【 2016/05/26 】
【 2016/05/25 】
【 2016/05/24 】
【 2016/05/23 】
【 2016/05/20 】

ファーストインプレッション:キヤノンEOS 6D

〜キットレンズ「EF 24-105mm F4L」での実写サンプルも掲載

※ベータ機での試用になります。製品版とは異なる可能性があります。

 EOS 6Dは35mmフルサイズセンサーを搭載するデジタル一眼レフカメラとして世界最小・最軽量を謳い、しかも実売価格は20万円以下ということもあり注目を集めている新機種だ。

 発売日は当初予定の12月上旬より早い11月30日に決定。その直前に短期間ではあるが試写する機会に恵まれたので、数点の作例とともにインプレッションをお届けする。

 執筆時点での大手量販店の実勢価格は、ボディ単体で19万8,000円前後、EF 24-105mm F4 L IS USM レンズキットが26万8,000円前後、同時発売となるEF 24-70mm F4 L IS USM レンズキットが32万8,000円前後となっている。

 実際にカメラを手にすると、一番の特徴である軽く小さい点を確かに実感できる。大きさ・重量はAPS-Cフォーマットの「EOS 60D」と同程度であるが、カメラを持ったときのグリップの握りやすさ、全体の堅牢性はEOS 6Dのほうがガッチリとした印象で、どちらかと言うとEOS 60DよりもEOS 5D Mark IIIの系統であると感じた。これはAPS-C専用レンズより相対的に重いフルサイズ対応レンズを装着する機種には、適切な処置であるだろう。

 一方、サブ電子ダイヤルと同軸のマルチコントローラーやボタン配列などの操作系はEOS 60Dに近く、EOS 5D Mark IIIに比べるとよりシンプルになっている。

シャッターボタン周辺の操作系。表示パネルに沿って並ぶボタンはEOS 60D同様に1ボタン/1機能が割り当てられる。 ロック機構つきのモードダイヤルの下部に電源スイッチがある。
EOS 60Dと同じくサブ電子ダイヤルと同軸のマルチコントローラーを搭載。ボタン配列もEOS 60Dに似る。

 ファインダーは視野率97%、倍率0.71倍。視野率が100%でないのは数値的には残念な気分になるが、非常に厳密な撮影目的でもなければ特にこだわる程の差ではない。むしろボディサイズをギリギリまで抑えながら、97%の視野率を確保したことは立派である。

 ファインダースクリーンは新開発のEg-A IIが標準装備され、EOS 5D MarkIIに採用されていたEg-Aより明るくピントの山がつかみやすくなった。スクリーンは方眼プレシジョンマットのEg-D、および開放F値2.8以上の大口径レンズに適したスーパープレシジョンマットのEg-S (いずれもEOS 5D MarkIIと共通)へと交換可能だ。

大型ペンタプリズムを搭載した光学ファインダーは、フルサイズの広い視野も隅々まで明るく見渡せる。 標準搭載される新開発のフォーカシングスクリーンEg-A IIは明るく見やすい。EOS 5D Mark IIと共通のEg-DおよびEg-Sに交換も可能。

 中央のAFポイントがEOS DIGITALとして初めて低輝度限界EV-3を実現したのは特筆すべきことである。F5.6対応クロス測距にF2.8対応の縦線検出測距をプラスし、さらに光源の違いによるピントのズレを自動補正する機能も搭載したことで、あらゆる条件で高精度な合焦精度を発揮する。

 ただし、AFポイントの数は11点と控え目、中央1点以外はクロスセンサーでない。EOS 5D Mark IIより2点追加されたとはいえ、動体撮影などでは不利になる可能性もあり、これを不満に思う人もいるかもしれない。しかし筆者個人は普段中央しか使わないので、中央を1点強化したのは大いに歓迎。試写中も合焦精度の高さには安心感を覚えることができた。

(参考)ファインダー内表示。11点のAFポイント中でクロスセンサーは中央のみだが、その代わりか中央測距点は徹底的に強化され、低輝度限界EV-3と暗所に強い。

 シャッター音は極めて静か。それでいて歯切れもよく、小気味よさを失わない。フルサイズ機の大きなミラー動作とは思えない程で、過剰に注意をひきたくないスナップ撮影やカンファレンスの場などで有効である。また、ドライブモードを静音1枚撮影、あるいは静音連続撮影にするとミラー駆動とシャッターチャージが低速になり、さらに静かな撮影ができる。なお、連続撮影はドライブモードが通常時で最高約4.5コマ/秒、静音連続撮影時は最高約3.0コマ/秒となる。

 肝心の画質であるが、これは短い試用期間であっても、十分にフルサイズのEOS DIGITALがもつ高画質を堪能することができた。使用したカメラはβ機なので厳密には製品版と異なる可能性もあるが、画作りの傾向としては上位機種のEOS 5D Mark IIIと似ていて、高感度特性やダイナミックレンジといった描写性能はほぼ同等の印象。画素数こそ200万画素程度少なくなるが、その差はあまり気にしなくても良いようだ。

有効画素数2,020万画素の35mmフルサイズCMOSセンサー。EOS 6Dのために新規開発した自社製だ。映像エンジンDIGIC 5+と共に高画質を生む。 ISO感度の選択画面。常用ISO感度設定域は100〜25600。高感度特性はEOS 5D Mark IIIと同等の印象だった。

 EOS 6Dは“小さく気軽なフルサイズ一眼レフ”という新コンセプトが明確なカメラだ。内蔵ストロボ非搭載、控え目な測距点数など機能を割り切ったところもあるが、逆にコンセプトに沿った撮影性能はスペックを落とさず必要十分に搭載されている。実売20万円前後とまだまだ手放しに安いとは言えないが、手にすればフルサイズ機がぐっとが身近になり、持ち出す機会が増えるのは間違いないだろう。

 また、EOS 6DはEOSで初めて本体に無線LANとGPS機能を内蔵したのも大きな特徴である。今回は発売前でスマートフォン用の専用アプリが未公開だったこともあり、その機能は試していない。それらも含め、画質や使用感など、短い試用期間中では確認しきれなかった詳細なレビューを後日、お伝えしたい。

ペンタ部のなかに大型ペンタプリズムとGPSユニットを収める。内蔵ストロボは非搭載。 記録メディアはSDXC/SDHC/SDメモリーカード。小型の記録メディアを採用したこともボディの小型化に貢献している。
バッテリーはEOS 5D Mark III、EOS 5D Mark II、EOS 7D、EOS 60Dなどと共通のLP-E6を採用。残容量や劣化度といった情報を確認できる。

実写サンプル

  • ベータ機での実写になります。製品版とは異なる可能性があります。
  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
EOS 6D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約3.1MB / 5,472×3,648 / 1/100秒 / F4 / 0EV / ISO200 / 105mm EOS 6D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約7.7MB / 5,472×3,648 / 1/15秒 / F8 / 0EV / ISO12800 / 32mm
EOS 6D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5.6MB / 3,648×5,472 / 1/1,000秒 / F4.5 / +0.7EV / ISO100 / 28mm EOS 6D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約4.6MB / 5,472×3,648 / 1/100秒 / F11 / +1.3EV / ISO100 / 35mm
EOS 6D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5MB / 5,472×3,648 / 1/125秒 / F4 / -0.7EV / ISO1250 / 105mm EOS 6D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約7.1MB / 5,472×3,648 / 1/60秒 / F5.6 / +0.7EV / ISO500 / 58mm

【16時45分】ISO感度選択画面キャプション「高感度特性はEOS 5D Mark IIと同等の印象だった」との記述について、「高感度特性はEOS 5D Mark IIIと同等の印象だった」と訂正を反映しました。






(曽根原昇)

2012/11/28 00:00