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オリンパス、デジタル一眼レフなど新製品発表会

~次期「E-1」の最終モックアップも展示

 オリンパスは5日、デジタル一眼レフカメラ「E-410」と「E-510」および、交換レンズなどの発表会を都内で開催した。


E-410(左)とE-510(右) 発表会は、ライブパフォーマンスで始まった

 これまでのフォーサーズ規格の歩みや、同規格の優位性などをアピール。同社が、「Eシステムの第2章」と位置づける新モデルの機能を説明した。

 また、2003年に発売したプロ向けデジタル一眼レフカメラ「E-1」の後継機の最終デザインモデルを展示した。


Eシステム第2章の始まりを宣言

代表取締役社長大久保雅治氏(中央右)と写真家の岩合光昭氏(同左)
 発表会の冒頭、オリンパスイメージング代表取締役の大久保雅治社長が、「これまで、フィルムカメラとは違った、デジタル一眼レフに最適なシステムを構築してきた。そのEシステムがこれから第2章になる」とEシステム第2章の幕開けを宣言した。

 大久保氏は、フォーサーズ規格の優位性について触れ、「システムトータルの小型化が可能。特に、望遠レンズを小型化できるのが最大の特徴」と述べた。また、小型化のメリットを活かして高い機動性を実現できるフラッグシップモデルの開発と、小型レンズの拡充を図るとした。


Eシステムは第2章に
 同社では、現在デジタル一眼レフの開発に大きくリソースを割いているとし、2007年度の生産目標を50万台に設定。また、早期に年間100万台の生産を目指すという。「デジタル一眼レフで、確固たるポジションを確保する」(大久保氏)と意気込みを語った。

 フイルムカメラ時代からの、「独創の技術でユーザーに応える」との考え方を継承し、「今後も、デジタル映像文化に貢献していきたい」と締めくくった。


どこまで小さくできるかを追求

 続いて、同社商品戦略本部の小川治男氏が新製品のコンセプトを説明した。

 E-1とそのレンズ群から始まったシステム第1章について、「デジタル専用設計にすることが重要だった」とし、「将来のデジタル一眼レフカメラは、どうあるべきかを考えて開発に当たった」と開発当時の考え方を述べた。


商品戦略本部の小川治男氏 フォーサーズでは大幅なレンズの小型化が可能

同じ画角を得る場合でも、フォーサーズはより小型のレンズにできる レンズラインナップ

 小川氏はデジタル専用設計としたフォーサーズ規格のメリットについて、小型システム、共通レンズマウントなどを挙げた。フォーサーズシステムでは、同等の明るさで同じ画角であれば、レンズをほぼ半分の大きさにできるとし、「焦点距離600mm相当の超望遠も、フォーサーズなら手持ちで撮影できる。機動性の違いは一目瞭然」と説明。

 加えて、フォーザーズシステムをオープン規格としたのはユーザーのメリットを追求した結果とした上で、「(各社に)豊富なフォーサーズレンズがあり、好みのレンズを見つけることができるはず」とラインナップに自信を見せた。また、今後もレンズシステムを発展させていく考えを示した。


ダストリダクションユニット SSWFユニット

 同社が独自に開発した超音波振動によるダストリダクション「SSWF」について、「各社から振動によるゴミ対策機能を備えたカメラが登場してきているが、当社が従来から行なってきた考え方が(正しいと)証明された」と述べた。小川氏はSSWFを、「超音波による振動がポイント。静電気だけにとどまらず、分子間力で付着したゴミまで除去できる」と説明。ダストリダクション機構の元祖として、ゴミ取り能力の優位性を説いた。


オリンパスの企業姿勢 外に出よう!のスローガンを提示

 現在オリンパスでは、医療・健康事業と映像・情報事業を大きな柱にしている。小川氏は「医療は人を中から健康にする一方、映像事業は人を外へと導いて健康にする」と語り、人々の健康を作る企業になりたいという思いから「GO FIND YOUR WONDERS…外へ出よう!」のスローガンを掲げたという。

 次に、E-410とE-510の機能について説明した。同氏はまず、ライブビュー機能を挙げ、「E-330から搭載した機能だが、これが今後のデジタル一眼レフカメラの土台になる」とし、「ファインダーに縛られない、今までにない写真表現ができる。撮影スタイルを一新するもの」と紹介した。さらに、「ハウジングを用いることで、水中でも液晶モニターで撮影できる。どんどん水中撮影もして欲しい」と付け加えた。


E-410

E-510

E-510(左)とE-410の比較

見やすくなった「スーパーコンパネ」 ライブビュー画面

ライブビューでの7倍拡大表示 同10倍拡大

 E-1の後継モデルについても言及し、「発売に強い要望を頂いている。今、E-1ユーザーの意見を取り入れて開発している」と説明。同氏はE-1後継機を、2007年中に発売することを明らかにした。また、同日開発発表したレンズは、特に超音波モーター搭載モデルについて、高速のAFを実現していると紹介した。


E-1後継機の最終デザイン バリアングルと思われる液晶モニターを備える


 小川氏は、「当社のデジタルカメラは、青の表現では定評がある。この『オリンパスブルー』を極めたい。過酷な自然環境での撮影を克服し、ネイチャーフォト分野でのナンバーワンを目指す」と締めくくった。


高画素化しながらも低ノイズを実現

 E-410とE-510の機能解説を同社開発本部の朝倉康夫氏が行なった。朝倉氏はまず、E-410とE-510の共通の機能について触れた。


開発本部の朝倉康夫氏 撮影後のワークフローもEシステムに含まれる

 1,000万画素となったLiveMosセンサーは、信号増幅構造を抜本的に見直すことで、高画素化を図りながらも低ノイズを実現したという。また、センサーをフレキシブル基板に直接実装することで、ボディの小型化にも寄与している。

 朝倉氏は、撮像素子の違いと画素数および消費電力の関係を提示。LiveMosセンサーを「低消費電力が特徴のCMOSと、高画質なフルフレーム型CCDの長所を合わせたセンサー」と説明した。


画質と消費電力から見た、各センサーの特徴 True Pic IIIは3つの技術からなる

 またライブビュー表示では、ホワイトバランスや露出補正などが確認できるようになった点を挙げ、今後のデジタル一眼レフカメラに求められていた機能とした。また、7倍および10倍の拡大モードによりマクロ撮影に便利とした。なお、従来からの10倍拡大に加え、7倍モードを搭載したことについて、「10倍では倍率が高すぎる、もう少し倍率を落としたモードも欲しいというユーザーからの声があった」(同社広報)とのこと。

 新開発の映像エンジン「Ture Pic III」では、ノイズと被写体の高精度な分離が可能になったほか、シャギーや偽色の抑制を行なっているとした。また、輝度信号と色信号を独立して扱うことで、淡い色まで表現できるようになったという。

 E-410を、「突出した携帯性のカメラ」と表現。ホールディングに関しても、手になじむよう工夫した。小型化を実現しながらも、メタルフレームを使用し、外部からの力に耐えられる高剛性フレームになっている。


手ブレ補正ユニットの構成 ユニット配置

ボディ内手ブレ補正機能をIS(IMAGE STABILIZATION)と名付けた 手ブレ補正は、通常の「I.S.1」モードに加え、横方向の流し撮り用に「I.S.2」も備える

 朝倉氏は、E-510のボディ内手ブレ補正について、全てのレンズで手ブレ補正ができる点をアピール。また、レンズ内手ブレ補正方式に比べて、余計な光学系を必要とせず、光学設計に余計な負担をかけない高画質なレンズが作れるメリットを強調。「この方式が、今後のデジタル一眼レフをリードしていくと自負している」と述べた。

 また、キットレンズとなる「ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6」を、「フォーサーズの特徴を最も活かしたレンズ。硝材の工夫などで、大幅に小型化した」(朝倉氏)と説明した。


ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm F3.5-5.6

開発発表したレンズも展示。左から、ED 12-60mm F2.8-4 SWDとED 14-35mm F2 SWD 同じくED 50-200mm F2.8-4 SWDとED 70-300mm F4-5.6

こちらも開発発表したテレコンバーターのZUIKO DIGITAL 2.0x Teleconverter EC-20 会場では、従来のフォーサーズレンズも展示

岩合氏「デジタル一眼とは思えない大きさ」

 発表会では、ゲストとして写真家の岩合光昭氏を招き、トークショウを行なった。


岩合光昭氏(右) 岩合氏の撮影風景を上映した

 岩合氏は冒頭、「今、モデルさんがE-410を持っていたが、とてもデジタル一眼レフとは思えない大きさ」と印象を述べた。

 同氏は、E-1で行なった北極熊の撮影体験を披露。撮影地となったカナダの現場は、水しぶきや振動がある過酷な環境だったという。「通常の600mmレンズは撮影が大変だが、今回はフォーサーズの300mmを使用し楽だった」とフォーサーズのメリットを積極的に活用している様子を見せた。

 撮影中は、「E-1に、だいぶ水しぶきが掛かった」とエピソードを挙げ、「E-1は防滴ボディだが、『防水ボディ』と言っていいくらい」と述べた。


会場には、岩合氏がE-410で撮影したジャイアントパンダの写真を展示
 また、E-410の試作モデルで、インドのジャイアントパンダを撮影した際は、「すごいホコリの中で、レンズ交換をしなければならず、ダストリダクションが役立った」と話した。パンダの撮影時は、這いつくばって撮る場合があるといい、その際ライブビューが便利だったという。

 また、E-1後継機について訊かれると、「外見だけしか見ていないが、ペンタ部が大きいようなので、ファインダーが見やすくなっているのではないか」との印象を述べた。また、「手ブレ補正が搭載されるのではないかなど、いろいろ想像している」と楽しそうに話していた。



URL
  オリンパス
  http://www.olympus.co.jp/

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( 本誌:武石 修 )
2007/03/05 22:33
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