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松下、「FZ30」など秋冬商戦向け「LUMIX」発表会
~「16:9はデジタルカメラ3大革命のひとつ」
松下電器産業株式会社は21日、8月26日発売の新製品「DMC-FZ30」、「DMC-FX9」、「DMC-LX1」について都内で発表会を開催。各機種について解説や今後のデジタルカメラ戦略などを説明した。
最初に登壇したパナソニックマーケティング本部長の牛丸俊三氏は、2005年のデジタルカメラの世帯普及率が60%に達する(同社予測)との見通しを示し、「デジタルカメラ市場は第二フェーズに突入した」と宣言。買い替え・買い増し需要や、女性・高齢者のニーズが拡大するとの予測を述べた。さらに、こうした新しい局面に必要なのが「手ブレ、19倍ズーム、16:9ワイドからなる『3つの革命』だ」と力説。それぞれについて解説を行なった。
まず、同氏は8カ月にわたるロングランヒットとなったFX7を引き合いに出し、「手ブレ補正ジャイロは当社の発明。DMC-FX7以来、カメラの本質的な機能のひとつだ」と語った。3月発売のDMC-FX8においても、手ブレ補正を重点的にプロモーションし、発売第1週目で6%、第2週で10.8%のモデル別シェアを獲得。その成功を「超・垂直立ち上げ」と表現し、「LUMIXは手ブレ補正の代名詞となるよう、今後も活動する」とした。
プレゼンテーションで最も力が入っていたのが「16:9ワイド革命」のパート。従来より薄型ワイドテレビ「ビエラ」シリーズとの連携を推進していた同社だが、DMC-LX1とビエラの組み合わせを「カメラ専業メーカーにはできない楽しみ方を提案できる」と強調した。ワイドテレビの普及は必然であるとし、「AVの盟主である松下電器が新しい流れを作る」との表現もあった。高倍率ズームレンズについては「FZシリーズが世界的にもズーム市場を牽引した」と説明した。
パナソニックマーケティング本部長の牛丸俊三氏
16:9の効果を説明
家電メーカーらしい戦略を訴求した
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手ブレ補正の優位性
続いて登壇したパナソニックAVCネットワークス社の吉田守DSCビジネスユニット長が、各機種の特徴を解説した。
吉田氏は3大革命を支える技術として、「手ブレ補正ジャイロ」、「ライカDCレンズ」、「ガラスプレス非球面レンズ」、「ヴィーナスエンジン」、「人に優しいデザイン・使用性」、「商品特性に応じた操作性の追及」を挙げた。
そのうち手ブレ補正については、今春から他社から発売が続く高感度対応機種について、比較用の作例を提示した。手ブレ補正はISO100でシャッター速度1/6秒、高感度側はISO800でシャッター速度1/26秒。高感度撮影の作例に対し、手ブレ補正での作例は「輪郭がシャープで、ノイズが少なくクリア」と強調した。ただし、被写体ブレについて言及はなかった。
また、ライカDCレンズの特徴を「低ディストーション」、「周辺でも高い解像度」、「フレア/ゴースト耐性」、「厳密な品質管理」と説明。その後、経営難のライカについてコメントを求められると、「我々が申し述べる立場にはない。コメントは控える」としながらも、「互いにWin Winを築くというスタンスに変わりない」と続けた。
パナソニックAVCネットワークス社の吉田守DSCビジネスユニット長
ISO800での高感度撮影と
手ブレ補正を比較
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LX1は「クリエイティブコンパクト」
DMC-LX1(シルバー、ブラック)
今回の新製品群のうち、「最も独自性を打ち出した」という機種がDMC-LX1。約16:9の1/1.65型有効840万画素を搭載。16:9の撮像素子は静止画用として世界初としている。CCDは自社製。
レンズ周りに「16:9」、「3:2」、「4:3」のアスペクト切り替えスイッチを搭載。これまでLUMIXシリーズのアスペクト比切り替えはメニュー内だったため、この場所への設置は「とにかく16:9を使ってほしいとの思いから目立つ位置にした」(同社)との理由から。
吉田氏は16:9のアスペクト比「新しい写真表現につながる」と強調。加えて広角側の焦点距離が28mm相当(35mm判換算)とワイドなレンズや、シャッター速度優先AE、絞り優先AEなどのマニュアル操作の魅力を語り、同社ではLX1を「クリエイティブコンパクト」と称している。
絞り値やシャッター速度の設定は、背面のジョイスティックで行なう。絞り優先AE時には被写界深度を表すスケールバーが液晶モニター右に出現。LX1だけの機能で、ズーミングや絞り値の変化に合わせ、リアルタイムで表示される。
LX1に関連して、16:9出力に対応したインクジェットプリンタが参考出品されていた。実際には同社の現行機種「KX-PG1」のファームウェアを変更し、スタッフが16:9に裁断した専用紙を詰めたもの。これをLX1とPictBridgeでつなぎ、16:9のプリントを出力していた。用紙の短辺はほぼポストカードサイズ。
現在、16:9の画像を家庭用プリンタでプリントする専用紙はない。また、プリンタ側で用紙サイズなどの設定が必要になる。今後、各社に働きかけ、プリンタドライバの整備などを行いたいとしている。KX-PG1を16:9プリントに対応させるファームウェアについても「公開する意向はある」としている。
自社製の16:9CCD
レンズユニット
画面左が被写界深度を表すバー
参考出品の16:9プリンタ
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SDカード用のモバイルコピーアイテムも
DMC-FZ30(ブラック)
DMC-FZ30は、1/1.8型800万画素CCD、光学12倍ズーム、フリーアングル式の2型液晶モニター、23万画素EVFなどを備えた高倍率ズーム機。DMC-FZ20の後継機にあたる。
今回はCCDが1/1.8型になったこともあり、レンズは35mm判換算で35~420mm、F2.8~3.7の新設計となる。レンズネームは引き続きライカブランドのDCバリオエルマリート。
新機能の中では、300万画素や500万画素モード時にCCDの一部を切り出し、焦点距離を伸ばす「EX光学ズーム」が特徴的。300万画素のとき最大19.1倍、500万画素で最大15.3倍のズーム比が得られる。
出力画素数を下げて見かけのズーム倍率を上げる機能としては、「DSC-P150」などソニーの「スマートズーム」があった。EX光学ズームとスマートズームの違いは、画像を切り出す位置にあり、ソニーはテレ端、松下電器はワイド端となっている。さらにFZ30では手ブレ補正機構も併用できる。
また、EVFのスペックが0.44型23.5万画素に引き上げられ、春モデルのDMC-FZ5などと同じく「高速AF1点モード」を搭載。縦位置検出機能も追加されるなど、機能面で最近の同社製品に近付いた。
操作面では、鏡胴にマニュアルフォーカスリング、マニュアルズームリングを装備。両リングのトルクの重さはちょうど良く、軽すぎることはない。また、フォーカススイッチのAFとMFの間に「AF MACRO」を設け、手動でのマクロモード切り替えに対応した。絞りやシャッター速度用のダイヤルも備え、「フルマニュアル操作」を謳う。
なお、同じくマニュアル操作を売りにする2002年発売の2/3型CCD搭載機「DMC-LC1」は併売される。2005年秋におけるLUMIXのラインナップは、LC1、FZ30、FZ5、LX1、FX9、FX8、LZ2、LS1となる。
1.7倍テレコンバージョンレンズを装着した状態
デジタル一眼レフ「EOS Kiss Digital N」(右)との大きさ比較
DMC-FX9は、DMC-FX8のCCDを600万画素に多画素化し、2.5型液晶モニターを11.4万画素から20.7万画素にした上位モデル。そのほか、起動時間が約1秒短縮されている。有効500万画素のFX8は併売の予定で、会場にも両機種の展示が並んだ。
DMC-FX9(シルキーシルバー)
デジタルカメラと同時に、2GBのSDメモリーカードや昇華型プリンターの新製品も展示されていた。
2GBのSDメモリーカードは、従来のPRO HIGH SPEEDシリーズ(最大512MB)を踏襲するラベルで、専用ケースも同一。ただし、エコ対応の柔軟なパッケージに切り替わる。
なお、今回正式に発表されたのは容量2GBで20MB/secの高速タイプ「PRO HIGH SPEED」だが、秋には10MB/secの通常速タイプ「HIGH SPEED」も発売が始まるという。価格は25,000円程度の見込み。
また、参考出品として、SDメモリーカードのコピーに特化したツールが披露された。2枚分のSDメモリーカードスロットを備え、「ORIGINAL」と記されたスロットのカードから「COPY」スロットに挿入したカードにデータをコピーするというもの。単三電池1本で動き、300MBの画像30枚を3分でコピーするという。アルカリ電池での駆動時間は1時間程度。側面にもカードを入れるスロットが見えるが、これは「ケース代わりに使ってほしい」とのことで通電はしていない。
DCFファイルのみをコピーするデジカメモードのほか、カード内のファイルすべてをコピーするモードも搭載する。音楽ファイルなど著作権保護情報を付加したファイルはコピーできない。製品化は未定だが、価格は4,500円程度、発売は今秋になるという。
同社初の2GB SDメモリーカード「RP-SDK02GJ1A」
SDメモリーカードのコピー機
側面のスロットはケース代わり
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URL
松下電器
http://panasonic.jp/
ニュースリリース(DMC-LX1)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn050721-4/jn050721-4.html
製品情報(DMC-LX1)
http://panasonic.jp/dc/lx1/
ニュースリリース(DMC-FZ30)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn050721-6/jn050721-6.html
製品情報(DMC-FZ30)
http://panasonic.jp/dc/fz30/
ニュースリリース(DMC-FX9)
http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn050721-5/jn050721-5.html
製品情報(DMC-FX9)
http://panasonic.jp/dc/fx9/
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( 本誌:折本 幸治 )
2005/07/21 19:18
デジカメ Watch ホームページ
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