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ニコン、Z 9の機能を凝縮したフルサイズミラーレスカメラ「Z 8」

ファインダーも同等 約430g軽量に

ニコンは、ミラーレスカメラ「Z 8」を5月26日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格は税込60万円前後。

フラッグシップ機Z 9の基本性能を継承しつつ体積比で約30%小型化したモデル。小型軽量化したことで、機動性が高まり動画撮影などのオペレーション効率化を実現。そのほか風景や野鳥、飛行機、ウェディングなどの幅広い撮影シーンに訴求する。

Nikon Z 8 Product Tour | READY.ACTION. | ニコン

Z 9の基本性能を継承

Z 9同等の機能・性能が特徴。有効約4,571万画素(総画素数5,237万画素)の積層型ニコンFXフォーマットCMOSセンサー(35.9×23.9mm)を搭載。3,000万画素以上のミラーレスカメラで世界最速のスキャンレートを持ち合わせており、ローリングシャッターの歪みを最小限に抑制。シャッターの耐久回数を気にせず使用できるメカシャッターレス構造になっている。

画像処理エンジンもZ 9同様にEXPEED 7を搭載。撮像範囲の長辺約3%の小ささの顔まで検出でき、遠くから近づいてくる人物の動画撮影などに有効だとしている。

ファインダー(EVF)もZ 9同様「Real-LiveViewfinder」を採用。表示解像度は約369万ドット。ブラックアウトしないだけではなく、連写中における同一画像のリピートや表示飛びがない点を強調している。

そのほか、AF面では被写体検出や3D-トラッキング、カスタムワイドエリアAFも引き続き搭載。被写体検出機能には従来通りの人、動物、乗り物モードに加えて、新たに「飛行機」が追加された。旅客機のほか軍用機の検出も可能だという。近距離・遠距離問わず夜間でも追尾性能を発揮できるとしている。

シャッター速度は1/32,000秒〜30秒(撮影モードMで900秒まで)。ストロボは1/250秒(GN減少)または1/200秒以下で同調。感度はISO 64-25600(拡張でISO 32相当までの減感、ISO 102400相当までの増感が可能)。

バッテリーはボディ小型化に伴い、Z 7IIやD850などと同じEN-EL15cを採用。別売りのパワーバッテリーパック MB-N12も用意。EN-EL15cを2つ装填することでバッテリー寿命を1.8倍に延長できるという。ホットスワップに対応しており、撮影を継続しながらバッテリー交換が可能。バッテリー2本のうち1本のバッテリー残量がある限り給電を継続する。なおZ 9に採用されているEN-EL18d(D6などでも採用)はバッテリーパックを付けても使用できない。

パワーバッテリーパック MB-N12
装着例

動画機能

4K UHD 60pでは最大125分、8K UHD 30pでは最大90分の長時間撮影が可能。手ブレ補正はボディ内VR、シンクロVR(対応レンズのVRと協調)のほかに、電子手ブレ補正も利用できる。

12bit RAWと10bit ProRes 422 HQのカメラ内記録にも対応。そのほか4K UHDでは8Kオーバーサンプリングでの記録を行い、単焦点レンズ使用時でも画質の劣化なしにズームが可能になる「ハイレゾズーム」も備えている。

新たに追加された機能

JPEGやRAWのほかにHEIFに対応。10bitのHLGガンマにより夕焼けの階調や照明の輝度が高い場合などでも階調を保持できるという。

そのほか、美肌効果機能を搭載。人の顔を検出して目や髪の毛などのディティールを保持したまま、肌が滑らかになるように自動的に補正する機能。動画や静止画ともに利用可能。

ホワイトバランスでは、Z 9のAWBをさらに改良。静止画や動画で人物を撮影する際、輝度が高く色温度が低い環境下でも色被りを抑えているという。人物の色相や明るさのバランス調整が簡単になる「人物印象調整」機能や、アンバー・ブルー軸でのホワイトバランスの微調整機能も追加された。

そのほかの仕様

背面モニターもZ 9同様の縦横4軸チルトに対応。タッチパネル式で、表示スペックは3.2型・約210万ドット。縦位置撮影時は、露出設定などの表示も縦位置用に切り替わる。

ボディ素材は前面カバーにはマグネシウム合金、背面カバーと上面カバーには新素材の「Sereebo Pシリーズ」(帝人株式会社製)を採用。新素材はマグネシウム合金同等の強度を持ち、ボディ全体で高い耐衝撃性を確保しているという。ボディ各所にはシーリングが施されており、D850同等という防塵防滴性能を有している(Z 9はD6同等)。

センサー表面には導電コートを採用しダスト付着を軽減。また設定により動作する「センサーシールド」を搭載。センサーシールドは電源オフの際にシャッター羽根のようにセンサー部分を保護し、ホコリの侵入を防ぐ。

センサーシールド

USB Type-C端子は通信用と充給電用の2つを用意。他の機器と通信しながら給電が可能になった。Z 9に搭載されていた1000BASE-T有線LANポートは省略されたが、通信用USB Type-C端子を通じてLAN接続は可能だという。

通信機能は、Wi-Fi機能(2.4GHz/5GHz)、Bluetoothに対応。記録メディアはCFexpress TypeBとSDカードのダブルスロット。

外形寸法は144×118.5×83mm。質量は約910g(バッテリー及びメモリーカードを含む)、約810g(本体のみ)。なおZ 9は同約149×149.5×90.5mm・約1,340g/約1,160g。

レンズ装着例
NIKKOR Z 24-70mm f/2.8 S
NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S
NIKKOR Z 35mm f/1.8 S
NIKKOR Z 85mm f/1.2 S
NIKKOR Z 400mm f/2.8 TC VR S
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S
【スチル目線】ニコン Z 8 速報トーク(デジカメ Watch Channel)
本誌:佐藤拓