写真で見る

ニコン Z 8

フラッグシップ同様の機能と操作性 Z 9/Z 7IIと外観比較

NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S 装着例

ニコンが5月26日に発売するミラーレスカメラ「Z 8」(試作機)の、外観写真や新たに追加されたメニュー画面を紹介する。なお、実写画像でのレビューは後日掲載する予定だ。

同社Zシリーズのフラッグシップ機「Z 9」の基本性能を継承しつつ、体積比を約30%小型化したモデル。有効約4,571万画素の積層型CMOSセンサーや、画像処理エンジンEXPEED 7は「Z 9」と同様。まずは“縦位置グリップのないZ 9”と考えても差し支えがないほど、Z 9のハイスペックを継承している。店頭予想価格は税込60万円前後。

外観

ボディの小型化により機動性が向上。動画撮影などのオペレーション効率化を実現したという。「Z 9」からは前述の通り約30%、デジタル一眼レフ機「D850」からは約15%のサイズダウンとなっている。

「Z 9と遜色なく使用できる」というのがZ 9ユーザーである筆者の第一印象だ。基本性能やボタン操作、メニュー画面もほぼ同等のため、「Z 9」を使っているかのような感覚になる。また、「Z 7II」などと比較してグリップに厚みがあるのでしっかりと握ることができる。縦位置グリップがない機種だと小指までしっかり握ることができず、安定感に欠けることがあるが、そういったことは感じられなかった。

「Z 9」のスペックに魅力を感じているが、大きさや重さが気になり躊躇していた人には良い知らせだろう。

「Z 9」に搭載されていたレリーズモードダイヤルは省略されボタンになった
右上部にはスピーカーを備える
シャッターボタン周りはZ 9同様
前面にはFn1、Fn2ボタンを用意
撮像素子
ホコリや汚れの侵入を防ぐセンサーシールドを搭載

ファインダー(EVF)周辺

EVFのスペックや、見え具合に関わる接眼光学系もZ 9と同じ。ファインダー部分の大きさに高級機らしい風格が漂う。

Z 9同様「Real-Live Viewfinder」を採用
近接センサー(アイセンサー)は接眼部の上
アイピースは丸形のバヨネット式
視度調節ノブはファインダーの右側。引き出して回す
ファインダー部の左右にステレオマイクを内蔵。視度調整ノブの反対側にはモニターモードの切り換えボタン

バッテリー・記録メディア・入出力端子

Z 8を他のニコン機と使い分ける場合、Z 9との大きな違いとなるのはバッテリー。D850やZ 7IIなどと同じ「EN-EL15c」を採用する。スペック表によると、公称の撮影可能枚数はCIPA基準で約330〜370コマ(パワーセーブON/OFF、モニター/EVFによる)。ニコンの試験条件では約2,280コマ(EVF時)としている。

バッテリーはボディ小型化に伴い、Z 7IIやD850などと同じEN-EL15cを採用
記録メディアはCFexpress Type BとSDカードのダブルスロット
前面は10ピンターミナルのみ。Z 9に搭載されたシンクロターミナルは省略された
USB Type-C端子は通信用と充給電用の2つを用意

モニター

背面モニターもZ 9同様の縦横4軸チルトに対応
縦位置撮影時は、露出設定などの表示も縦位置用に切り替わる

他のZ シリーズとサイズ比較

Z 9(左)とZ 8(右)

縦位置グリップが省略されて、約30%の小型化に
背面ボタンの操作系もほぼ同様
記録メディアのスロットは開き方がZ 9と異なる
フォーカスモードボタンも同様の位置に
Z 9に搭載されていた1000BASE-T有線LANポートは省略されたが、通信用USB Type-C端子を通じてLAN接続は可能
上部の操作面もほぼ同様
外形寸法はZ 8が約144×118.5×83mmに対して、Z 9は約149×149.5×90.5mm。体積比は30%ダウンしており、重量もZ 9から約430g(メモリーカード・バッテリー含む)軽量化されている。

Z 7II(左)とZ 8(右)

外形寸法・重量(バッテリーおよびメモリーカードを含む)はZ 8が約144×118.5×83mm・約910gに対して、Z 7IIは約134×100.5×69.5mm・約705g。
厚みが13.5mm増しており、人によってはグリップが少し大きく感じる場合もあるだろう

Z 8から搭載された新機能

ニコンはZ 8でHEIFに初対応。10bitのHLGにより、夕焼けなど輝度差のあるシーンでも階調を再現できるという。
美肌効果機能を搭載。人の顔を検出して目や髪の毛などのディティールを保持したまま、肌が滑らかになるように自動的に補正する機能。効果は弱め、標準、強めで選択可能。動画機能でも使用できる。
人物の色相や明るさのバランス調整が簡単になる「人物印象調整」機能が追加。ライブビューで被写体を確認しながら調整ができる
被写体検出設定に飛行機が新たに追加。旅客機のほか軍用機の検出も可能だという
アンバー・ブルー軸でのホワイトバランスの微調整機能も追加された
本誌:佐藤拓