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【PMA07】コンパクトさを活かすレンズやアクセサリも

〜オリンパス E-システム開発陣に聞く

左から高橋純氏、E-1後継機、寺田利之氏、冨澤将臣氏
会場:米国ラスベガスコンベンションセンター
会期:2007年3月8〜11日(現地時間)


 昨年秋のPhotokinaでは「来年のPMAでは、新しいE-システムのラインナップに関して答えを出す」と話していたオリンパス。そして今年、PMA直前にE-410、E-510を発表し、E-1後継機種に関しても追加アナウンスを行ったうえで、PMA07に挑んだ。

 新しいE-システムの商品企画を担当した商品戦略部商品グループ課長の寺田利之氏、デザインを担当したデザインセンタープロダクトデザイングループの高橋純氏、新開発の映像プロセッサを開発したデバイス開発部デバイス開発2グループ課長の冨澤将臣氏に、新しいE-システムの幕開けについて語ってもらった。

 寺田氏は今回、E-システムの再構築にあたって、将来にわたるロードマップを引き、全体のコンセプトをまとめながら、具体的な商品の企画までを担当したという。


E-510(左)とE-410
──Photokinaで発表されたE-400に続き、E-410、E-510が発表されたことで、やっとフォーサーズの発表当初から期待されていた、フォーマットのコンパクトさを活かした商品が揃いました。なぜここまで時間がかかったのでしょう。

 「小型のE-システムとしては、E-400が第1弾として発表され、日本でも大いに注目していただけました。フォーサーズの特徴であるコンパクトなフォーマットという点を活かした製品に、消費者からの大きな期待、ニーズがあることは我々も感じていました。しかし、システムラインナップとして、まずはトップエンドのプロ機を開発し、その技術をコンシューマ製品に反映させるという手順を踏む必要があり、多少、時間がかかったとは言えるかも知れません」。

 「しかし、フォーマットが小さいとはいえ、すぐに小型化が可能なわけではなく、省エネ設計にしなければバッテリ持続時間が短くなりますし、熱の問題も発生します。それらの問題に関して、繰り返し製品を作っていく中で答えが見つかり、そしてやっとここまで進んでくることができたのです。コンパクトな一眼レフカメラが欲しいというニーズに対して、やっと技術が追いついてきたのが今ということです」。

──単発のカメラボディだけの小型化ではなく、システムとしてコンパクトなものを取りそろえていくのでしょうか? たとえばストロボなども、小型で携帯性の高いものが欲しいといったニーズはあるでしょう。

 「昨年のPhotokinaで発表し、そして今回、日本でも発売する小型のズームレンズが2本あります。まずはこれがスタートになります。カメラがこれだけコンパクトになれば、当然、薄型レンズが欲しいなどのニーズもあるでしょう。アクセサリも同じです。たとえば、今回はE-410に似合う細身のファッショナブルなストラップなども用意します」。

──小型ズームレンズには青いラインが施されていますが、この2本だけでなく、今後、2つの小型機に似合うレンズがシリーズ化されていくのでしょうか?

 「今回の2本はスタンダードグレードのレンズですが、今後はグレードにこだわらず、小型化ができるレンズに関して、できることをやっていきます。E-システムのレンズも、ひと通りの焦点域をカバーする製品が、3つのグレードに渡って揃いました。ここまで揃ってくれば、今度は単焦点レンズなど趣味性の高いレンズの開発にも取り組むことができます。そうしたレンズの中には、小型化できるものもあると考えています」。


ハードの進化で画質も向上

OM-1(左)とE-410
──ふたつのシリーズは、同じプラットフォームの上に作られているように見えますが、当初からこのような商品構成にすることを念頭に開発していたのですか?

 「はい、もちろんそうです。E-400、E-410は、徹底的に小型軽量化を追求するカメラとして開発しています。携帯性が高まることで、より利用の頻度を高め、利用するフィールドを広げてもらおうというコンセプトです。これに対してE-510は、もっと写真に対してアグレッシブで、自らカメラを使いこなして写真を撮るこだわり派のために、しっかりと撮影機能を練り込んだ機種です」。

──操作系やセンサーの画素数、画像処理プロセッサなど、さまざまな点で共通性の高い両機種ですが、手ブレ補正やサイズ以外にどのような違いがあるのでしょう。

 「カメラの基本部分は同じで、手ブレ補正ユニットを組み込んでいることやバッテリサイズが異なること以外は、操作性や画質、ライブビューなどの機能も共通と考えていただいて構いません」。

 「しかし、機能的にはE-510の方が豊富で、E-500で好評だったさまざまなカスタマイズ機能をE-510でも引き続き採用しています。また、E-410は背面のスーパーコントロールパネルによる操作に特化しており、液晶画面が出ていない際に使えるダイレクトスイッチ機能(十字キー、それぞれに直接機能の呼び出しを割り当てたもの)を(操作の混乱をなくすために)省いています」。

 「また、純正水中ハウジングはE-410にのみ用意されます。水中ハウジングはE-1後継機にも提供されるため、E-510にアダプタでE-1後継機用ハウジングを利用できないか検討しているところです」。

──E-400からは、センサーと映像プロセッサの両方が変化していますが、これによる画質の変化はありますか?

 「センサーがフルフレーム方式のCCDからLiveMOSになり、画素も約300万画素増えています。LiveMOSについては、従来から話しているように、低消費電力と画質の両面を兼ね備えた、現時点でベストのセンサーだと考えています。S/N比など画質に関する特性だけで比較すると、従来のフルフレームCCDと同じぐらいの性能を有しています。また、配線幅の縮小や設計上の工夫を行なうことで、画素数が向上しているにもかかわらず、受光部の面積はほとんど変化していません。さらに、CMOS故に低消費電力と自由な読み出しが可能になり、それによりライブビューを搭載できる点が大きい。こうした機能と画質の両面で現時点の進歩があります」。


──従来機種ユーザーから改善の声が大きかったゲインアップ時のノイズは、どの程度改善できたのでしょう。

 「これは実際のサンプルが出始めてから評価していただくのが一番いいでしょうが、受光部のサイズがほとんど変化していないことが、大きなプラス要因です。加えて画像処理を行なうTrue Pic IIIは、従来のプロセッサよりも処理能力を大きく向上させ、より高度なノイズ処理を可能にします。これにより、画素数が増加しているにもかかわらず、ノイズは従来よりも改善しました」。

──具体的に、どのようなノイズ処理を行なっているのでしょう?

 「暗部での“もさもさっ”とした色ノイズが出ないように工夫しています。ノイズをむやみに潰すと、当然ながら細かなディテールが落ちますが、そのような処理は含めていません。映像処理のエンジンが高速になったことで、従来はできなかったような複雑な処理を行なえるようになったために、ノイズが少なくなったのです」。

 「オリンパス本社の研究開発部門で行なわれている、多様な画像処理要素技術の中から、現時点の技術で実現可能な最高のものを用い、それを組み込みました。また、従来のTruePicで問題とされていた、斜め線のジャギーや偽色が大幅に低減され、スムースなエッジ描写になっています。また、内部演算処理のパイプラインを最適化し、処理途中で演算誤差が最小となるようにLSIレベルからの改善を行ないました。つまり、映像処理プロセッサが進化したことで、より柔軟に高度な処理アルゴリズムを使いこなせるようになったことで画質が上がりました」。

 「さらにガンマ補正の精度も大幅に上がっています。白ピークに向かう中でも、しっかりと色を載せても、色相が回転してしまうといった、従来のデジタルカメラ画像で起きやすい問題が、True Pic IIIにはありません」。


小型化の工夫

──E-410は数値上はAPS-Cセンサー採用カメラに比べ、少しづつ小さいだけと見られる可能性がありますが、実物を見て、そして触れてみると、数値以上に小さく感じます。レンズのコンパクトさも、そうした印象を強めているいます。まずはデザインありきで設計したとも聞きますが、どのように外観デザインを進めたのでしょう?

 「従来機のE-500は軽量化は達成できましたが、見た目にはさほど小さく感じられませんでした。ではフォーサーズに期待されている小型化はどうするべきか。最低限守らければならないフランジバック以外の部分で、どこまでサイズを削れるかを、徹底的に詰めていきました」。

 「グリップをとれば、どれだけ小さく見えるのか。ペンタ部を小さくするにはどうすればいいか。具体的な目標をデザイン形状として決め、開発側と話をしながら可能な限りコンパクトになるよう、デザインのツメを行なっています」。


E-510のアイデアスケッチ
E-410のアイデアスケッチ

 「また、実際に手で持ったときに小さく感じられるようにとも配慮しています。E-510に関してはE-410とはパッと見は同じように見えますが、実際には異なる面の構成になっています。E-410は女性なども使うことを想定して柔らかさを出したデザイン、E-510はもう少しメカっぽくといった味付けをしているのが、実際の製品を手に取ることで確認していただけるでしょう」。

 「設計の面では、小型化するためにバッテリやシャッターユニット(シャッターチャージを逆方向から行なうメカを新設計してスペース効率を高めている)、組木細工のように立体的に構造部と折り重なる基板デザイン、省電力化といった工夫が盛り込まれており、これらあらゆる技術が実用化できるタイミングが重なったことで、ここまでの小型化ができました」。


2桁型番の機種もラインナップ

E-1後継機
──E-システムの第2章が始まるということで、エントリークラスの2製品とプロ向けのE-1後継機種以外に、その中間にあたるハイアマチュア向けカメラを求める声もあるのでは?

 「それは追々、E-1後継機を完成させてから取り組んでいきます。もちろん、システム全体のラインナップの中に、2桁型番の機種も盛り込まれています」。

──E-410のラインは徹底して軽量化を施した製品との事ですが、コンパクトでどこにでも持って行きたくなるカメラだからこそ、ボディ内手ブレ補正も欲しいという声もあるでしょう。物理的な制限はありますが、これに取り組む用意はありますか?

 「もちろん、E-400系のボディに搭載できる手ブレ補正ユニットを完成させることができれば、採用する方が良いとは思っています。現時点では、このカテゴリに要求するスペックを満たせていないため搭載していませんが、将来的な挑戦はしてみたいですね」。



URL
  PMA07
  http://www.pmai.org/index.cfm/ci_id/27922/la_id/1.htm
  PMA07関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/other/2007/03/10/5787.html

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【インタビュー@Photokina 2006】
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( 本田 雅一 )
2007/03/11 15:38
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