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アルミユニボディのミラーレスカメラ「Sigma BF」詳報

既報の通り、シグマは2月24日(月・祝)に新型ミラーレスカメラ「Sigma BF」を発表した。ここでは同日シグマ本社で行われた発表会で撮影した実機を中心にお伝えする。

海外からも多くの来場者があった

大きなボタンが印象的なシンプルデザイン

Sigma BFは35mmフルサイズセンサーを搭載するLマウントのミラーレスカメラ。発売は4月で、参考価格は38万5,000円となっている。

シグマ代表の山木和人氏によると、「BFは小さくシンプル。クリエイティブのための日常使いに最適なカメラ。スマートフォンが撮影デバイスの主流になる中、カメラの存在意義を追求した製品」と紹介した。

ステージでSigma BFを披露するシグマ代表の山木和人氏
会津工場製という点もアピールしていた

カメラの原点である暗箱「カメラオブスキュラ」に立ち返ったというほどシンプルさを重視したとのことで、現代のカメラはフィルム時代のインターフェースを踏襲しており、機能の追加で煩雑になっているのが問題だとした。今回、少ないボタンや直感的なメニュー構造など「徹底的な単純化」(山木氏)を行うことで、使いやすいカメラを目指したという。

なお「BF」という名称の由来についてはいまのところ非公開としている。

ブラックとシルバーの2色展開
側面はUSB Type-C端子のみとシンプル
反対側はストラップホールのみだ
上面操作部材はシャッターボタンだけ
ボタンそれぞれが大きいのが印象的

有効画素数は約2,460万画素。SIGMA fpシリーズに無かった像面位相差センサーを搭載しておりAF性能が向上している。イメージセンサーはベイヤータイプでFoveonセンサーではない。35mmフルサイズのFoveonセンサーについては「引き続き開発プロジェクトが進行中」とのこと。

レンズを外したところ
底面は三脚穴とバッテリーリリースレバーなどがある
バッテリーは新型のBP-81で、バッテリーが本体のフタを兼ねるタイプ。本体充電が可能
オプションで充電器も用意する
ボディはアルミの塊から削り出すユニボディを採用。削るのに7時間以上かかるという
手に持ったところ。アルミ削り出しボディということでひんやりとした感触があった
元のアルミの塊
加工が進んだもの
さらに加工したもの
パーツの形になったもの
ボディキャップは本体の形状に合わせたデザインを採用

刷新されたメニュー体系

UIもかなりこだわった部分とプレゼンで紹介された。デフォルトの撮影状態は画面にパラーメーターなどは表示しないクリーンなもので、撮影に集中できるようにしたという。

メニューはデュアルレイヤーと呼ばれる方式で、撮影パラメーターなどはその都度メインメニューとして表示する。

メインメニューを表示したところ。露出補正が選択されており、右上の表示パネルにも数値が出ている

メインメニューではシャッター速度や絞り値はあらかじめ選ばれているものをダイレクトにホイールで調整できる。絞り優先といったモードは搭載せず、シャッター速度、絞り値、ISO感度それぞれをマニュアルかオートに設定することで各モードを実現する。シャッタースピードをオートにすると絞り優先の使い方になる。全てマニュアルにするとマニュアルモードと同じになる。

オプションメニューではメインメニューに出ていた項目のさらに細かい設定が可能となる。また普段は変更しないような設定はシステムメニューとして別にまとめられている。

メインメニューでISO感度を選ぶとそれに関連するオプションメニューが出てくる
約8コマ/秒の連写も可能
DNG記録にも対応する
水準器も搭載していた

動画は最高6K30P記録が可能。ただし、SIGMA fpシリーズにあったシネマDNG記録は省略されている。また、fpでは外部ストレージに記録する機能があったがこれも省略となった。撮影後にストレージを繋いでファイルを転送することは可能となっている。

6K30P記録はH.265モードでのみ対応
システムメニューの一部
Sigma BFは記録メディアに対応しておらず230GBの内蔵メモリーに記録する

なお、今回新しくカラーモードに「リッチ」と「カーム」が追加された。リッチは色鮮やかにインパクトのある写真を記録できる。またカームはサイドを抑えた落ち着きのある絵作りで、ポートレートなどにも向くとのこと。

カラーモードのリッチを選択したところ
リッチを適用
同じくこちらはカーム

SIGMA fpとの比較

SIGMA fpからヒートシンクなどを省くことで薄型化を実現している。一方で幅は増している。

Iシリーズにシルバーが登場

Sigma BFのシルバーにあわせる形で交換レンズの「Iシリーズ」にシルバーカラーが追加される。

シルバーカラーのIシリーズ
表面はSigma BF同様マットな質感だ
鏡胴は白抜きのフォントになっていた

1981年生まれ。2006年からインプレスのニュースサイト「デジカメ Watch」の編集者として、カメラ・写真業界の取材や機材レビューの執筆などを行う。2018年からフリー。