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【インタビュー】サンディスク「Extreme III 30MB/sエディション」SDHCの狙い


「Extreme III 30MB/sエディションSDHCカード」を手に持つ、米サンディスクのスーザン・パーク氏
 サンディスクの高速SDHCカード「Extreme III 30MB/sエディション」が8月27日に発表された。日本国内で相次いで発売される高画素デジタルカメラでの使用を睨んでの新製品だが、今回、同時期に発表されたニコン最新一眼レフデジタルカメラ「D90」と一緒に使用するとベストの性能を発揮するという。

 そこで、同社の最新技術やニコンとの関係など、米サンディスクコンシューマー製品部門マーケティングディレクターのスーザン・パーク氏と、同コンシューマー製品部門シニアディレクターのジョナサン・フバート氏にお話を聞いた。


SDHCで世界最速の30MB/秒を実現

――まずは20周年おめでとうございます。そして、強力な新商品の発表にびっくりしています。昨年がUDMA対応のCF「Extreme Ducatiエディション」の発表だったので、今回も高速なCFかと思っていましたら、SDHCメモリーカードだったので、「やられた!」っという感じです。

パーク:ありがとうございます。昨年のExtreme Ducatiエディションはプロフェッショナルユースの製品です。今回発表したExtreme III 30MB/sエディションSDHCカードは、コンシューマーからプロシューマーの方々に使って頂きたい商品です。

――この製品は、最近のデジタル一眼レフカメラの普及とその小型化に対して対応した商品と理解してよいのでしょうか。

パーク:はい、最近は日本以外でもデジタル一眼レフカメラの人気が高く、私自身も小型なデジタル一眼レフカメラが欲しいと思っている一人です。当然ですが、カメラ自体が小型化になれば、記録メディアも小型の方が全てにおいて有利と考えています。あとはCFのように高画素のデータを高速に記録できる小型メディアがあれば素晴らしいと思い、発表いたしました。


――今回の30MB/sエディションSDHCカードは発表会時にニコンD90と一緒に使うのがベストと言われましたが、これはニコンと共同で開発したものなのでしょうか。

フバート:そのお答えは私の方からさせて下さい。我々はニコンだけではなく、あらゆるカメラメーカーと親密に連絡を取って開発にあたっています。それは、サンディスクの記録メディアがいかなるカメラやビデオカメラで使用されても、安全に動作することの一環として連絡を取り合っているということです。決してD90のために開発したわけではありません。また、カメラやビデオ以外の記録メディアが使用される機器での動作確認も万全の体制で望んでいます。


――それでは、なぜD90で使用するのがこのカードの性能をフルに発揮できるのでしょうか。

フバート:少し長い話になりますが、ご存知のように記録メディアであるCFやSDHCメモリーカードは、中に使用されるNANDフラッシュの性能だけでなく、データの流れをコントロールするコントローラーチップの性能が命の部分があります。我々サンディスクはこのコントローラーを独自で開発する技術を持ったメーカーです。

 多くの記録メディアがそうであるように、コントローラーとNANDフラッシュをそれぞれの製造メーカーから購入して、自社では組立作業のみで仕上げる例が多く存在しています。他社から購入したコントローラーはブラックボックス的な要素が大きく、その性能の全てを知ることはできません。我々はNANDフラッシュにおいては日本の東芝と手を組んでおりその性能をフルに発揮できるコントローラーを開発して記録メディア内に設置しています。このExtreme III 30MB/sエディションSDHCカードも我々が開発した製品です。よってこのカードのことはすべて理解しています。ニコンD90においては30MB/sの機能を生かしてもらうため、双方が歩み寄った結果ベストマッチになったと理解して下さい。


パッケージは今回から吊り下げ式になった
――それでは少し話しを変えますが、20周年記念ということで発表された訳ですが、パッケージがあまりにも簡素になってしまったわけをお聞かせ下さい。

パーク:従来のExtreme III SDHCカードは、SDメモリーカードからSDHCメモリーカードに規格が変更になった初めてのものなので、ユーザーの方々にトラブルが無いようにと、小型のSDHC対応カードリーダーや画像レスキューソフトのCDを同梱させ頂きました。そのために大変大きなパッケージになってしまい、カードを販売する販売店様から色んなメーカーの物を沢山並べたいのに不便だとご指摘いただきました。こうした観点から、今回は簡易なブリスターパッケージにいたしました。今後はCFも含め、簡易パッケージに移行していくつもりです。

――20周年記念製品の第2弾はないのでしょうか。

パーク:特には考えていませんが、デジタルカメラ用に30MB/sエディションを発表いたしましたので、次はデジタルビデオカメラ用のSDHCカードの発売を予定しております。デジタルビデオカメラも小型化にともない、記録メディアにSDHCカードを使用する機種が増えてきています。昔のビデオテープのように、カードの表面に60分とか120分など表記することを考えています。8GBとか16GBと言われても、何分撮れるのか分かり難いと言われる方がおられますのでよいことだと考えております。


対応カードリーダーは10月に発売予定

発表会のプレゼンテーション中、30MB/秒対応のマルチカードUSB 2.0リーダー/ライターの外観が披露された
――10月に発売を予定しているマルチカード対応のカードリーダーの事を教えて下さい。

パーク:現在販売しておりますExtreme III SDHCカードが20MB/sの133倍速です。よって現行のUSB 2.0イメージメイトというマルチカードリーダーも、20MB/sのデーターを転送できるホストコントローラーチップを搭載したモデルです。そのため、コントローラー自体が20MB/sの性能しか持ち合わせていないため、30MB/sの高速を体感していただけません。30MB/sエディションの実力を出せる新カードリーダーの発売をできるだけ急いでいるのですが、どんな環境でもより速く転送できるよう開発していることもあり、もう少しお待ちいただくことになります。

――最後に今年はドイツでフォトキナ2008が開催されますが、新製品の発表はあるのでしょうか。

パーク:今回のExtreme III 30MB/sエディションSDHCカードは、ニコンD90と発表時期が重なったために日本が最初の発表場所になりました。フォトキナでもこの30MB/sエディションの発表をやりますが、それ以外のことはご期待して下さいとしか言えません。良ければぜひフォトキナでサンディスクのブースをお訪ね下さい。お待ちしています。

――本日はありがとうございました。これからもサンディスクの新製品を期待しています。



URL
  サンディスク
  http://www.sandisk.co.jp/

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( 森脇章彦 )
2008/09/12 13:47
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