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富士フイルム「FUJIFILM X-S20」「フジノンレンズ XF8mmF3.5 R WR」

富士フイルムが6月29日に発売するミラーレスカメラ「FUJIFILM X-S20」と、Xシリーズ用交換レンズ「フジノンレンズ XF8mmF3.5 R WR」の外観写真をお届けする。

X-S20は、小ぶりなボディ+握りやすいグリップが特徴の“X-Sシリーズ”の新モデル。従来モデル「X-S10」は、モードダイヤルの採用やボディ内手ブレ補正の搭載などで注目を集めたことが記憶に新しい。

XF8mmF3.5 R WRは、Xシリーズレンズで最広角となる12mm相当(35mm判換算)の単焦点レンズ。超広角ながら、全長・質量において非常に“小さく”抑えられているのが特徴だ。両者のスペックについては既報記事を確認されたい。

踏襲されたデザインと、細部に見られる違い

既報記事の通り、X-S20は従来モデルから随所でアップデートされている。画像処理エンジンの変更やAF性能・動画撮影機能の向上が目を引く一方、基本的な外観デザインは従来モデルから踏襲された。ぱっと見ではどちらがX-S20かわからないくらいかもしれない。本体正面に“X-S20”のロゴが入っており、それで見分けられる。

左がX-S20、右がX-S10

右肩部にモードダイヤルとリアコマンドダイヤル、左肩部にはファンクションダイヤルを備えた点も同じ。その他ボタン類の並びも同じだが、QボタンとISOボタンの形状が変わっていることがわかる。また、よく見るとX-S20は各ダイヤル類もサイズが大きくなっており、より操作性に配慮したデザインとなったことがうかがえる。

下がX-S20、上がX-S10。X-S10では左肩にあるセンサー位置の指標が、X-S20ではペンタ部側面に移ったのはダイヤルサイズ変更の影響だろうか

モードダイヤルに注目して欲しい。新たに「Vlog モード」が加わっている。ダイヤルを合わせるだけで、自分撮りに適した設定に変更できるというもの。既報記事で触れたとおり、X-S20では動画に関する機能も大幅に向上している。「オールインワンモデル」と同社が謳う理由も、静止画だけでなく動画撮影にこだわっている部分にあるようだ。

外形寸法・重量(バッテリー、メモリーカード含む)は、X-S20が127.7×85.1×65.4mm・約491g、X-S10が126.0×85.1×65.4mm・約465g。X-S20の方が幅1.1mm程大きくなっているが、僅少な差なので見た目には気が付かない程度だろう。質量は約26gの増量だ。

デザインはほぼ同じと述べたが、ボディのエッジ部分などよく見ると形状が変わっているのがわかる。従来モデルの方が少し角ばった印象か。グリップ部の形状も、X-S20の方がなだらかなカーブとなっている。

よく見てみるとボディのエッジ部分のデザインが異なっている
グリップのカーブ具合が異なる

動画性能の強化に付随する要素として、X-S20は冷却ファン「FAN-001」の装着に対応した。バリアングル式となっている背面モニターを開けると、取付け用のネジ穴がある。右側のネジ穴下にあるカバーを外すとファン用の端子が現れる。ボディから電源が供給される仕組みだ。

X-S20のインターフェースは、USB Type-C(USB3.2 Gen2)×1、HDMIマイクロ×1、3.5mmステレオミニジャック(マイク×1、ヘッドホン×1)となっている。右側面にヘッドホン出力用のミニジャックを新たに備えた点からも、動画撮影機として活用してほしいというメーカーの想いが感じ取れる。マイク入力端子(左側面)の反対側に設置してあるのもポイントだろう。

キットレンズの「XC15-45mmF3.5-5.6 OIS PZ」を装着した様子。沈胴式の電動ズーム機能を搭載した標準ズームレンズで、X-S10でもキットレンズとなっていた。

フジノンレンズXF8mmF3.5 R WR

対角画角約121度の超広角レンズは、外形寸法が約φ68×52.8mm、重量は約215gとなっている。9群12枚のレンズ構成に含まれた、非球面レンズ3枚とEDレンズ2枚の配置を最適化することで小型・軽量化を実現しているという。本体は指先で持ててしまうほどだ。

鏡筒にはフォーカスリングと絞りリングを備えた。他にはスイッチ類を持たないシンプルなデザインとなっている。

広角端が同じく焦点距離12mm相当のズームレンズ「XF8-16mmF2.8 R LM WR」と大きさを比較してみた。XF8-16mmは外形寸法が約φ88×121.5mm、質量が約805gなので、その見た目には大きな差がある。

X-S20に装着してみた様子。キットレンズと変わらないくらい、カメラボディとのマッチングの良さが感じられる。小ぶりなX-S20につけてもレンズが目立つことはないように思える。

「XF8-16mmF2.8 R LM WR」を装着
フードを装着した様子
X-S20に装着した様子、フードを付けても威圧感がない
参考までに「XF8-16mmF2.8 R LM WR」を装着して構えた様子
本誌:宮本義朗