」は“主力機”との位置づけになる。

ボディーキャップレンズ(BCL1580)を装着したところ。
M.ZUIKO DIGITAL ED 12-50mm F3.5-6.3 EZを装着したところ。
M.ZUIKO DIGITAL 12-40mm F2.8 PROを装着したところ。本レンズはE-M1に合わせて新発売となるモデル。本レンズの詳細はこちらの記事を参照されたい。

フォーサーズレンズは像面位相差AFで高速に合焦

 E-M1では、像面位相差AFとコントラストAFを自動的に切り替える「DUAL FAST AF」を新たに搭載した。

 マウントアダプターでZUIKO DIGITALレンズを装着した際には、像面位相差AFが選択される。ZUIKO DIGITALレンズは、もともと位相差AF用レンズのためコントラストAFのマイクロフォーサーズカメラではこれまで本来のAF性能を発揮できなかった。DUAL FAST AFではE-5に迫るAF速度を実現したほか、開放F2クラスのレンズではE-5以上のAF精度を発揮するとしている。

 像面位相差AFの測距点は37点と、E-5の11点から大幅に増えた。シングルAF、コンティニュアスAFとも像面位相差で測距できる。ただし、動画撮影中はMFとなる。DUAL FAST AFの像面位相差AFは、撮像素子の画素の一部を測距用センサーに置き換えた構成をとる。左チャネル用と右チャネル用の位相差画素を離散的に配置し、AFの情報を取得する。位相差画素は撮像には使えないため、周囲の画素の情報を元に補完する。AFと補完の精度を向上させるため、位相差画素の配列に独自の工夫を行なっている。

フォーサーズレンズの装着例。ZUIKO DIGITAL ED14-35mm F2 SWD(左)およびZUIKO DIGITAL ED 150mm F2(右)。いずれも、マウントアダプター「MMF-3」を使用。

 一方、当初からコントラストAF向けに作られたM.ZUIKO DIGITALレンズを装着した際にはシングルAF時はコントラストAF(ハイスピードイメージャAF)で測距する。像面位相差を使用しないのは、コントラストAFで十分なAF速度が出るためとしている。コントラストAFの測距点は81点に増えた(E-M5は35点)。新たに、より小さい範囲にピントを合わせられる「スーパースポットAF」も搭載した。マクロ撮影などフォーカスポイントを細かく指定したい場合に重宝するという。なお、コンティニュアスAFでは、像面位相差AFとコントラストAFを併用することでこれまでよりも性能を向上させた。最高6.5コマ/秒の連写速度でAFが追従するとしている。動画撮影時は、コントラストAFのみの測距となる。

マイクロフォーサーズレンズの装着例。M.ZUIKO DIGITAL 12mm F2(左)およびM.ZUIKO DIGITAL 75mm F1.8

絞り込みによる回折ボケを軽減する「ファインディテールII」

 撮像素子は新開発の4/3型1,628万画素Live MOSセンサーを搭載する。ローパスフィルターレスにすることで解像感を向上させた上で、新画像処理エンジン「TruePic VII」でローパスレスに対応したモアレ除去処理を行なう。合わせてシャープネス最適化補正と倍率色収差補正も行なう。これらの処理はレンズの種類や絞り値に応じて実行され、同社では「ファインディテールII」として訴求する。「絞り込みで発生する回折ボケによる画質低下も防ぐ」としている。

 感度はISO100〜ISO25600。撮像素子とTruePic VIIにより高感度画質も向上したという。特に暗部のノイズを抑えたほか、色抜けのないノイズリダクションを実現したという。動画記録は1,920×1,080ピクセル、30pのH.264(MOV)形式など。

撮像素子
メイン基板
透視図

 内蔵EVFは倍率約1.48倍となる新型を採用。35mm判換算では約0.74倍になることから「35mmフルサイズ一眼レフカメラに匹敵するファインダー倍率」としている。E-M5は約1.15倍(35mm判換算約0.58倍)だった。パネルは液晶でカラーフィルター式の約236万ドットとなっている。E-M5の約144万ドットから大きく増えた。表示タイムラグは0.029秒としている。

EVF

 EVFには環境光に応じてバックライト輝度を自動調節する「キャッツアイコントロール機能」を新搭載した。視覚誤差によって暗い環境(屋内など)ではEVFが明るく見え、明るい環境(屋外など)ではEVFが暗く見える現象を軽減する。OVF(光学ファインダー)に近い見え方を提供できるとしている。

 また、EVFを見ながら色調整ができる「カラークリエイター」も新たに搭載した。円周方向が色相、半径方向が彩度のカラーホイールを表示し、ボディのフロントダイヤルで色相、リアダイヤルで彩度をコントロールできる。「積極的に色を演出することで、イメージを写真に写し込める」という。なお、従来機から搭載している明るさ調整機能「ハイライト&シャドーコントロール」との重ね掛けも可能となっている。

-10度の耐寒性能を備える

 ボディはマグネシウム合金製。E-5を超える防塵防滴性能を持たせたほか、-10度での動作を保証する。ミラーレスとしたことで、特に重量はE-5の55%程の443g(本体のみ)と大幅な軽量化も実現している。

ボディはマグネシウム合金製。
防塵防滴性能を有する。
赤線は防塵防滴のためのシールド。

 ボディデザインはE-M5を継承するものだが、E-M5よりも大きめのグリップを備えた。「しっかり握れて、フォーサーズの大きなレンズでも保持しやすい」とする。

 またボディの大きさに対して、操作ダイヤルを大きくすることで操作性を高めたとしている。新設したモードダイヤルロック機構にはトグル式を採用し、ロック有りとフリー回転をユーザーが選択できるようになった。

 E-M5で左肩にあったモードダイヤルは、右肩に移動した。左肩には新たに、ドライブボタンや電源レバーなどを配置した。ドライブボタンは同社の銀塩カメラ「OM-1」の巻き戻しノブを模したデザインになり、電源レバーもほぼ同じ位置にあったOMシリーズのそれを思わせる意匠となっている。

 ドライブボタンには「HDR撮影機能」も割り当てられている。これを押すと、露出の異なる4枚の画像を合成してHDR画像を生成できる。1EVステップで自然な風合いになる「HDR1」と2EVステップで絵画のような写真になる「HDR2」を利用できる。

 OLYMPUS PEN E-P5で採用した前後ダイヤルによる操作系「2×2ダイヤルコントロール」も搭載している。

 アートフィルターには新たに「ジオラマII」が加わった。縦位置で撮影した際に、上下がボケてジオラマ風になるモード。横位置に構えた際には左右がボケることになるため、横位置撮影でポートレートを撮影することも提案している。この際、フォーカスポイントを起点にボケていくため、左右非対称のボケを作ることができるという。

 手ブレ補正はセンサーシフト式の「5軸手ブレ補正」を引き続き採用。シャッター速度換算4段分(CIPA準拠)の効果を謳う。新制御アルゴリズムを投入したことで、低速シャッターではE-M5よりも安定性が向上しているという。

 Wi-Fi機能も搭載する。新たに、スマートフォンからのライブビュー撮影時に撮影モード(P/A/S/M/iAuto)の変更が可能になった。従来はiAutoから変更できなかった。これにより、シャッター速度、絞り値、露出補正、ISO感度、WBをスマートフォンから変更できるようになった。加えて、長秒撮影中に露光状況を簡易確認できる「ライブバルブ」と「ライブタイム」もスマートフォンから撮影可能になった。

 最高シャッター速度はE-5と同じ1/8,000秒。E-M5は同1/4,000秒だった。

 液晶モニターは約104万ドットの3型。タッチパネル式で、上80度、下50度にチルトできる。

 内蔵ストロボは非搭載だが、クリップオンストロボ「FL-LM2」(GN7、ISO100・m)が同梱となる。

FL-LM2を装着したところ。
オプションのクリップオンストロボ「FL-600R」の装着例

 バッテリーはE-M5と同じ「BLN-1」。E-5の「BLM-5」と互換性は無い。撮影可能枚数は約350枚。

同梱のストラップ。

パワーバッテリーホルダー「HLD-7」

 防塵防滴性能を備えたE-M1専用のバッテリーグリップ。発売は10月上旬。価格は2万4,675円。ボディ本体とHLD-7に格納した2本のバッテリーが利用でき、撮影可能枚数が約640枚に増える。

装着例。

 縦位置用シャッターボタンの他、2つのコントロールダイヤル、2つのファンクションボタンを装備する。別売のグリップストラップ「GS-5」(10月上旬発売。3,780円)が装着できる。

GS-5の使用例

カメラバッグ「CBG-10」

 「E-M1を最大限活用するためのカメラバッグ」(同社)という製品。発売は11月中旬。価格は3万1,500円。E-M1に使用されているのと同じマイクロフォーサーズのカメラマウントをエンブレムとして装備した。

 収納例はHLD-7を装着したE-M1、ZUIKO DIGITAL ED 12-60mm F2.8-4 SWD、ZUIKO DIGITAL ED 55-200mm F2.9-3.5 SWD、FL-600R、バッテリー、充電器、タブレットまたは小型パソコン、折りたたみ傘、500mlペットボトルなど。ソフトカメラケース「CS-42SF」をサイド部分に装着可能となっている。またトロリーバッグのハンドルに装着できるベルトも備える。

 表皮素材は2525Dのポリエステルで、軽量ながら耐久性に優れるという。また左右、背面、底面にはプラスチックの心材を入れている。インナーケースには移動可能な仕切り3枚が付く。50mm幅のショルダーベルトを採用し、ストレスを軽減するとしている。ウエストベルトも装備可能で、前屈みになった場合にバッグが滑るのを防ぐという。

サイドに別売のソフトカメラケースCS-42SFを装着したところ。

 外形寸法は350×240×160mm。重量は約1.4kg。予備を含めた2枚のレインカバーが付属する。

ソフトカメラケース「CS-42SF」

 E-M1専用のケース。発売は10月上旬。価格は8,820円。M.ZUIKO DIGITAL ED 75-300mm F4.8-6.7 IIを除くマイクロフォーサーズレンズおよび、ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6などのフォーサーズレンズを装着した状態で収納できる。

 表面は1680Dのポリエステル製で、耐久性に優れるという。裏地はネオプレーンとなっており、ケース内の湿気を効果的に放出するとしている。カメラバッグ「CBG-10」のサイドに装着可能。

防水プロテクター「PT-EP11」

 耐圧水深45mのE-M1専用プロテクター。発売は2013年内。価格は12万4,950円。

 ワイヤレスフラッシュコントロール機能を備えており、E-M1同梱のクリップオンストロボFL-LM2により、オプションの水中専用ストロボ「UFL-2」の制御が可能。別売の防水ポートアダプター「PAD-EP08」をを使用するとフォーサーズシステム準拠のすべての防水レンズポートを装着できる。

製品名 OM-D E-M1 OM-D E-M5 E-5
発売年月 2013年10月上旬 2012年3月 2010年10月
実勢価格
(発売時、ボディのみ)
145,000円前後 105,000円前後 20万円前後
システム マイクロフォーサーズ フォーサーズ
ファインダー EVF(約236万ドット) EVF(約144万ドット) OVF
撮像素子サイズ 4/3型(17.3×13mm)
有効画素数 1,628万 1,605万 1,230万
ローパスフィルター
感度(拡張設定含む) ISO100〜25600 ISO200〜25600 ISO100〜6400
イメージセンサークリーニング
画像処理エンジン TruePic VII TruePic VI TruePic V+
AF方式 像面位相差AF
コントラストAF
コントラストAF 位相差AF
背面モニター 3型約104万ドット(液晶)
上下チルト式
3型約61万ドット(有機EL)
上下チルト式
3型約92万ドット(液晶)
フリーアングル式
タッチパネル
ファインダー倍率 約1.48倍 約1.15倍
手ブレ補正 センサーシフト式
防塵防滴
無線転送 内蔵Wi-Fi オプション(PENPAL PP-1)
最高シャッター速度 1/8,000秒 1/4,000秒 1/8,000秒
最高連写速度 約10コマ/秒(AF/AE固定)
約6コマ秒(AF/AE追従)
約9コマ/秒(AF/AE固定)
約4.2コマ秒(AF/AE追従)
約5コマ秒(AF/AE追従)
動画 1,920×1,080/30p 1,280×720/30p
動画コーデック H.264(MOV)、Motion JPEG(AVI) Motion JPEG(AVI)
記録メディアスロット SDXC/SDHC/SDメモリーカード SDXC/SDHC/SDメモリーカード
CF
バッテリー BLN-1 BLM-5
撮影可能枚数 約350枚 約360枚 約870枚
約130.4mm 約121mm 約142.5mm
高さ 約93.5mm 約89.6mm 約116.5mm
奥行き 約63.1mm 約41.9mm 約74.5mm
重量(本体のみ) 約443g 約373g 約800g
重量(撮影時) 約497g 約425g 約892g

【2013年9月19日】記事初出時、表中に記載がありませんでしたがE-5はCFにも対応しています。

【2013年9月13日】記事初出時「HLD-7」について「バッテリー部分とグリップ部分は分離可能で、グリップ部分のみでの使用も可能。」と記載しておりましたが、正しくは分離はできません。