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ソニー、α9・α7R IIIの最新仕様を取り入れたベーシックモデル「α7 III」

有効約2,420万画素CMOS、最高10コマ/秒連写のメカシャッターを搭載

α7 III。レンズは「FE 24-105mm F4 G OSS」(※キットレンズとは異なる)

ソニーは、ミラーレスカメラ「α7 III」(ILCE-7M3)を3月23日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格はボディ単体が税別23万円前後、FE 28-70mm F3.5-5.6 OSSの付属するレンズキットが25万円前後。

ソニーの35mmフルサイズミラーレスα7シリーズの最新機種。特別な新機能は持たず、α9やα7R IIIに新搭載された最新仕様やカスタマイズ性を取り入れたベーシックモデルという位置づけ。対応バッテリーも、α9で初採用された大容量モデルに切り替わっている。

35mmフルサイズ・約2,420万画素の裏面照射型CMOS

撮像素子は新開発の裏面照射型CMOSセンサーで、有効約2,420万画素。画像処理エンジンBIONZ Xとの組み合わせにより、α7 II比で約1.8倍の高速処理が可能としている。

感度域は常用ISO100〜51200、拡張で50〜204800としている。同社測定では低感度域で約15段分のダイナミックレンジを持つという。16bit画像処理、14bit RAW出力に対応。

シャッタースピード5段分の効果を持つボディ内5軸手ブレ補正機構も備える。

α9/α7R III譲りのAF機能。AF-ONボタンも搭載

AFポイントは像面位相差AFが693点、コントラストAFが425点。画面内の93%を像面位相差AFでカバーした。AF-Sの低輝度限界は-3EV。動体追従性能と低照度時のAF速度は、それぞれα7 II比で最大2倍としている。α9に搭載されている動体予測アルゴリズムの最適化を盛り込んだ。

瞳AFはAF-Cモードの追従に対応。検出精度を大幅向上し、顔が小さい場合やうつ向き顔でも瞳を検出するという。

マウントアダプター「LA-EA3」経由でAマウントのSSM/SAMレンズを装着した場合も、693点の像面位相差AFや瞳AFを使える。

ファインダーを覗きながら背面モニターでAFポイントを動かせる「タッチパッド機能」に対応。背面モニター撮影時にタッチ操作でフォーカスポイントを選ぶ「タッチフォーカス機能」も使える。

α9から搭載されている「AF-ON」ボタン、ジョイスティックタイプの「マルチセレクター」、被写体追従感度の設定メニューも用意されている。

最高10コマ/秒のメカシャッターを搭載。書き込み中でも画像再生などが可能に

電子シャッターを用いたサイレント撮影のほかに、メカシャッターでも最高10コマ/秒の連写(Hi+)が可能になった。α9とは異なり、電子シャッター撮影は動体に歪みが出る可能性を踏まえて利用する。α7R IIIで新搭載のフリッカーレス撮影にも対応している。

連続撮影枚数は非圧縮RAWで40枚、圧縮RAWで89枚、JPEG(スタンダード)で177枚。いずれもα7 II比で2倍以上の数値になっている。また、撮影画像を記録メディアに書き込んでいる最中はカメラの操作を受け付けない仕様も改められ、α7R IIIと同様にMENU/Fnメニューの撮影設定変更と再生画面の表示が可能になった。

全画素読み出しの4K動画記録に対応

α9と同様、画素加算のない全画素読み出しで4K動画記録が可能。α7R IIIと同じくHLG(Hybrid Log-Gamma)、S-Log3も搭載している。そのほかProxy動画の同時記録など、α7R IIIに準じて動画機能が拡充されている。

そのほか

EVFは約236万画素のXGA OLED Tru-Finder。ファインダー倍率は0.78倍。解像度こそα9やα7R IIIの約368万ドットに譲るが、接眼光学系に違いはない。

液晶モニターは3型・約92万ドットのチルト式。ライブビューをより精細に表示する「高画質」モードも選択できる。

通信機能はWi-Fi/NFC/Bluetoothに対応。USB経由の充電・給電は、本体側面のType-C端子とMicro USB端子のどちらからでも可能。PCリモート撮影も可能としている。

バッテリーは「NP-FZ100」。撮影可能枚数はモニターで約710枚、ファインダーで約610枚。どちらもα7 II比で2倍以上の数値。

記録メディアスロットは、片側がUHS-IIに対応するSD系デュアル。

外形寸法は約126.9×95.6×62.7mmでα7R IIIと同じ。本体のみの重量は約565g。

本誌:鈴木誠