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4年ぶりに刷新のフルサイズベーシック「α7 V」
“AI×SPEED”の新コアデバイスをαで初搭載
2025年12月2日 23:03
ソニーは、フルサイズミラーレスカメラ「α7 V」を12月19日(金)に発売する。市場推定価格は約42万円前後。「FE 28-70mm F3.5-5.6 OSS II」を同梱するレンズキットも2026年春以降に発売する予定としている。
αシリーズのフルサイズミラーレスカメラにおける“ベーシック”に位置づけられるモデル。2021年発売の前モデル「α7 IV」から4年を経て登場した後継機となる。キーワードを「Redefine basic」(ベーシックを再定義する)とした。
「AI×SPEED」を支えるコアデバイス
カメラのコンセプトとして打ち出されたのは「AI×SPEED」。それを実現するイメージセンサーと画像処理エンジンには、ともにαとして初めてのデバイスを採用した。
イメージセンサーには、α初の部分積層型CMOS「Exmor RS」を搭載。画素数は有効約3,300万画素で前モデルと同じだが、α7 IVの裏面照射型から部分積層型となったことで読み出し速度が向上。新モデルでは最高約30コマ/秒のブラックアウトフリー連写に対応した。この連写機能に関しては、積層型CMOSセンサーを採用した上位モデル「α1 II」に匹敵する。
画像処理エンジンは「BIONZ XR2」。これまでαの一部のモデルに単独のデバイスとして搭載していたAIプロセッシングユニットを、画像処理エンジンとして1チップに統合した点が特徴。これによりAIを活用した高性能なAFと、省電力・高演算・高速性能の両立を実現したという。AF/AEの演算速度は60回/秒としている。
ちなみにAIプロセッシングユニットはディープラーニングを含むAI処理による高度な被写体認識を可能としたデバイスで、2022年発売の「α7R V」で初めて採用された。採用モデルにはこのほかα1 II、α9 III、α7C II、α7CR、α6700がある。2021年発売の「α7 IV」には非搭載だったため、今回のα7 Vでベーシックラインにも初めて採用されたことになる。
人物認識においては瞳と顔をはじめ、姿勢推定技術を活用した頭部および胴体の認識に対応。被写体認識モードにはオート、人物、動物、鳥、車/列車、飛行機、昆虫が含まれる。
α7 IVからの変更点
新しいイメージセンサーにより、αで初めて16ストップのダイナミックレンジを実現。15ストップのデータと比較するとおよそ2倍の階調が得られるとしている。
イメージセンサーと画像処理エンジンの組み合わせで、AWBの精度も向上。これまで有彩色や暗所で光源推定が難しかったようなシーンでも、AIのディープラーニングを活用した正確な光源推定が可能になった。
上位モデル「α1 II」にも採用されたコンポジットRAW撮影に対応。複数のRAW画像から1枚の画像を生成する機能で、PCを介してImaging Edge上で処理をする。
またこれに対して、1枚のRAW画像から高解像な画像を生成する「エクステンデッドRAW撮影」機能をαシリーズで初めて搭載した。複数枚を処理するコンポジットRAWよりも、動きのある被写体に有効としており、同じようにImaging Edgeから利用する。ディープラーニングを活用した画像処理で、ノイズを低減しながらディテールを精細に描写できるようになるという。
先述した通り、最高約30/コマ秒のブラックアウトフリー撮影に対応。さらにこれは14bitのRAW記録においてもこの速度での撮影が可能としている。
また上位モデルと同等のプリ撮影機能を搭載。シャッターボタンを押す前の0.03~1.0秒までを遡って記録できる。
α1 IIとα9 IIIに採用された連写ブースト設定も備えた。設定したボタンを押している間だけ連写速度が上がる(ブーストする)機能。α7 Vでは任意のカスタムボタンにアサインして利用する。
ボディ内手ブレ補正の補正効果は、前モデルの5.5段から中央7.5段に向上した。
動画撮影においては、最大4K120p記録(Super 35mmフォーマット)に対応。また、4K60pに関してはフルフレームでの記録も可能となった。前モデルでは最大4K60pで、しかもSuper 35mm相当にクロップされる設定となっていた。
外観上の特徴としては、前モデルでバリアングル式だった背面モニターが4軸チルト式に変更された。サイズも3型.103.7万ドットから3.2型・209.5万ドットへと向上している。カメラ本体の外形寸法は新モデルと前モデルでほぼ変わらないが、モニターを仕様変更した分だけ若干厚みが増しているという。
重量はバッテリー、メモリーカード含めて約695g。前モデルは同約658g。
静止画撮影可能枚数は、EVF時で約630枚、背面モニター時で約750枚。前モデルはEVFで約520枚、背面モニターで約750枚だった。
メモリーカードスロットはCFexpress Type AとSD UHS-IIのデュアルタイプで前モデルと同じ。
インターフェースにはUSB Type-C×2ポートを搭載した。これは前モデルのUSB Type-C・microUSBからの変更点となっている。
グリップ形状も改善しており、右手人差し指がかかる部分と、中指が触れる部分の傾斜角を再設計。握ったときの安定性が向上したとしている。












