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こんなに出てました! 2020年発売カメラ振り返り(前編:1月〜6月)
2020年12月24日 16:07
一般にカメラを買うタイミングというと、なにかの行事だったり、旅行に出掛けるタイミングだったりすることが多いが、今年は新型コロナウイルスの感染拡大による外出の自粛によりカメラの販売台数の下落に拍車がかかった。生産に関しても、部品が海外から入ってこないなどの事情により発表・発売が延期となることもあったようだ。
そんな2020年に登場した新型のデジタルカメラは、どんな顔ぶれだったのか。低価格なレンズ一体型カメラは市場の縮小により新製品もかなり少ないが、一方でレンズ交換式カメラでも特に大型センサーのモデルが充実した一年だった。
前編では、2020年1月から6月末までに発売されたカメラについて振り返っていく。なお、限定モデルやカラーバリエーションの追加に関しては省略するなどしているが、一通りは網羅した。
※発売日順。実売価格は12月20日時点
ニコンD780
35mmフルサイズセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラ。同社デジタル一眼レフの中では唯一の像面位相差AFを搭載していて、ライブビュー撮影に関しては2018年発売のミラーレスカメラ「Z 6」と基本的に同等だ。2013年発売の「Df」が販売終了してしまったので、こちらが同社フルサイズ機では最廉価モデルとなる。今後ニコンはミラーレスカメラに注力していくとのことなので、D780が最後の一眼レフになるのかどうかは気になるところ。
ライカM10モノクローム
ライカM10-Pをベースに、CMOSセンサーからカラーフィルターを排したモノクロ撮影専用機。M型モノクロ機としては三代目となる。今回は製品名からして明確にM10のバリエーションモデルとして登場した。刻印なども含めて真っ黒なボディーが特徴的。5月には、エルンスト・ライツ社創業150年を記念した限定モデル「ライカM10モノクローム Leitz Wetzlar」も発売されている。
ニコンCOOLPIX P950
35mm判換算24〜2,000mm相当のレンズ一体型超高倍率ズーム機。P900の後継機であり、3000mm相当までいくP1000の弟分。RAW記録の対応や3.2型の背面モニターなど、P1000譲りの部分も多い。2,000mmというと月も撮れちゃうほどの高倍率。ただし、P1000で搭載されたレンズ鏡筒部のコントロールリングはない。
キヤノンEOS-1D X Mark III
東京五輪に当ててきただろうフラッグシップのデジタル一眼レフカメラ。像面位相差AFによりライブビュー時のAFも快適。一眼レフとしてだけでなく、ミラーレス機的な運用でも快適に使える。同社初のCFexpress Type B対応デジタルカメラ。
富士フイルム FUJIFILM X100V
光学式と電子式のファインダーを切り替えられ、APS-Cセンサーと23mmレンズ(35mm判換算35mm相当の画角)を搭載したX100シリーズの5代目。レンズが新しくなり、解像性能が向上。撮像素子は裏面照射型のX-Trans CMOS 4で、X-T4やX-Pro3と同世代のもの。ブラックモデルは2週間後の3月12日に発売。
オリンパスOM-D E-M1 Mark III
E-M1 Mark IIから画像処理エンジンが新しくなり、被写体認識AFに対応。センサーシフト式の手ブレ補正機構は、対応レンズと組み合わせた場合の協調動作により、最大で7.5段分の補正効果になった。撮像素子はE-M1 Mark IIやE-M1Xと同じ(有効2,037万画素)。E-M1X同様、背面にマルチセレクター(ジョイスティック)が搭載された。
リコーイメージング RICOH WG-70
防水コンパクトデジタルカメラ。前モデルのWG-60と比べ、撮像素子やレンズなどの基本機能に違いはないが、デジタル顕微鏡モードでデジタルズームが併用できるようになり、また画像仕上にはクロスプロセスが追加された。
富士フイルム FUJIFILM X-T200
一般的なベイヤーセンサーを搭載したXシリーズのエントリー機。X-T100と比べ、4K動画撮影に対応し小型化やAFの高速化が図られた。ただし、すでに生産終了で、大手量販店では販売終了。「当初からの販売計画通り」とのこと。
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ライカカメラ ライカS3
45×30mmでアスペクト比3:2のCMOSセンサーを搭載する中判デジタル一眼レフカメラ。ライカS(Typ007)の後継モデルで、6,400万画素になり、また4K動画の撮影にも対応した。2018年のフォトキナに合わせて開発発表されていたが、発売が伸びていた。
富士フイルム FUJIFILM X-T4
センサーはX-T3と同じX-Trans CMOS4だが、センサーシフト式の手ブレ補正機構が搭載された。また、X-Tシリーズ初となるバリアングル式の背面モニターになっている。X100Vと違いブラックが先行し、シルバーモデルは5月21日の発売。
ハッセルブラッド 907Xスペシャルエディション
1969年7月にアポロ11号が月面着陸した際に同社のカメラが使われてから、50年となることを記念して発売された限定バージョンのモデル。デジタルバック(CFV II 50C)とカメラ(907X)の組み合わせで、同社XCDレンズが使用できる。また、デジタルバック部はハッセルブラッドVシステムのカメラに装着可能。限定モデルかつ人気もあったようで、販売は抽選になった。
ニコンD6
撮像素子はD5と同じだが、画像処理エンジンがEXPEED 6になり、高感度性能など画質が向上。新AFセンサーやコマ速のアップなど、一眼レフとしての使い勝手を向上させている。当初は5月発売予定だったが、新型コロナウイルスの影響により発売が延期された。記録メディアはCFexpress Type B/XQDに対応。
ソニー VLOGCAM ZV-1
1型センサーを搭載したRX100シリーズをベースに、VLOG動画撮影に主軸を置いてパッケージングされたモデル。背景のボケ具合やAF動作をボタン一発で切り替えられるなどのシンプル化が特徴。内蔵EVFはなく、背面モニターはバリアングル式に変更。指向性の3カプセルマイクを搭載。グリップ付きのZV-1Gは11万3,900円前後。
キヤノン EOS Kiss X10i
APS-Cセンサーを搭載するデジタル一眼レフカメラ。EOS Kissシリーズとしては初となるAF ONボタンやサブ電子ダイヤルといった中級機寄りの操作系を搭載。ファインダー撮影でも顔検出に対応する。ライブビュー時のAFはデュアルピクセルCMOS AFを使用。新型コロナウイルスの影響で4月下旬の発売予定から延期された。