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【PMA08】「α350」をアピールしたソニーブース


会場:米国ラスベガスコンベンションセンター
会期:2008年1月31日~2月2日(現地時間)


 会期前日に「α350」と「α300」の米国発売を発表したソニー。さらに会期初日には、αフラッグシップモデルへのフルサイズセンサー搭載をアナウンスするなど、大きな発表が相次いだ。

 ここでは国内でも1日に正式発表があったα350を中心に、ソニーブースで目立った製品をとりあげたい。


光学ファインダーと遜色ないAF速度のライブビュー

 ブース内に多数の実機が用意されたα350。ライブビュー時のQuick AF Live Viewに対する注目度は高く、説明員はひっきりなしに説明を行なっていた。

 α350の主要スペックは次の通り。撮像素子はAPS-Cサイズ相当(23.6×15.8mm)、有効1,402万画素CCD。ペンタミラー式で視野率95%、倍率0.74倍のファインダーを備える。測距点は9点。最高シャッター速度は1/4,000秒、最高連写速度は2.5枚/秒。





 画像処理エンジンはBIONZ。シャッター速度2.5~3段分のボディ内手ブレ補正機構や、ゴミ対策機構も備える。電源にはインフォリチウムバッテリーを採用。記録メディアはCF。

 本体サイズは130.8×74.7×98.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は582g。1月7日に発表した「α200」とほぼ同様の外観だが、背面にある上下可動式の2.7型液晶モニターが目立つ。液晶モニターの画素数は23.4万ドット。

 特徴は、ライブビューでの位相差AFの速さ。撮像素子とは別のライブビュー専用CCDを搭載し、さらにミラーアップすることなくライブビューが可能だ。さらに、光学ファインダーを使った通常撮影時と同じく、ボディ下部のAFセンサーで測距が行なえるので、AF速度は通常撮影時とほとんど変わらない利点がある。

 具体的には、ボディ上面の切り替えスイッチをLIVE VIEWにすると、ペンタミラーの一部が動き、レンズからの光の一部がライブビュー専用CCDに導かれる。このとき、シャッター前のクイックリターンミラーは動かない。光の一部は通常撮影時と同様、ハーフミラーのクイックリターンミラーを通し、ボディ下部のAFセンサーにも到達するので、ライブビュー時でも通常と同様にAFが可能だ。


ライブビューに切り替えるには、スイッチをLIVE VIEWにする ライブビュー中の表示例


左端の拡大ボタンでAF測距位置を拡大表示する

2倍に拡大したところ


 実際にブース内の試作機で試してみると、確かに通常撮影と遜色ないAF速度が得られている。測距位置はAFセンサーの測距点に依存するものの、デジタル一眼レフカメラのライブビューAFとしては、もっとも実用的なAFといえるだろう。

 しかもα350では、シャッターボタン半押しで測距が始まる。そのまま押し込むとシャッターが切れる。一般的なライブビューでのAFは、AF-ONボタンなどシャッターボタン以外のボタンを使うのが常だった。α350の位相差AFは、使い勝手を含め、通常撮影と同じ感覚で使える。

 ライブビュー時には、背面右上の拡大ボタンを押すことで、測距位置の拡大表示が可能。押すたびに、1.4倍→2倍と大きくなる。ただし拡大したまま表示をスクロールさせる機能はない。

 勝本徹AMC事業部長によると、α100に寄せられた意見で多かったのが「ライブビューはなぜできないのか」とのこと。ライブビューの操作にはまだ制限が多く、ソニーとして納得いくものを開発するまで時間がかかったが、ようやく発表に至ったという。

 光学ファインダーは、倍率0.83倍のα100よりも狭くなった印象。また、シャッターレリーズ時のブラックアウトが長く、このあたりはエントリークラスに相応したクオリティとなっている。

 メニュー画面など主な操作系は、上位モデルのα700に似通っている。ただし、主要設定項目をまとめたナビゲーションディスプレイを備えるものの、Fnキーを押したあとのクイックナビゲーションは表示方式が異なる。


α700に似た右手側の操作部。ただしCボタンがない ナビゲーションディスプレイもα700と似たデザイン

ただし、α700は設定変更までの表示画面や手順が異なる α700と同じくDレンジオプティマイザーを装備するも、内容は一部省略されている

バッテリーグリップ装着時

背面。バッテリーグリップの操作部はシンプル


 なお、姉妹機のα300およびα200との違いは、記録画素数とライブビューの有無にある。有効画素数は、α350が1,420万画素、α300とα200が1,020万画素。α350とα300はQuick AF Live Viewに対応し、α200はライブビュー機能がない。


α300。日本では未発表の海外専用モデル
α200。ライブビューが非搭載

 アクセサリーとしては、新ストロボのHVL-F42AMをアピールしていた。現行製品の「HVL-F36AM」の強化版にあたり、ガイドナンバーを42に増強したほか、バウンス角度を拡張。右180度までのヘッドの回転に対応する。縦位置撮影時でも後方へのバウンスを可能にしたという。

 自照式のリヤパネルや、シリーズ特有のワンタッチリリースボタンなどを備える。

 ストロボといえば、αフラッグシップモデルとして参考出品されたモデルもある。詳細は未定。シリーズ中最も大きく、多機能になるという。リヤパネルはLCD。


HVL-F42AM

右後ろ側へのヘッドの回転が可能

リヤパネルは自照式

α700に装着した状態


参考出品のクリップオンストロボ

背面はLCDパネル。詳細は未定


最適設定で自動的に撮影する新サイバーショット

 コンパクトデジタルカメラでは、日本未発表の製品が並んだ。DSC-T300を筆頭に、DSC-Wシリーズ3機種、DSC-H10、DSC-Sシリーズ2機種というラインアップ。

 DSC-T300は、Tシリーズの流れを汲む薄型モデルで、会場でのアピールポイントは、iSCN(intelligent scene recognition)と呼ぶシーン認識モードだ。


Cyber-Shot T300

背面


レンズバリアは2段階にスライドする

iSCNとiSCN+を選択可能


 このモードは、明るさや顔の有無など、カメラが撮影時の状況を判断して最適な設定にするという。さらにモードをiSCN+に設定すると、ユーザー設定で撮影した後、iSCNでも自動的に撮影する。

 背面すべてをタッチパネル液晶モニターとし、前面のレンズカバーは2段階にスライドするなど、凝ったデザインも特徴。米国での発売は3月、価格は約400ドル。

 DSC-H10は、810万画素、3型液晶モニター、光学10倍ズームレンズなどを備える高倍率ズーム。現行のDSC-H3の後継機種と見られる。米国での発売は5月。価格は約300ドル。iSCNを搭載する。


Cyber-Shot DSC-H10

背面


 DSC-Wシリーズは、1,010万画素で2.7型液晶モニターのDSC-W170、810万画素・2.7型液晶モニターのDSC-W150、810万画素・2.5型液晶モニターのDSC-W130、720万画素・2.5型液晶モニターのDSC-W120を展示。

 いずれも笑顔を検出すると自動的にシャッターを切る「スマイルシャッター」や、iSCNを搭載する。米国での発売時期は、DSC-W170とDSC-W150が4月、DSC-W130とDSC-W120が3月。価格は200~300ドル前後と見られる。


Cyber-Shot DSC-W170

Cyber-Shot DSC-W150


Cyber-Shot DSC-W130

Cyber-Shot DSC-W120


 また、エントリーモデルのSシリーズも米国で今春に投入する予定。DSC-S780が810万画素、DSC-S750が720万画素。液晶モニターはどちらも2.5型、レンズは光学3倍ズーム。価格は、DSC-S780が180ドル、4月発売。DSC-S750が150ドル、3月発売。


Cyber-Shot S780 Cyber-Shot S750

大量画像を保存できるフォトフレーム

 変わったところでは、ソニー初のデジタルフォトフレーム「S-Frame」シリーズの出品があった。30日に米国で正式発表があった製品で、DPF-V900とDPF-D70を触ることができた。

 DPF-V900は9型、DPF-D70は7型の液晶ディスプレイを採用している。画像処理エンジンにBIONZを採用するのも特徴。


DPF-V900

DPF-V900のメディアスロット


背面

縦置きもできる


表示例。撮影情報も表示可能


 アスペクト比15:9、800×480ピクセルの液晶ディスプレイをメインに、メモリースティックデュオ、SDHC/SDメモリーカード、CF、xDピクチャーカードなどの読み込みをサポートする各種スロットを装備。画像の入力が可能なUSB端子も備えている。

 さらにDPF-V900は512MB、DPF-D70は256MBの内蔵メモリを有する。デジタルフォトフレームとしては容量が大きく、取り込み時には画面解像度に合わせたリサイズも行なうため、大量の画像を保存できるという。

 撮影日時や撮影機種名などの表示も可能。縦置きにすると、表示画像も自動的に縦になる。そのほか、HDMI端子を装備し、HDTVなどにHD出力できる。価格は、DPF-V900が250ドル、DPF-D70が140ドル。7型液晶モニター、内蔵メモリ152MBのDPF-V70もあり、価格は190ドル。



URL
  ソニー
  http://www.sony.co.jp/

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( 本誌:折本 幸治 )
2008/02/01 19:02
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