ソニーは、コンパクトデジタルカメラ「サイバーショットDSC-T300」を、3月7日に発売する。価格はオープンプライスだが、店頭予想価格は4万8,000円前後の見込み。
2007年9月に発売されたDSC-T200の後継機。屈曲光学系を採用した薄型モデルで、タッチパネルなどの先進機能を積極的に取り入れるTシリーズのフラッグシップモデル。有効画素数が810万画素から1,010万画素になったほか、撮影シーンを自動判別して撮影パラメーターを決定する「おまかせシーン認識」などの新機能の搭載、顔検出関連機能の強化が図られている。
■ カメラがシーンを判断する「おまかせシーン認識」
「おまかせシーン認識」は、「逆光」、「逆光&人物」、「夜景」、「三脚夜景」、「夜景&人物」の5つの失敗しやすいシーンをカメラが判別し、自動的に最適な撮影をする機能。逆光ではDレンジオプティマイザープラスを自動的にかけて被写体の黒ツブレを防いだり、夜景では感度を上げ、背景と人物を一緒に写し込むといった制御を、カメラが自動で行なう。
また「おまかせシーン認識アドバンス」機能も搭載されており、こちらはユーザーによるパラメーターと、おまかせシーン認識によるパラメーターで2枚を自動的に撮影する。ただし、おまかせシーン認識が必要ないとカメラが判断するとユーザー設定の1枚のみ撮影される。
■ 顔検出が進化、再生時にも応用
顔検出関連では、大人と子どもの顔を判別し、どちらを優先的に検出するかを設定できるようになった。これは笑顔検出+自動シャッター機能「スマイルシャッター」でも有効で、「子どもが笑ったときにシャッターが切れる」といった設定が可能になった。子どもと判断する条件は、顔の輪郭や眼、鼻、口の位置関係などとしている。
スマイルシャッターでは、従来は複数の顔が画面にある場合は「誰が笑ったらシャッターを切るか」を指定する必要があったが、DSC-T300からは誰が笑ってもシャッターが切れるようにし、わかりやすくした。また、笑顔の度合いを「スマイルインジケーター」で表示できるようになった。
さらに顔検出技術は撮影した画像の検索/絞込みにも応用され、「笑顔のある写真」、「子どもの写っている写真」、「赤ちゃんの写っている写真」などの条件が設定できるようになった。画像の管理機能では、DSC-T2で採用された「お気に入り」フォルダやカレンダー検索も搭載されている。
再生機能では、音楽付きスライドショー生成機能「音フォト」が改良され、本体に保存できる曲数が4曲から8曲に増えたほか、再生時間が3分から5分に伸びた。また、スライドショーの効果にも顔検出技術が使われており、人の顔の位置を考慮したパンやズームを自動的に行なうようになった。
■ 高解像度の16:9撮影も可能に
撮影機能では、通常のAFモードでも近接撮影時にはマクロ切り替え操作なしでマクロモードに移行するようになった。ただし、従来のマクロスイッチも用意されており、こちらを利用すればより速くマクロ撮影に移行できる。
また従来、16:9モードではハイビジョン規格に合わせて解像度が2メガピクセルになっていたが、DSC-T300では7メガピクセルでの撮影も可能になった。さらに水中撮影モードが用意された。
外装はヘアライン加工が施されたステンレス。電源スイッチを兼ねたレンズカバーと、背面全体を覆うタッチパネル付き液晶モニターを備えたTシリーズルックが継承されているが、レンズカバーを閉じて縦にしたときに左右対称になるようなデザインが与えられた。またレンズカバーは2枚構造に改められ、より高速に起動するようになっている。本体色はシルバー、ブラック、レッドが用意される。
撮像素子は1/2.3型有効1,010万画素CCD。最大記録解像度は3,648×2,736ピクセルで、記録形式はJPEG。感度はISO80~3200。640×480ピクセル、約30fpsでのMPEG-1動画も記録可能。
レンズは非球面レンズ3枚、プリズム1枚を含む10群12枚で構成される光学5倍ズームのCarl Zeiss Vario-Tesser。レンズシフト式手ブレ補正機能が搭載される。
35mm判換算焦点距離は33~165mm、開放F値F3.5~4.4。最短撮影距離は広角端で約8cm、望遠端で約80cm。拡大鏡モードでは広角端で1~20cmでの接写ができる。
液晶モニターは3.5型23万ドットで、タッチパネル付き。記録メディアはメモリースティックデュオ/PROデュオ/PRO-HGデュオと、約15MBの内蔵メモリ。電源はリチウムイオン充電池。CIPA準拠の撮影可能枚数は約260枚。
本体サイズは約94×21.4×59.3mm(幅×奥行き×高さ)、電池と記録メディアを含む重量は約177g。
オプションとして、40m防水のマリンパック「MPK-THF」(24,150円)、レンズクリーニングクロスで作られた巾着袋「LCS-CSK」(1,575円)などが用意される。また、ハイビジョン出力用のアダプターは、2008年春モデルの形状に合わせたスリーブが同梱された「CSS-HD2」(8,085円)になる。
■ URL
ソニー
http://www.sony.co.jp/
ニュースリリース
http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200802/08-0218/
製品情報
http://www.sony.jp/products/Consumer/DSC/DSC-T300/
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( 本誌:田中 真一郎 )
2008/02/18 15:07
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