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グリップレスボディにフラッグシップ譲りの機能を盛り込んだ「OM SYSTEM OM-3」

PEN-Fの“クリエイティブダイヤル”が復活

OMデジタルソリューションズ株式会社は、ミラーレスカメラ「OM SYSTEM OM-3」(以下、OM-3)を3月1日(土)に発売する。価格はオープン。市場想定価格はボディ単体が26万4,000円、「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-45mm F4.0 PRO」を同梱したレンズキットが29万7,000円。

フラッグシップ譲りの高い撮影性能を搭載したというマイクロフォーサーズカメラ。「OM-1 Mark II」に匹敵する機能を持ちながら、フィルム一眼レフカメラ「OLYMPUS OM-1」の設計思想を継承したというそのデザインも特徴。

グリップを廃したボディに、各種ダイヤル形状など“洗練された美しいデザイン”をアピール。しかしその一方で、マグネシウム合金のボディ各所にシーリング部材を配しており、OM-1 Mark IIと同等となるIP53相当の防塵防水性能も備えた。街中だけではないアウトドアフィールドでの活用も想定したモデルとしている。

左が「OM SYSTEM OM-3」、右がフィルムカメラの「OLYMPUS OM-1」

フラッグシップと同等の撮影機能

有効約2,037万画素の裏面照射積層型Live MOSセンサーと、画像処理エンジンTruePic Xの組み合わせもOM-1 Mark IIと同じ。画質、AF性能において両機に差はないという。

カメラ内で画像の合成処理などする「コンピュテーショナルフォトグラフィ」機能に、ワンタッチでアクセスできるボタン(CPボタン)を同社製カメラとして初めて備えた。利用できるのは「三脚ハイレゾショット」「手持ちハイレゾショット」「ライブND撮影(ND 2-64)「ライブGND撮影(GND 2-8)「深度合成撮影」「HDR撮影(HDR1/2)」「多重露出撮影」。

OM-3の特徴のひとつが、ボディの前面に備えたクリエイティブダイヤル。このダイヤル操作により「カラープロファイルコントロール」「モノクロプロファイルコントロール」「アートフィルター」「カラークリエーター」といった色味などの調整機能にすぐにアクセスできる。このダイヤルはミラーレスカメラの「OLYMPUS PEN-F」や「OLYMPUS PEN E-P7」から継承した。

カラープロファイルコントロール
モノクロプロファイルコントロール
クリエイティブダイヤル

OM-1 Mark IIとの主な違いは連写性能。メカシャッターで約10コマ/秒としていたところ、OM-3は約6コマ/秒となっている。AF/AE固定で最高約120コマ/秒、AF/AE追従で約50コマ/秒の高速連写に対応する点は同じ(対応レンズに制限あり)。

またボディ内手ブレ補正も、OM-1 Mark IIの8段分に対し、OM-3は中央6.5段分・周辺5.5段分の補正効果となった。対応レンズとのシンクロ手ブレ補正も利用できる。

同社によると、OM-1 Mark IIを「撮りたい被写体の決定的瞬間を撮りたい人のためのカメラ」とした場合、OM-3については「写真表現をイチから作っていく趣味趣向の強いカメラ」という位置づけになるという。

動画機能

動画は最大C4K(4,096×2,160) 60p記録に対応。環境温度40℃でも約30分の動画撮影が可能なほか、同25℃の場合は熱停止の心配なく撮影できるとしている。

また動画専用のピクチャーモード「OM-Cinema1」と「OM-Cinema2」を新たに搭載。映画のような味わいの映像を手軽に撮影可能という。

このほか縦位置動画にも対応する。

AF性能ほか

AI被写体認識AFに対応。認識対象は人物、モータスポーツ、飛行機、鉄道、鳥、動物(犬・猫)。

プロキャプチャー撮影機能も搭載。シャッターボタン全押しから最大70コマさかのぼって記録できる。

背面モニターは3.0型・約162万ドットのバリアングル式。EVFは約236万ドットのOLED。

対応バッテリーは「BLX-1」でOM-1 Mark IIと同じ。撮影可能コマ数は標準で約590枚、低消費電力撮影モードで約1,040枚。

外形寸法は約139.3×88.9×45.8mm。質量は413g(本体のみ)。

また、カメラと同じく3月1日(土)に発売するワイヤレスリモコン「RM-WR2」に対応する。通信可能範囲はボディから10m以内で、IP57相当の防塵・防水性能をもっている。希望小売価格は1万2,650円。

本誌:宮本義朗