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ニコン、フラッグシップ機「D6」を3月発売

AFセンサー/AFエンジンを刷新 CFexpress/XQD両対応スロット×2

ニコンは、デジタル一眼レフカメラ「D6」を3月に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税込79万8,000円。2019年9月に開発発表していた製品。

2016年3月に発売した前機種「D5」の好評点を継承しつつ、動体捕捉性能、信頼性・操作性・画質の向上を目指したモデル。光学ファインダーによるスポーツや報道系の撮影をメインターゲットとし、ファインダー撮影時のAF性能向上に特化したという。

撮像素子はニコンFXフォーマットの有効2,082万画素CMOSセンサー。D5に搭載されていたものを継承し、画像処理エンジンEXPEED 6と組み合わせた。ライブビューAFはコントラスト検出方式。感度は常用ISO 100-102400。拡張でISO 50相当からISO 3280000相当まで選べる。動画記録は4K UHDに対応している。

AFセンサー、AFエンジンを刷新

ファインダー内イメージ

AFセンサーモジュールとAF専用エンジンを新開発。選択可能な測距点は、D5比1.6倍の高密度という105点。新アルゴリズムにより障害物の横切りに惑わされにくくし、前後の動きへの追従性能も向上しているという。グループエリアAFは計17パターンからカスタマイズできるよう拡充した。低輝度AF性能も高めている。

AFセンサーモジュール
AF専用エンジン

また、D5で背景にピントが抜けやすかったシーンをカバーするために、シングルポイントAFおよびダイナミックAFの設定に「フォーカスポイントサイズ[広め]」を用意。突発的なシャッターチャンスで被写体を正確に捉える余裕がない場合などに有効としている。

180KピクセルRGBセンサー

連写速度を最高約14コマ/秒にアップ

連写速度はAF/AE追従で最高約14コマ/秒(Eタイプレンズでシャッター速度1/250秒以上の場合。開放から2段絞ったところまで)。Eタイプレンズ以外では最高約13コマ/秒(開放から2段まで)となる。新開発のミラー駆動機構により、高速連写時にも動体が鮮明に見えるという。

従来機のD5では、AF/AE追従で最高約12コマ秒、ミラーアップで秒14コマだった。

なお、D6と同時に開発発表された「AF-S NIKKOR 120-300mm f/2.8E FL ED SR VR」(2月発売)に限り、開放から4段まで絞っても最高の約14コマ/秒が出せるという。

連続撮影可能枚数はJPEG・FINEサイズLで最大200コマ。

シャッターユニット

ライブビュー時には、電子シャッターを用いた「サイレント撮影」が可能。AFは1コマ目に固定され、ローリングシャッター歪みが発生する場合もあるが、メカシャッターの動作音なく約10.5コマ/秒の連写を可能としている。

動画ライブビュー時にシャッターボタンを押し続けると「高速フレームキャプチャ」を利用可能。2Mサイズで約60コマ/秒、8Mサイズで約30コマ/秒のAF固定記録が行える。

主な新機能

AWBの時系列解析アルゴリズムを新開発。時系列に蓄積された情報から現在の撮影シーンを推定することで、従来より高精度で安定したホワイトバランスを実現するという。これにより、スポーツやポートレートなど様々なシーンで安定したAWB性能を発揮するとしている。加えて、人肌の再現性も更に向上したという。

背面モニターは3.2型約236万ドット。画像再生時に上下のフリック操作を行うことで、画像の送信指定、プロテクト、レーティング、音声メモのいずれかを操作できる。

新たにGPS機能を本体に内蔵。従来は外付けのGPSユニットを必要としていた。

有線接続は1000BASE-T規格を継承しつつD5比で約15%高速化した。

モードボタン部は、Wi-Fiユニットとアンテナが入ったために高さが増している。ワイヤレストランスミッターWT-6に加え、内蔵Wi-Fiにも対応しているのが特徴。撮影後にすぐSNSへ写真をアップしたいプロの要望に応えたものだという。

本体下部側面に盗難防止のセキュリティスロット(ケンジントンロック)を装備。リモート撮影時や一時的にカメラ機材から離れる場合に有効としている。超望遠系の一部交換レンズには既に採用されているが、ニコンのカメラとしては初装備だという。

そのほかの仕様

ファインダーは倍率0.72倍。新しいファインダースクリーン(B型クリアマットスクリーンX)の採用で滑らかなボケ再現となり、ピント位置が掴みやすいとしている。

シャッター速度は1/8,000〜30秒。マニュアル露出では900秒まで選べる。シンクロ速度は1/250秒。

記録メディアスロットはCFexpress/XQD×2。新たに、サイズが異なるJPEG画像をそれぞれのスロットに分割記録できるようにした。即時転送用と後日編集用を振り分けたいスポーツジャーナリストからの要望だという。

バッテリーはEN-EL18c。撮影可能枚数は3,580枚(CIPA基準)。同社試験による連続撮影モード時は約8,670枚。バッテリーはEN-EL18b/EN-EL18a/EN-EL18も使えるが、EN-EL18のみ撮影可能枚数が減るという。データ転送用のUSB Type-C端子を備えるが、バッテリーの充電やカメラへの給電はできない。

外形寸法は約160×163×92mm。重量は約1,450g(バッテリーとCFexpress×2を含む)、約1,270g(本体のみ)。

17時15分:製品画像を追加しました。

本誌:鈴木誠