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キヤノン、プリンタ2007年モデルの発表会を開催

~「Lサイズ15円のコストで、家庭プリントを広めたい」

 キヤノンは26日、都内でプリンタの2007年秋モデル発表会を開催した。


2007年秋モデル 会場の様子

キヤノン取締役でインクジェット事業本部長の清水勝一氏
 発表会は、キヤノン取締役でインクジェット事業本部長の清水勝一氏の挨拶から始まった。同氏は2006年秋モデルの「PIXUS MP600」が9カ月連続トップシェアを達成していることを挙げ、「高画質のみならず、直感的な操作が可能なイージースクロールホイール、リビングにおいてもマッチするデザインなどで評価を頂いた」とヒット要因を分析。新モデルもデザイン面などを継承した。

 清水氏は、「“キレイ! をもっとカンタンに。”という基本テーマと“ENJOY PHOTO”のキャッチフレーズで、家で写真をプリントする楽しさを伝えてきた」とした。しかし一方で、「お任せで済む楽さ、綺麗に仕上がる安心感からお店プリントを利用している人もいる」と述べ、「家でも同じように、お任せ、綺麗、高速、さらに低コストでプリントできる」と語り、店頭プリントユーザーの取り込みを図りたい考えを示した。


起動時間の大幅な短縮を実現 2006年に引き続き採用した3サイズドロップレットはA4サイズまで対応した

 新モデルの説明では初めに、「いつでもサクサクとプリントできる」と起動時間の短縮について話した。従来モデル(MP600)では起動に約20秒かかっていたが、電源ON時のプロセスを見直すことで、新モデルの「MP610」は約4秒で起動可能になった。また、2006年モデルから3サイズドロップレット技術を継承。従来1plを重ねていた部分に2plのインク滴を使用することで、高速化を実現している。また、新モデルでは3サイズドロップレットがA4サイズまで対応できるようになった。

 ダブルエンコーダーシステムを引き続き採用、給紙速度とプリント精度の向上によりLサイズフチ無しではMP600の約24秒から、MP610の約18秒に短縮した。また、イージースクロールホイールで操作するメニュー画面を、見やすく改良した。より直感的な操作が可能になったという。


プリント時間も短縮 複合機には「好評だった」というイージースクロールホイールも引き続き搭載

 自動写真補正も進化し、顔検出だけでなく撮影した写真のシーンを検出する機能を搭載した。これにより、人が好ましいと感じる色再現を考慮したという。「言わば店頭プリントでの、専門オペレーターによるチューニング作業が、プリンタで楽々行なえる」と自信を見せた。

 また、ランニングコストにも言及。「Lサイズを店頭でプリントすると(1枚当たり)約30円かかるが、新写真用紙『キヤノン写真用紙・光沢 ゴールド』を使用すればインクと用紙を合わせても店頭プリントの半額弱になる」と説明。「ホームプリントがさらに、身近なものになる」とメリットを訴えた。

 最後に清水氏は、「新PIXUSで心地よいホームプリント環境を提供する」と述べた。


撮影シーンを検出して補正を行なえるようになった 自動写真補正機能はカメラダイレクトやPCからも利用できる

従来モデルから小型化も図った 使用シーン。複合機はシルバーを用いて高級感と先進感を演出したという

PIXUS MP970 PIXUS MP970の操作部

PIXUS MP610 PIXUS MP520

PIXUS iP4500 PIXUS iP3500

PIXUS mini 360 SELPHY ES2

キヤノンマーケティングジャパン専務取締役でコンスーマーイメージングカンパニープレジデントの芦澤光二氏
 続いて、キヤノンマーケティングジャパン専務取締役でコンスーマーイメージングカンパニープレジデントの芦澤光二氏が販売戦略を説明した。

 芦澤氏はまず、写真プリントを取り巻く環境について話した。インクジェットと昇華型を合わせた本体の販売台数は、業界全体で2003年を100とした場合、2007年に102と、微増にとどまるとの予測を挙げ、「プリンタ本体に関しては、市場は成熟してきたと見ることができる」とした。

 一方、消耗品は業界全体で伸張しており、キヤノンは業界平均を上回る伸び率を示している。これは、「家庭でプリントする」という使用方法が定着してきたためという。


プリンタ本体と消耗品の動向 低ランニングコストをアピール

コミュニケーションパートナーは山田優さん、蒼井優さん、夏帆さん
 また、「Lサイズのプリント価格が20円を下回るとリーズナブルと感じてもらえる」との調査結果を提示し、「これが15円ということになると、お買い得と受け取られるようだ」とコスト面を強調した。

 プロモーション戦略では、コミュニケーションパートナーとして2006年に引き続き山田優さん、蒼井優さん、夏帆さんを採用。橘家3姉妹として、TV CMや雑誌広告などに登場する。

 シェアについてはインクジェットで48%以上、昇華型で80%以上とした。インクジェットと昇華型を合わせた家庭用プリンタでは、50%以上のシェア確保を目標とする。

 「写真の楽しみ方はさまざまだが、神髄はプリントと考えている」(芦澤氏)。「キヤノンは、デジタルフォトのインプットからアウトプットまで有している数少ないメーカー。写真文化を牽引して行きたいと願い、新しいことに挑戦していくことは使命であり誇りでもある。これからもユーザーの期待に応えていく」と語った。


会場では、さまざまプリントサンプルが展示された


URL
  キヤノン
  http://canon.jp/

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( 本誌:武石 修 )
2007/09/26 17:57
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