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キヤノン「EOS 5Ds」「EF11-24mm F4L」「EOS M3」などの発表会レポート

過去最多の製品発表数 コネクトステーションCS100の動作デモも

キヤノンは2月6日、デジタルカメラ新製品の発表会を都内で開催した。発表製品はすべて2月12日〜2月15日に開催する「CP+2015」にも展示する。

右からキヤノン真栄田雅也氏、キヤノンマーケティングジャパン川崎正己氏、同 八木耕一氏

高画素タイプのフルサイズ一眼レフ「EOS 5Ds」シリーズや、エントリー機の「EOS 8000D」「EOS Kiss X8i」、本格ミラーレスに位置づける「EOS M3」、コンパクトデジタルカメラのPowerShotおよびIXYシリーズなど、同社過去最多という製品を同時発表。

EOS 5Ds
EOS 5Ds R
2機種の外観上の違いは機種名バッジのみ
外観にEOS 5D Mark IIIとの大きな違いは見られない
EOS 5Ds R+EF11-24mm F4L USM
左からEOS 8000D、EOS Kiss X8i
EOS M3
PowerShot SX530 HS
PowerShot SX410 IS
PowerShot SX710 HS
PowerShot SX610 HS
IXY 640
IXY 170
IXY 150
PowerShot N2

各機種の詳細は以下の記事を参照頂きたい。

また、コネクトステーション「CS100」の実機展示もあった。

CS100は天面のNFCでペアリングし、Wi-Fiでの通信が始まったらカメラを横に置いて使うイメージ
リモコンが付属。スマホアプリは用意しないが、Webブラウザでアクセスしてアルバムへの文字入力などを行なえる
背面端子。無線LAN内蔵だが、環境により有線LANも使用可能。USB端子にはUSBメモリー、カードリーダーのほか、バックアップ用HDDも繋げる
メニューから外付けHDDを対象にバックアップ/復元が行なえる
前面にカードスロットが隠れている。基本的にはワイヤレスで写真を取り込むが、かつて撮った写真を取り込むのに活用できる
ホーム画面。右側にランダムに写真が表示され、アルバムを見返すきっかけになればとしていた

レンズ交換式カメラは再び拡大傾向

発表会では、キヤノンマーケティングジャパン株式会社代表取締役社長の川崎正己氏が国内市場動向と新製品の狙いについて説明した。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社代表取締役社長の川崎正己氏

レンズ交換式カメラは、増税影響に悩まされたという2014年に台数が減少。それでも購入意向率が高いため、2015年からは再び拡大傾向になると予測する。

レンズ交換式カメラ市場動向
レンズ交換式カメラ個人保有率・購入意向

スピードタイプのAPS-C機「EOS 7D Mark II」の好調に触れ、発売前に過去最高の予約を記録したことをアピール。好調の背景に、カメラ特性を活かせるジャンルへの具体的なプロモーションを行なった点があると分析する。7種類の製品カタログを配布したり、ユーザー体験の機会も撮影ジャンルごとに作った。

EOS 7D Mark IIの好調をアピール

また、コンパクトデジタルカメラは台数が減少傾向にあるものの、高付加価値モデルの好調で平均単価が上昇。特に、1型センサー搭載の高画質ポケットカメラ「PowerShot G7 X」や、高倍率ズーム機のPowerShot SXシリーズなどが伸びたという。

コンパクトカメラの市場動向と予測
高付加価値機種の成長を見込む
コンパクトカメラとデジタル一眼レフカメラの同社シェアをアピール

これらの背景を「写真に対するニーズは依然高い」と認識し、期待以上の新製品と積極的なプロモーション施策で購入意欲を喚起していきたいとした。

ステージ上で新製品をお披露目した
レンズ交換式カメラ

撮影領域拡大のための高画素、超広角、AF高速化

続いてキヤノン株式会社専務取締役イメージコミュニケーション事業本部長の真栄田雅也氏が新製品の特徴と技術について紹介した。

キヤノン株式会社専務取締役イメージコミュニケーション事業本部長 真栄田雅也氏

「撮影領域の拡大」をテーマに、今回の製品も「新しい映像にチャレンジする製品」と説明。有効約5,060万画素のフルサイズセンサーを搭載する「EOS 5Ds」「EOS 5Ds R」は、特に解像度を必要とするユーザーに向ける。

撮影領域の拡大を支える、新製品の3要素
EOS 5Dsシリーズを発表

EF11-24mm F4L USMは「世界最広角」を謳う広角端11mmスタートのズームレンズ。11mmの撮影範囲は、16mmと比べて2倍に相当するという。

EF11-24mm F4L USMを発表
11mmの撮影範囲は16mmの2倍相当という
EFレンズにおける「世界初・世界最高」の歴史

一眼レフエントリー機のEOS 8000DとEOS Kiss X8i、ミラーレスのEOS M3には、それぞれライブビューAFの高速化を特徴とする「ハイブリッドCMOS AF III」を採用。EOS M3は、同シリーズで初めて「本格ミラーレスカメラ」を謳う。

エントリーおよびミラーレスの計3機種は、約2,420万画素センサーとハイブリッドCMOS AF IIIによる高速ライブビューが特徴
従来比3倍のスピードという
高速AFのために盛り込まれた工夫
STMレンズやタッチパネルとの組み合わせで実現する快適性能
上面パネルやサブ電子ダイヤルの搭載で棲み分ける
操作系を一新したEOS M3
1型センサー+高倍率ズームのPowerShot G3 XをCP+で参考展示。「発表・発売についてはまだ伝えられないが、期待して欲しい」と述べた
CP+ブース出展イメージの中に、G3 Xの体験コーナーが見える。写真は後述の八木氏プレゼンより

コネクトステーションCS100は、単純な画像の保存・観賞のみならず、撮影日時やカメラ別に自動整理も可能。プリンターに繋ぐとPCレスでプリントできるなど、写真の新たな楽しみ方ができるとした。フルHD動画もPCレスでスムーズに再生可能という。

コネクトステーションCS100の将来展開。キヤノンの入出力機器のコアになるとした

将来展開を見据えた「第一ステップの製品」だといい、自動メンテナンス告知機能、自動整理機能、コンテンツ配信サービスなど、様々な発展アイデアが出ており、「ぜひ期待してほしい」と自信を見せた。

能年玲奈さん起用のキャンペーンも

キヤノンマーケティングジャパン株式会社取締役常務執行役員イメージングシステムカンパニープレジデントの八木耕一氏は、新製品の国内プロモーションについて説明。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社取締役常務執行役員イメージングシステムカンパニープレジデント 八木耕一氏

EOS 5Dsシリーズは、「5D」シリーズの表現領域を拡大する位置づけ。EOS 5D Mark IIIは“トータルバランス”のカメラで、「フルサイズの本命モデル」と紹介。目的に応じて使い分けるカメラだと説明した。

EOS 5Dシリーズの内訳
一眼レフエントリー新機種の棲み分け
発売済みのEOS Kiss X7は、世界最小・最軽量が特徴。2014年下期にモデル別No.1を記録した。「さらなる小型化には障壁があり、いまチャレンジしている最中」(真栄田氏。質疑応答にて)

2月12日に開幕する「CP+2015」ではEOS 5Dsで撮影した写真を大判で展示。デモ機も数多く用意するという。

ミラーレスのEOS M3は、大幅なスペックアップで「一眼レフユーザーから入門者までカバー」する立ち位置。ミラーレス市場拡大を牽引すると確信している、と話した。

EOS M3発売にともなうキャンペーン
台数限定のEVFキットも用意

レンズ一体型カメラで定評ある高倍率モデルのラインナップ強化もアピールし、能年玲奈さんをキャラクターとした「ZOOM PARADISE!」キャンペーンを実施する。

高倍率モデルを拡充
能年玲奈さんを起用
キャッシュバックキャンペーンを実施
コネクトステーションの購入キャンペーンも行なう
2台買って1台を親元に、といった提案も
CP+のあと、大阪でも新製品体験イベントを実施する
キヤノンSタワーでは、発表会終了直後から新製品を展示

(本誌:鈴木誠)