特別企画

【年末企画】お薦めデジカメどれを買う!? 第3回

高級コンパクト編

 現行の高級コンパクトデジタルカメラの中から、編集部のお薦め機種を採り上げて紹介します。(編集部)

レンズとセンサーの高いマッチングも魅力

 コンパクトカメラの市場はスマートフォンに押されて縮小を続けており、各社ともラインナップを絞るなどの対応を余儀なくされている。そんな中、唯一気を吐いているのが高級モデルのジャンル。大きめの撮像センサーや高性能レンズを搭載することで高画質化をはかったタイプだ。

パナソニックは、これまでに無かった4/3型センサーのコンパクト機LUMIX DMC-LX100を投入。センサーサイズの選択肢が広がった(編集部)

 ユーザー側から見れば、コンパクトカメラに対する画質や機能面での不満、一眼レフやミラーレスの大きさ、重さに対する不満の両方をまとめて解決できるのがメリット。一方、メーカーにとっては、単価を上げられるうえに値崩れも起きにくく、ブランドイメージの向上にもつなげやすいなどのメリットがある。そういうこともあって、注目度が高まってきているのである。

 撮像素子サイズは、一般的なコンパクトカメラよりもやや大きめな1/1.7型から35mmフルサイズまで、搭載レンズも大口径ズームや高倍率ズーム、単焦点と、さまざまなバリエーションがあって、機種選びを楽しめる。

 一般のコンパクトカメラに比べると、外装や操作部材に金属パーツが多用されていたりして高品位に仕上がっているし、レンズもコストをかけて高性能化をはかっている。

 ひとつの撮像センサーでさまざまなレンズに対応しないといけないレンズ交換式と違って、1対1の関係でめいっぱい追い込んだチューニングが可能。携帯性の高さとレンズ交換式カメラに迫る高画質の両方を手に入れられるのもこのジャンルの楽しいところだ。

 ◇           ◇

OLYMPUS STYLUS 1s

撮像素子 1/1.7型、1,200万画素
実勢価格(ボディ) 税込6万6,630円前後
発売日 2014年11月14日

 ミラーレスのOM-Dシリーズをイメージさせるデザインのボディに1/1.7型の裏面照射型CMOSセンサー、28-300mm相当のi.ZUIKO DIGITALレンズを搭載。奥行き56.5mmのコンパクトさで10.7倍のズーム比と全域F2.8固定の明るさを実現している。

 ポピュラーな画角が素早く選べるステップズームや、ピントの抜けを防ぎやすいスモールAFターゲットなどの新機能を搭載した。144万ドットのEVFは、目に優しいキャッツアイコントロール機能を内蔵。カメラを顔で支えられる分、望遠撮影時の手ブレ抑制効果も得られる。

 チルト式の液晶モニターにはタッチパネルが内蔵されており、タッチフォーカスなどを備えている。24mm相当の広角、510mm相当の望遠撮影が可能なコンバーターレンズが用意されている点も見逃せない。

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カシオEXILIM EXILIM EX-10

撮像素子 1/1.7型、1,210万画素
実勢価格(ボディ) 税込7万1,050円前後
発売日 2013年11月29日

 ソリッドでシャープなデザインのマグネシウムダイキャストボディを採用したモデル。28-300mm相当F2.8レンズを搭載した兄貴分のEXILIM EX-100に比べると、ズームレンジは28-112mm相当と狭めとなるが、開放F値はF1.8-2.5と明るい。室内などの暗い条件での望遠撮影でも低感度で粘れるので、画質面では有利といえる。

 撮像センサーは1/1.7型の裏面照射型CMOSセンサーで、有効1,210万画素。最大の売りとなるプレミアムブラケット機能は、ホワイトバランスと明るさ、コントラストと彩度といったふうに、2つの要素を変えながら、ワンシャッターで9コマの撮影が可能なところがおもしろい。

 自分撮りに対応した大きな3.5型液晶モニターを装備。テーブルなどに自立させられるスタンドを内蔵しているのもカシオらしい工夫だ。

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キヤノンPowerShot G7 X

撮像素子 1型、2,020万画素
実勢価格(ボディ) 税込6万3,120円前後
発売日 2014年10月3日

 名前は「G」だが、よりカジュアルなデザインの「S」シリーズに近いシンプルなフォルムを採用。1型の裏面照射型有効2,020万画素CMOSセンサーに、24-100mm相当の4.2倍ズームを搭載する。開放F1.8-2.8の明るさは、1型撮像センサーであることを考えればまずまず以上のスペックだ。

 最高感度はISO12800。レンズシフト式の手ブレ補正に加え、動画撮影時は電子式手ブレ補正も併用するダイナミックISを装備。歩きながらの動画撮影などで効果を発揮する。マニュアル露出時の低速側が250秒(4分10秒)まであるうえに、星空モードもあり、2時間までの長時間露光が可能な点にも注目したい。

 タッチパネル内蔵の液晶モニターは上向き180度まで開くチルト式。自分撮りを楽しみたい人にもおすすめだ。

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SIGMA dp1/dp2 Quattro

dp1 Quattro
dp2 Quattro
撮像素子 APS-C、2,900万画素
実勢価格(ボディ) 税込10万5,540円前後(dp1 Quattro)
税込10万3,650円前後(dp2 Quattro)
発売日 2014年10月24日(dp1 Quattro)
2014年6月27日(dp2 Quattro)

 APS-CサイズのFoveon X3ダイレクトイメージセンサーに、専用設計の単焦点レンズを搭載。第2、第3層の1ピクセルを、第1層だけ4ピクセルとする「1:1:4」構造を採用することで、データの肥大化や感度の低下を防ぎつつ、解像度の高さを実現しているのが最大の特徴。きわめて鮮鋭かつ緻密な写真表現が高く評価されている。

 プロ向けハイエンド一眼レフよりも大きな幅を持つマグネシウム合金ボディは、そのユニークなデザインでも話題となったが、両手でしっかりホールドできるメリットにもなっている。dp1 Quattroは28mm相当F2.8、dp2 Quattroは45mm相当F2.8のレンズをそれぞれ搭載している。

 別売でレンズフードや光学式ビューファインダー、液晶モニター画面を見やすくするLCDビューファインダーなどが用意されている。

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ソニー サイバーショットDSC-RX100M3

撮像素子 1型、2,010万画素
実勢価格(ボディ) 税込9万870円前後
発売日 2014年5月30日

 高級コンパクトの代表格として知られるRX100シリーズの最新モデル。シンプルなデザインのアルミボディに1型の裏面照射型CMOS撮像センサー、24-70mm相当F1.8-2.8のバリオ・ゾナーT*レンズを搭載。

 先代に比べると望遠側はやや短くなったものの、広角側が28mm相当から24mm相当に広がっており、室内での撮影や風景などには使いやすい仕様となった。

 T*コーティングが施された光学系を採用するEVFを内蔵したのもトピックの1つ。ファインダー撮影を好む人には魅力的なスペックといえる。非使用時にはカメラ内に収納できるポップアップ式とすることでボディサイズの肥大化を抑えている。

 液晶モニターは上向き180度まで開くチルト式で、自分撮りにも対応している。

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パナソニックLUMIX DMC-LX100

撮像素子 4/3型、1,280万画素
実勢価格(ボディ) 税込10万3,990円前後
発売日 2014年11月13日

 ミラーレスのマイクロフォーサーズと同じのサイズの撮像センサーを搭載。撮像画面を少し小さめに使って、画角変化のないマルチアスペクト機能を盛り込んでいるのも特徴のひとつだ。

 操作系は、シャッターダイヤルや絞りリング、露出補正ダイヤルによる古典的なスタイルで、カメラいじりが好きな人の目にはとても魅力的に映るはずだ。内蔵のEVFは276万ドット相当と高精細。0.7倍相当の大きなファインダー像が見られる。

 搭載レンズはライカDCバリオ・ズミルックス。24-75mm相当でF1.8-2.8の明るさを持つ。4K動画に対応しているほか、動画から800万画素の静止画を切り出せる4Kフォトも装備。動きの中の一瞬をとらえられる新しい撮影テクニックとして注目されつつある。

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FUJIFILM X100T

撮像素子 APS-C、1,630万画素
実勢価格(ボディ) 税込14万6,660円前後
発売日 2014年11月20日

 昔ながらのレンジファインダーカメラのようなフォルムを備えたモデル。35mm相当F2の単焦点レンズを搭載する。APS-Cサイズの撮像センサーは、独自のフィルター配列の採用によってモアレや偽色を排除したX-Trans CMOS IIセンサーで、ローパスフィルターレスならではの解像感を楽しめる。

 最大の特徴は、光学式と電子式の2つの機能を兼ね備えたアドバンスト・ハイブリッドビューファインダー。両者を切り替えて使えるほか、光学像を表示中のファインダー内に、フォーカスエリアを拡大表示して厳密なピント合わせをアシストする機能も装備。こうした独特のこだわりがおもしろい。

 新しく搭載されたフィルムシミュレーションのクラシッククロームや、最速1/32,000秒の電子シャッターなどの新機能にも注目したい。

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リコーGR

撮像素子 APS-C、1,620万画素
実勢価格(ボディ) 税込6万7,750円前後
発売日 2013年5月7日

 フィルム時代から高級コンパクトとして知られるGRシリーズの最新モデル。ポケットサイズのマグネシウム合金ボディに、APS-CサイズのCMOS撮像センサーを搭載。高い解像感が得られるローパスフィルターレス仕様としている。

 レンズは28mm相当のF2.8。シャッターボタンを一気に押し込んだときに、AF動作を行なわずにタイムラグを短縮することでシャッターチャンスを逃がしにくくするフルプレススナップ、35mm相当の画角で撮れる35mmクロップモードといった、ユニークな機能も備えている。

 また、21mm相当の超広角撮影が可能なワイドコンバージョンレンズが用意されているところも注目だ。シャッターボタンの色や重さを変えられたり、グリップを交換できるなど、マニアックなサービスも楽しめる。

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北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら