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有効5,060万画素のフルサイズ一眼レフ「EOS 5Ds」
ローパス効果をなくした「EOS 5Ds R」も
Reported by 本誌:鈴木誠(2015/2/6 13:19)
キヤノンは、「EOS 5Ds」「EOS 5Ds R」を2015年6月に発売する。価格はいずれもオープンプライス。キヤノンオンラインショップでの販売予定価格は、EOS 5DSが税別46万8,000円、EOS 5DS Rが税別49万8,000円。レンズキットの設定はない。
有効約5,060万画素の35mmフルサイズCMOSセンサーを採用するデジタル一眼レフカメラ。ローパスフィルター効果の有無で2種類のモデルをラインナップした。有効2,230万画素のフルサイズ機「EOS 5D Mark III」(2012年3月発売)の派生モデルとしている。
かつて高画素モデルとして存在した「EOS-1Ds」にならい、EOS 5Dsは金文字の機種名バッジを採用。EOS 5Ds Rは、シルバーの文字に赤文字のRを際立たせた。Rは“Resolution”の意味。
共通の特徴として、デュアルDIGIC6、ISO100〜6400(拡張12800)、最高5コマ/秒連写、61点AF、視野率100%ファインダーなどがある。
EOS 5Dsシリーズでは、フル画素の50.6Mのほか、1.3倍相当の30.5M、1.6倍相当の19.6M記録も可能とした。望遠撮影や、撮影範囲外が見えることでの撮影者の被写体追従性にメリットがあるとしている。従来の「アスペクト比切替」は5Dsでは「クロップ撮影」に統合する。
また、高画素センサーの解像力と画像の素材性を活かすという新ピクチャースタイルを搭載。細かい部分のエッジ強調がかかりやすく、輪郭が細く拡大時の品位がよいとしている。また、シャープネスの項目には「細かさ」「しきい値」が加わる。
ローパスフィルター効果をキャンセルした「R」
EOS 5Ds Rは、5Dsをベースに、ローパスフィルターの効果をキャンセルしたモデル。偽色・モアレの発生確率が高まることを踏まえて解像力を重視するか、自力で対策できるユーザーをターゲットにしている。
5Dsでは、1点の入射光がローパスフィルターを経て水平分離→垂直分離の過程を辿り、最終的に4点に分離することで偽色や色モアレを防いでいる。
いっぽう5Ds Rでは、5Dsの水平分離を行なう段階で入射光を垂直分離し、次のフィルターで2点に垂直分離した効果がキャンセルされ、入射光が1点に戻った状態でセンサーに届く。
ローパスフィルターの効果をキャンセルする仕組みは、ローパス効果の有無で機種バリエーションを設けた先駆けの「ニコンD800/D800E」と同様。
同社では、偽色・色モアレによる画質劣化を回避する観点から、あくまでローパスフィルターは必要と主張している。
機構ブレに配慮
高画素機では微細なブレも目立つとされ、手ブレだけでなくカメラ内部のメカにもブレ対策が施される傾向にある。
EOS 5DsおよびEOS 5Ds Rでは、EOS 7D Mark IIと同様にモーターとカムでクイックリターンミラーを制御する機構を採用。ミラーがストッパー部材に当たる直前に減速するよう制御できるため、バネの力でミラーを動かす機種よりカメラブレや動作音を抑えられるとしている。
また、ミラーアップ撮影ではレリーズタイムラグを任意に設定可能とし、ミラーアップの衝撃が収まってから露光開始できるようにした。通常のミラーアップ撮影と異なり、露光開始時のシャッターボタン再押しが不要になり、ブレ対策に効果的としている。
設定可能なタイムラグは1/8秒後〜2秒後(シャッター速度で1段ずつの間隔を選択可能)。加えて、一般的なミラーアップ撮影の挙動である「レリーズボタンの全押し2回で撮影」も選べる。
連写性能は、高速連続撮影時で最高約5コマ/秒。
カメラ内でのタイムラプス撮影に対応
雲の流れなどを一定間隔で撮影し、動画に仕上げる「タイムラプス」向けの機能を搭載。設定可能な撮影間隔は1秒〜99時間59分59、撮影回数は2〜3,600回。電子先幕シャッターで制御するため、メカシャッターの耐久回数に影響しないとしている。
クイック設定カスタマイズ
INFOボタンで呼び出せるクイック設定画面は、表示項目、各項目の表示サイズ、各項目の配置場所を任意にカスタマイズできるようになった。
AF測距点は61点(クロス測距点:最大41点)。測距輝度範囲は-2EVから。EOS iTR AFによる、顔/色情報を使用したAFも可能。
対応記録メディアはCF(Type 1、UDMAモード7対応)、SDXC/SDHC/SDメモリーカード(UHS-I対応)。
電源はバッテリーパックLP-E6N、またはLP-E6。撮影可能枚数は約700枚(ファインダー撮影)。
外形寸法は約152×116.4×76.4mm。重量はは約930g(CIPAガイドラインによる)、約845g(本体のみ)。
付属品として、端子部分にケーブルを固定できるケーブルプロテクターが付属する。