特別企画

【年末企画】お薦めデジカメどれを買う!? 第1回

デジタル一眼レフカメラ編

 現行のデジタル一眼レフカメラの中から、編集部のお薦め機種を採り上げて紹介します。(編集部)

カメラのシステム性も一眼レフの魅力

 手もとのデータによると、国内主要メーカーから発売されている現行のレンズ交換式カメラ(中判デジタルをのぞく。原稿執筆時点)は、ミラーレスが32機種、一眼レフが25機種と、すでに数のうえではミラーレスが多数派を占めている。

ミラーレスカメラがシェアを伸ばす中、高いAF追従性や連写性能を備え、一眼レフの面目躍如といったモデルも登場した。写真はAF追従で10コマ/秒の連写ができるキヤノンEOS 7D Mark II(編集部)

 一方、実売価格ベースで見ると、ミラーレスが平均約10万5,800円であるのに対し、一眼レフは約20万9,600円(いずれも発売当初のボディ単体の数字)と2倍に近い。

 これは、一眼レフのほうが複雑なメカなどが必要な分だけコスト高となることもあるが、中〜高級機の割合が多いことも要因としてあげられる。もちろん、ハイスペックなミラーレスも増えつつあるが、それでもまだ、熱心なカメラファンの支持を集めているのは一眼レフのほうだといえる。

 一眼レフの強みは、リアルタイムで被写体を見ることができる光学ファインダーを搭載していること。連写中にも映像が途切れることがないので(実際には、瞬間的なブラックアウトが生じているのだが)、特に動く被写体を追いながら撮影するようなシーンに強い。

 ミラーレスカメラでも、撮像面位相差検出AFによって高速かつスムーズなコンティニュアスAFや、一眼レフ以上の高速連写を実現しているものもあるが、連写中の被写体の追いやすさでは、まだまだ一眼レフには遠くおよばない。

 多彩な交換レンズが用意されていることも一眼レフの強みだ。超望遠レンズや大口径の単焦点レンズを常用するユーザーにとって、ミラーレスのシステム性は、とても十分なものとはいえない。また、重量級のレンズでも不安を感じないマウント強度、ホールディングバランスなどを考えると、まだまだ一眼レフを選ぶ意味はなくなったわけではない。

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キヤノンEOS 5D Mark III

撮像素子 35mmフルサイズ、2,230万画素
実勢価格(ボディ) 31万9,680円前後
発売日 2012年3月22日

 キヤノンの一眼レフの中でも、特にハイアマチュア層に人気が高いのが本機。初代5Dは3コマ/秒、Mark IIが3.9コマ/秒という連写スピードで、かつ測距点が9点しかないというスペックだったこともあって、“5Dシリーズ=静止被写体向き”というイメージがあったが、Mark IIIになって、6コマ/秒に高速化。AFも61点測距(うち、クロスセンサーは41点)にスペックアップし、スポーツ系の撮影にも対応できるようになった。

 下位のEOS 6Dと違って、ファインダー視野率は100%。シャッター最高速も1/8,000秒(シンクロは1/200秒以下)と高いスペックを備えている。また、ボディ外装が全面マグネシウム合金製という安心感もある。

キヤノンEOS 6D

撮像素子 35mmフルサイズ、2,020万画素
実勢価格(ボディ) 17万5,300円前後
発売日 2012年11月30日

 APS-Cサイズ機と同等の大きさ、重さを実現したフルサイズ一眼レフ。上位のEOS 5D Mark IIIに比べて、ひとまわりコンパクトなうえに、重さは195gも軽いので、撮影時の負担が小さいのが売りだ。

 AFや連写のスペックはあまり誇れるものではないが、軽快さをいちばんに考えるなら、我慢できる範囲のはずだ。実売価格もぐっと身近で、交換レンズに予算を割きたい人にもおすすめできる。

 無線LANとGPS機能の両方をボディに内蔵しているのは貴重で(ほかはニコンのD5300ぐらいしかない)、これらの機能を利用したい人にはお買い得に感じるだろう。フォーカシングスクリーンの交換が可能なのも見逃せない点。ピントの山がつかみやすいスーパープレシジョンマットが使える。

キヤノンEOS 7D Mark II

撮像素子 APS-C、2,020万画素
実勢価格(ボディ) 22万4,420円前後
発売日 2014年10月30日

 ファン待望の高速連写モデル。全測距点にクロスセンサーを採用した65点測距AF、ハイエンド機に迫る10コマ/秒の高速連写がいちばんの魅力。撮像画面サイズの小さなAPS-Cサイズセンサーなので、測距点のカバーエリアが相対的に広く、動きの激しい被写体の捕捉能力、動体撮影時のフレーミング自由度が高い。

 さまざまな測距エリア選択モードを備えており、柔軟な測距点運用が可能なのも見どころだ。高速シャッター撮影時の明るさや色のムラを減らせるフリッカーレス撮影機能に加えて、-3EVの低輝度でも高精度なピント合わせが可能なため、室内スポーツにはめっぽう強い。

 APS-Cサイズ機だけに、小型軽量かつ実売価格も高くない。動体撮影がメインなら、ぜひとも検討して欲しいカメラに仕上がっている

キヤノンEOS Kiss X7

撮像素子 APS-C、1,800万画素
実勢価格(ボディ) 5万1,300円前後
発売日 2013年4月24日

 人気の高いエントリーモデルで、現行のデジタル一眼レフでは世界最小最軽量。多くのミラーレスに比べると大柄だが、従来の一眼レフを見慣れている人にとっては、この軽快さはかなり新鮮なはず。

 薄型のパンケーキレンズとの相性は抜群で、威圧感も少ないため、スナップ撮影などにも使いやすい。ライブビューのAFはワイドエリアのハイブリッドCMOS AF II。タッチフォーカスやタッチシャッター、顔検出AFなども利用できる。

 身軽に撮りたいときのサブカメラとして、家族用のカメラとして選ぶのも手だ。標準ズームとEF 40mm F2.8 STMが同梱されたホワイトモデルが選べるのも見どころだ。

ニコンD810

撮像素子 35mmフルサイズ、3,635万画素
実勢価格(ボディ) 34万3,440円前後
発売日 2014年7月8日

 一眼レフでは最多画素数となる有効3,635万画素のローパスフィルターレスCMOSセンサーを搭載した高精細モデル。前身となるD800から内部メカを一新。制振・静音化を徹底することでメカショックを抑え、画像の鮮鋭さを損なわない配慮がなされている。

 また、ミラーアップ撮影時には電子先幕シャッターが利用可能。シャッター先幕の走行ショックによる微細なブレを排除できるのも見どころだ。常用ISO64、拡張ISO32の低感度撮影が可能なため、明るいシーンでも絞りを開いて撮影でき、大口径レンズのボケをいかした映像表現が楽しめる。オートホワイトバランスやピクチャーコントロールの進化などもチェックしておきたいポイントだ。

ニコンDf

撮像素子 35mmフルサイズ、1,625万画素
実勢価格(ボディ) 27万9,840円前後
発売日 2013年11月28日

 MF一眼レフを彷彿させるクラシカルなデザインを採用したフルサイズ機で、同社の前フラッグシップモデルD4と同じ有効1,625万画素CMOSセンサーを搭載する。画素数を抑えたことで、拡張感度で最高ISO 204800相当の超高感度、広いダイナミックレンジを実現している。

 上面にシャッターダイヤル、露出モードダイヤル、ISO感度ダイヤル、露出補正ダイヤルを備えたアナログ感覚の操作系に加えて、ボディの前後にはコマンドダイヤルを装備。1/3EVステップでのシャッター速度設定が行なえる。

 外観だけでなく、新旧の操作系が1台のカメラの中に共存しているのも特徴といえる。また、現行の斜体ではなくオールドファンには懐かしい正体のロゴも見逃せないポイントだ。

ニコンD750

撮像素子 35mmフルサイズ、2,432万画素
実勢価格(ボディ) 21万7,550円前後
発売日 2014年9月25日

 キヤノンのEOS 6Dと同じく、小型軽量タイプのフルサイズ機。外観はD610/D600に似ているが、新開発のモノコック構造を採用したことでボディを薄型化。相対的にグリップの懐が深くなって握りごこちが向上している。

 上位のD810(バッテリーとメモリーカード込みで980g)よりも140gも軽いため、機動性を重視するユーザーには有力候補といえる。また、フルサイズの一眼レフでは初めて上下チルト式の液晶モニターを装備しているのもトピックだ。

 AFは51点測距。D610やD600の39点測距よりもカバーエリアが広がっていて、使い勝手も向上した。連写スピードも6.5コマ/秒に、わずかながらスピードアップしている。そのほか、「フラット」を加えた新ピクチャーコントロールの装備なども見どころだ。

ニコンD5300

撮像素子 APS-C、2,416万画素
実勢価格(ボディ) 5万7,210円前後
発売日 2013年11月中旬

バリアングル液晶モニターを備えたエントリーモデル。カーボン繊維を使用した強化プラスティック製の外装部材を一体型とすることで、強度と小型軽量を両立させるモノコック構造ボディが特徴だ。

 撮像センサーには、ローパスフィルターレス有効2,416万画素CMOSセンサー。画像処理エンジンにEXPEED 4を搭載。エントリークラスの枠を超える尖鋭な画質に加えて、フルサイズ機に迫る高感度画質が自慢だ。

 AFにはワイドエリアの39点測距、5コマ/秒連写で動体撮影もスムーズ。ニコンの一眼レフでは唯一、無線LANとGPS機能の両方を内臓。スマートフォンなどとの連係も容易だ。

PENTAX K-S1

撮像素子 APS-C、2,012万画素
実勢価格(ボディ) 6万9,970円前後
発売日 2014年9月19日

 近未来的なスタイルのボディの各部にLEDを多用した個性的デザインのエントリーモデル。静止画と動画でLEDの色が変わったり、セルフタイマーのカウントダウンなどを行なうボディライトインターフェイスがユニークだ。

 エントリーモデルながら、ガラスペンタプリズムを採用した視野率約100%、0.95倍のハイスペックなファインダーを搭載する。

 撮像センサーは有効2,012万画素のCMOSセンサーで、画像処理エンジンはPRIME M II。露光中に撮像センサーを駆動することでモアレや偽色を抑えるローパスセレクター機能も備えており、ローパスフィルターレスならではの解像感の高さと、モアレや偽色の抑制効果の両立をはかっている。多彩なカラーバリエーションが選べるのも楽しい。

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(第2回はミラーレスカメラ編、第3回は高級コンパクト編を掲載します)

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら