私はこれを買いました!

星空動画が撮影できるミラーレスカメラ

ニコン Z8(茂手木秀行)

カスタムメニュー・動画からシャッタースピード延長を選ぶと動画撮影でも1/4秒まで使えるようになります。加えて超高感度も低ノイズ。日中から星空まで。静止画も動画も、これ1台でなんでも撮れちゃう凄いヤツってことで1番のお気に入りです

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2024年に購入したアイテムを1つだけ紹介していただきました。(編集部)

動画のクオリティアップを目的に

Z8購入の1番の動機は動画なんですよね。今や多くのカメラマンが動画撮影の仕事もしていると思うけど、動画の画質をより上げて行きたいというのが理由です。

ご存知の通りZ8の動画の特徴は8K RAW動画。正直8K RAW動画を使う機会は少ないんだけど、8K解像度はより小さいサイズでも活きてくるので、無駄にはならないんだ。依頼仕事の現実はほとんどがFHDでの納品ですが、撮影は4Kもしくは8Kで行って編集、FHDで書き出し納品にするんだけど、オーバーサンプリングってことになるので、同じFHDでも解像力が違ってくるのですよ。

まあ、そこはさておき実際に運用を始めてみると、静止画はもちろん動画での高感度性能も素晴らしいのです。ISO 25600、1/4秒にすると動画で星も写ります。動画で星景撮影とういうのはなかなかに新鮮なんですが、そのままライブビューを拡大すると星雲や星団もよく見えて天体観測もできちゃったりします。撮影よりもこっちの方が楽しかったり。笑みが溢れますなあ。24mmから50mmくらいのレンズをつけておくとちょうど双眼鏡で覗いたような星空を楽しめます。

さて、ニコンのフラッグシップ機はZ9ですが、Z8よりさらにハイスペック。動画では8K動画の連続撮影時間が違ったりしますが、僕個人としてはあまり大きな違いと感じていません。Z8購入にあたってはZ9は比較対象ではありませんでした。それは大きさ。Z8も決して小さい部類ではありませんが、僕の使い方では大きすぎるんですね。

静止画星景写真では小型赤道儀に乗せるし、動画ではジンバルやアームに乗せる。このとき大きいカメラはいろいろ不都合なのです。特に縦方向に大きいとジンバルでも赤道儀でもバランスを取りにくくなってしまうんです。これ、動きの精度やスムーズさのために大事なポイントなんだよね。

さらに小さな高画素モデル待ってます〜。よろしくお願いしますニコンさん!

登り始めたオリオン座。大自然の中の星景写真もいいけど、こういう日常風景の中の星景も好きなんですよ。特に電線が好き。家をふらっとでかけて見上げた夜空に季節を感じるんですな
ニコンZ8/NIKKOR Z 40mm f/2/マニュアル露出(10秒・F2.0)/ISO 1600

近況報告

やっと晴れ間が続くようになったので、晴れていれば夜な夜な星景撮影に出かけてます。引き続き来年もニコンカレッジで星景写真を担当しているので、Z8の画質、見に来てね。

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。またドローンでの撮影や、国家資格の審査員も行なっている。コロナ禍の影響で拠点を九十九里に移してから、ネット通販、特にAmazonの利用機会が増加。ちょっとくらい評価が悪くても買ってしまう“密林の探索者”を自認している。