交換レンズレビュー
小さくて軽い28mm特集【第3回】ニコンNIKKOR Z 28mm f/2.8
カメラとのマッチングに優れるオーソドックスな広角単焦点レンズ
2025年8月13日 07:00
AF対応の28mm単焦点レンズを順次紹介するこの連載。カメラメーカー各社がミラーレスカメラ用としてラインアップする28mmレンズのうち、比較的小型軽量なものをピックアップしてみました。
今回はニコンの「NIKKOR Z 28mm f/2.8」を紹介します。
外観・仕様
外形寸法はφ70×43mmで、質量は約155gです。いわゆるパンケーキレンズというほどではありませんが、かなり小ぶりで軽いことが分かります。発売されたのは2021年12月ですが、2023年3月に「NIKKOR Z 26mm f/2.8」が発売されるまでは、本レンズが最小・最軽量のZマウントレンズでした。
スイッチやボタンなどの操作系は一切備えていませんが、Zマウントレンズではお馴染みの「コントロールリング」が搭載されています。フォーカスリングとしても機能しますが、その他にも「絞り値」「露出補正」「ISO感度」などの機能を割り当てられます。
レンズフードは同梱されていません。別売のオプションとしても用意されていないため、もし必要な場合は社外品を別途用意することになります。この点は少し残念です。
作例
8群9枚のレンズ構成のなかに2枚の非球面レンズが採用されているとのことで、歪曲収差は非常によく抑えられています。建築物が真っすぐに写るのは気持ちが良いもの。解像感や画面全体の均質性にも問題はなく、スナップ撮影だけでなく風景撮影などでも活用できそうです。
広角に属する焦点距離28mmのレンズですが、開放絞り値のF2.8に設定すれば、それなりに背景はよくボケてくれます。ボケ味も良好で、手前のピント位置から遠方に向かって自然にボケが移行しています。
最短撮影距離は19cmと短く、それに伴い最大撮影倍率も0.2倍と高めです。そのため、背景を広く取り込みながら被写体を大きく写す、ワイドマクロ撮影が得意なレンズです。小ぶりで取り回しの良い単焦点レンズですので、テーブルフォトなどでも便利に使えることでしょう。
まとめ
性能に起因する突出した個性はないものの、全体的なバランスは良く、扱いやすいレンズだと感じました。今回はニコン「Z6III」との組み合わせで試写しましたが、より小型軽量な「Z5II」などとの相性も良いのではないでしょうか。
また、手頃な価格も本レンズの特徴です。Zマウントレンズ最小・最軽量の座は他のレンズに譲りましたが、価格の手頃さでは今でもトップクラスです。広角単焦点レンズに挑戦したいという方に、ぜひおすすめしたい1本といえます。