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ソニーストア 銀座/福岡天神がリニューアルオープン。“体験”を軸にカメラコーナーを拡大

無料の貸出イベントスペースも

ソニーストア 銀座

ソニーの直営店舗「ソニーストア 銀座」と「ソニーストア 福岡天神」が8月20日(水)、これまでより“体験”を重視した店舗構成にリニューアルしてオープンした。とくにカメラコーナーについては面積を拡大し、来店者が実際に機材に触れる仕掛けを多く用意している。

コンセプトは「お客様に新しい発見や交流をもたらす場」。ユーザーがストアスタッフである“スタイリスト”と繋がり、またユーザー同士が繋がり、そしてユーザーのかなえたいことを一緒に実現する。ソニーマーケティング株式会社カスタマーエンゲージメント本部の新宮本部長は、今回のリニューアルで目指すものについてそのように説明した。

ソニーマーケティング株式会社カスタマーエンゲージメント本部・新宮俊一本部長

ますます充実するカメラコーナー

GINZA PLACEの4・5・6階に居を構えるソニーストア 銀座。その中でカメラコーナーといえばもともと4階に設けられ、その広さはフロアの3~4割程度を占めていた。リニューアル後も4階に配置しているが、カメラコーナーとしてフロアの5割を超えるくらいの広さにまで拡大している。

その背景には近年の動画需要の高まりがあるという新宮本部長。売り場面積の拡大には、静止画と動画でより充実した体験を用意するためという理由もあるとのこと。

カメラ製品の最新モデルとなる「RX1R III」は、ストア入り口に一番近いところに展示されていた

コンセプトにもある通り、ポイントは来店者が“体験できる”という点にある。

新たに設置した「Shooting Studio」では、インタビューやポートレート撮影を想定した実際のユースケースに近い環境での試用が可能。照明機材やモニタリング用のディスプレイなど本格的な設備で、動画や静止画の試し撮りができる趣向となっている。

そのすぐ隣には編集コーナーを用意しており、Shooting Studioで撮影したデータをその場で編集するといったことも可能だ。

Shooting Studioには照明だけでなく、ワイヤレスマイクなども用意しており本格的な撮影体験が可能。背景紙も変えられる凝った仕様となっている。空いていれば誰でも利用できる
照明機材や編集ソフトウェアなど、ソニーだけではカバーできない領域については他社製品を用いながら来店者にクリエイティブな体験を用意していくという

新設の「Creative Base」はクリエイター向けに用意したイベント貸出しスペース。主な用途としてはトークショーやワークショップ、デモンストレーションの開催などとしている。こちらはクリエイターの活動支援の一環で無料で利用できるが、貸し出しには審査が必要になるという。

以前よりセミナーなど活発に実施していたソニーストアだが、前出のShooting Studioや編集コーナーなど組み合わせた複合的なイベントも、今後は展開されるかもしれない。

Creative Base

4階のカメラコーナーには他にも、以前にはなかった体験スペースが新設された。1つはジオラマで、ここでは動いているものであったり、ミニチュアの人形にカメラを向けることができる。

今後も仕掛けを増やしたり、季節に応じた展示替えを検討しているという

もう一つは物撮りコーナー。SNSへの投稿であったり、ネットオークションへの出品であったりと「写真をうまく撮りたいんだけど、どうしたらいいんだろう」というニーズが増えるているとのことで用意したのだそうだ。

カメラコーナーが大半を占める4階の一角に、スマートフォンのコーナーが併設されていた。カメラ性能に優れるデバイスでもあるスマートフォンは、カメラコーナーとの親和性も非常に高いとのことであえて4階に配置したという。もちろんShooting Studioでの撮影体験も可能だ。

もともとカメラを持っている人が携帯性を重視してスマートフォンに関心を持つ場合もあるし、スマートフォンで撮影していた人がステップアップとしてカメラに興味も持つ場合もある。店舗としてはその部分をシームレスに提案できる方が良いとして、同フロアに配置したのだそう。

カメラコーナー以外では、5階にゲーミングコーナーが新設された。とくに予約など不要で空いていれば利用できるとのこと。

INZONEのゲーミングモニターを設置している。8月20日(水)現在、モンスターハンターやストリートファイターがセッティングされていた

直営店の一番の強みは“スタイリスト”である。そう語るのはソニーストア 銀座の宮崎店長だ。ソニーマーケティングが掲げる「あなたとずっと、感動をともに」というコーポレートスローガンを最前線で体現する重要なポジションであるスタイリストは、ソニー製品のスペシャリストでもある。

最近の動きとして、スタイリストが個々でもともと行っている“推し活”を軸にした提案も展開しているという。野球を撮るならこんなレンズが、ライブ撮影ならこのカメラが……といった具体的なユースケースに寄り添った提案ができることで、ユーザーがスタイリストを指名して再来店するといった流れもあるそうだ。そのような親身な対応により、ユーザーとスタイリストの繋がりをより深くしていく考えだ。

ソニーストア 銀座・宮崎千夏店長。今回のリニューアルでは、ユーザー同士の交流の場としても店舗を進化させていきたいとのこと。Creative BaseやShooting Studioを活用しながら、色々な形を模索していくという
スタイリストはそれぞれ“得意分野”を持つスペシャリスト

“体験”の場を全国に

全国の主要5都市に店舗を構えるソニーストアだが、今回のタイミングでリニューアルしたのは銀座と福岡天神の2店舗だ。これにはトライアル的な意味合いもあるとして、来店者からのフィードバックなどをうけつつ、これからどんどん改善していく考えだという。その反省点を踏まえながら、他の店舗にも順次展開していくとのこと。

もともと店舗によって、その地域性を大事に運営してきた経緯のあるソニーストアだが、今回のリニューアルでもその点は変わらないという。全体として“体験”というキーワードを掲げながら、そのエリアや顧客層にマッチした仕掛けを用意していくとしている。

本誌:宮本義朗