デジカメ Watch アワード
結果発表!「デジカメ Watch アワード 2025」
トップ3は僅差での接戦に
2025年12月31日 12:00
今年発売されたデジタルカメラから読者の皆さんに投票いただく「デジカメ Watch アワード 2025」の結果を発表いたします。総投票数は839件・2,513票でした(受付期間:2025年12月11日~12月25日)。ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。この場をかりて厚く御礼申し上げます。
1位:ソニー α7 V(245票)
12月に登場したばかりの「α7 V」が、本アワードの頂点に輝きました。フルサイズミラーレスカメラのベーシックを再定義する(Redefine basic)として、前モデルの「α7 IV」から4年ぶりとなるアップデートを果たしたカメラです。
近年ソニーが熱量を込めて発信している“AI”に関するトピックに、α7 Vでは大きな刷新がありました。2022年発売の「α7R V」から上位モデルを中心に、主に被写体認識をはじめとしたAF性能に利するAIプロセッシングユニットという個別のデバイスを搭載しています。しかしα7 Vではそれを画像処理エンジンに統合する形とすることで、AIを活用した高性能なAFと、省電力・高演算・高速性能の両立させました。さらに注目なのは、ディープラーニングによりAWBも大幅に強化したという点です。
思い返すと昨年の「デジカメ Watch アワード 2024」でもα9 IIIで1位を受賞していたソニー。2連覇となりました。“再定義したベーシック”を中心に、ソニーが来年はどんな展開を見せるのか。V3のかかる同社の動向から2026年も目が離せません。
2位:リコーイメージング RICOH GR IV(237票)
1位のα7 Vが4年ぶりなら、こちらは“6年ぶり”でした。最強のスナップシューターとして愛されるシリーズの新モデル、リコーイメージングのRICOH GR IVが2位となりました。
コンパクトなレンズ一体型カメラとしてすでに完成度が高かった前モデルのGR IIIから、イメージセンサーや画像処理エンジン、さらにはレンズなども刷新して“正統進化”を果たしました。速写のコンセプトをしっかりと受け継ぎながら、より高画質を追求しています。
リコーイメージングとしては、昨年のPENTAX 17に続き“2年連続2位”となりました。大型モデル投入の動きは多くないものの、話題性のあるカメラをリリースしています。来年はGR IVの“Monochrome”と“HDF”が登場予定です。
3位:ニコン Z5II(233票)
ニコンZシリーズの“ローエンド”モデルとなるZ5IIが、3位の座を得て表彰台に上りました。ローエンドと称したものの、それはZシリーズのフルサイズラインアップにおいては下位モデルに位置づけられるからというだけで、前モデルのZ5から大きく性能向上を果たした点は印象的でした。
実際にその撮影性能は必要十分以上にあり、また価格とのバランスの良さからコストパフォーマンスの面で高い評価を受けたように思います。カメラの高性能化に伴って、高価格化しがちなミラーレスカメラ市場において、ユーザーに希望を与えた1台だったといえるかもしれません。
2025年振り返り:各社が考える“標準”とは?
ご覧のように、上位3機種は僅差での決着となりました。2025年は飛びぬけて支持を得たモデルがなく、良い競争が繰り広げられていたのだなというのが今回の投票結果から垣間見られたように思います。
とくに「ベーシック」や「スタンダード」といったキーワードを、この1年間で各社からよく耳にしました。1位を獲得したα7 Vや、3位のZ5II、惜しくも表彰台を逃しましたがキヤノンのEOS R6 Mark IIIといったモデルが次々に登場したのは印象的でした。メーカーが定義する“標準”に改めて目を向け比較してみると、業界のイマが見えてきて面白いかもしれません。
2位のGR IVに代表されるような、高性能なレンズ一体型カメラが相次いで市場に投入されたのも今年の特徴的な動きでした。ソニーのRX1R IIIや富士フイルムのGFX100RFは、とくに高級なモデルとして話題を集めたことは記憶に新しいところです。ハーフフィルムカメラのように撮影できるX halfも、そのコンセプトの斬新さから大きな反響を呼びました。
Sigma BFの登場も目を引きました。シンプルな外観でモノとしての美しさを際立たせたこのカメラは、CP+2025で最も長い行列を生んでいたことを思い出します。また“洗練された美しいデザイン”をアピールしたOMデジタルソリューションズのOM SYSTEM OM-3も、フィルム一眼レフカメラ時代のクラシックな設計思想を継承したモデルとして注目されました。
近年さらに盛り上がりを見せる“動画の話”も要チェックです。惜しくも表彰台は逃したものの、ニコン ZRの登場はとても大きな盛り上がりとなりました。またパナソニックが6月に発売したLUMIX S1RIIのような、ハイレベルな動画性能を盛り込んだカメラの存在も見逃せません。S1RIIはオープンゲート方式の6.4K撮影を可能としたほか、電子手ブレ補正機能の一種であるクロップレスモードなど、動画撮影をサポートする特徴的な機能を搭載しました。静止画+動画のハイブリッドをどう考えるのか、2026年も各社の動向を注視していきましょう。
と、いうわけで2025年も終わりを告げようとしていますが、皆さんの心に残ったカメラは何でしたか? 来年もまた新しい出会いに期待しましょう。
























