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ライカ、「ライカM8」の発表会を東京で開催


 ライカカメラジャパンは10日、東京の同社直営ショウルームであるライカ銀座店で、ライカM8をはじめとするデジタルカメラ新製品の発表会を開催した。

 発表会では独Leica ディビジョンマネージャー・プロダクトマネージメントのステファン・ダニエル氏が新製品の概要を説明した。既報のとおりM8は銀塩カメラのM7とほぼ同じ寸法のボディに、米Kodak ISSと共同開発した有効1,030万画素CCDを搭載したレンジファインダーデジタルカメラ。Mマウントを搭載し、同社が発売したMマウントレンズのほとんどを装着できる。


独Leica ディビジョンマネージャー・プロダクトマネージメントのステファン・ダニエル氏
発表会が行なわれたライカ銀座店

M7などとほぼ同じ大きさを維持
ブラックモデル

USBポート
シャッタースピードダイヤル周辺。中間速のポジションもある

電池残量とメモリカードの空き容量を表すモノクロ液晶モニター
バッテリーとメモリカードスロットには底蓋を外してアクセスする

独自形状のバッテリー

初の“プロ向け”レンジファインダーデジタルカメラ

M8のマウントからCCDを覗く
 同氏はM8を「初のプロ向けレンジファインダーデジタルカメラ」と紹介し、そのコンセプトを「Mシステムの特性を継続すること。従来のMとの違いはデジタルであることだけ」とし、Mシステムについては「カメラの特徴ではなく、撮影者の技術に重点を置いたカメラ」とした。

 また、「バックフォーカスが短かく周辺光量落ちが起きやすいレンジファインダーカメラのデジタル化は不可能と長年思われてきたが、Kodak ISSと共同で開発したセンサーでその問題を解決した」と述べた。その方法は、CCD周辺部のマイクロレンズをシフトし、極めて薄いカバーグラスを採用したことで周辺部の集光効率を上げたこととした。

 搭載されるCCDの撮像面の大きさは27×18mmで、35mm判換算時にはレンズ表記の焦点距離に対し1.33倍相当の画角になる。このCCDサイズについては「Mシステムでセンサーのサイズをもっとも大きくすると、この大きさになった」と述べた。


Kodak ISSと共同開発したCCD
周辺部のマイクロレンズをシフト

 M8と同時に発売されたレンズ「エルマリートM 28mm F2.8 ASPH.」、「トリ・エルマーM 16-18-21mm F4 ASPH.」は、いずれも焦点距離が1.33倍に伸びることを考慮した製品だが、もちろん銀塩のMシステムでも利用できる。

 このほかメニュー構成を極力シンプルにするなど、操作性にも配慮されている。2.5型液晶モニターやメニュー操作用のボタン、ダイヤルなどが新設され、フィルムの巻き上げレバーや巻き戻しクランクこそないものの、そのほかの操作部材や外観、形状は従来のM型ライカを踏襲している。組み立ては独ゾルムスの工場で、手作業で行なわれるという。


シンプルなメニュー画面
感度や露出補正など、頻繁に操作する項目はSETボタンを押すと表示される

再生時にはデータを表示することもできる
右手の十字キーの周囲にはダイヤルがあり、メニュー項目の選択や再生画像の拡大縮小に使える

6bitコードの扱う情報は

6bitコードの付いたエルマリートM 28mm。マウント部右下のスリットが、6bitコードの読み取りセンサー
 M8での大きな変更点のひとつは、レンズに6bitコードと呼ばれるバーコードが着いたこと。マウント部に設けられたセンサーがこのコードを読み、ボディにレンズ情報を渡す。この際に渡される情報は「レンズの種別」で、これをもとに周辺光量の補正が行なわれるほか、外付けストロボのパワーズームの制御にも使われるという。また、たとえば同じ名前のレンズでも年代によって補正の仕方が異なるものもあるため、年代の違いも認識するという。

 なお、これも既報どおりだが、6bitコードが付いていないレンズには13,000円でコードを付加することができる。ただし、ホロゴン 15mm F8、ズミクロン 50mm(デュアルレンジ)、エルマー 90mm(沈胴)はコードを付けることができない。

 さらに、アダプターを介してLレンズを装着したり、6bitコードのないレンズを装着する場合は、メニューから「レンズ検出」をOFFにすれば使える。

 また、軍艦部のLeicaのエンブレムの向かって左上に測光窓が新設された。これは、レンズを通した測光では絞込み測光時に光量が少なくなり、プリフラッシュが過大に設定されてしまう問題を解決するためのものとのこと。レンズを通さない測光により、補正するという。

 最後に、話題を呼んだ「M8」という製品名だが、「M7とMPは継続して販売されるし、銀塩Mシステムの新製品の可能性もある」と、Mシステムがデジタルに完全移行することを意味するのではないと強調した。


Leicaエンブレムの左上に新設された測光窓
M8と同時発表のトリ・エルマーM 16-18-21mm F4 ASPH.とワイドアングルビューファインダー

DIGILUXなどにはLeica独自の絵作り

DIGILUX 3
 M8と同時に発表されたデジタルカメラ3製品「DIGILUX 3」、「V-LUX 1」、「D-LUX 3」についても説明された。いずれもパナソニックと「共同開発された製品」(ダニエル氏)だが、Leica独自のファームウェアを搭載し、「ライカイメージプロファイル」と呼ばれる独自の絵作りが施され、同社の厳しい品質管理が適用されるという。

 とくにフォーサーズ準拠のレンズ交換式デジタルカメラであるDIGILUX 3は、M、Rに続く3本目の製品ライン「Dシステム」と位置づけられている。ダニエル氏は2004年に発売されたDIGILUX 2の流れを汲む製品と説明し、「DIGILUX 2はセールスが好調で、デジタルカメラとしては珍しくリセールバリュー(中古価格)も高い」とその実績をアピール。ボディ上面のシャッタースピードダイヤルとレンズ鏡胴の絞り環によるアナログカメラライクな操作が高く評価された一方で、「ここまでやるならなぜレンズを交換できるようにしなかったの?」という市場の要請があったとした。

 Dシステム用には、Rシステムのレンズを装着するためのアダプターを同社が生産して、販売する予定もあるという。

 このほか、Leicaのマーケティング&セールスプレジデントであるラルフ・ネーベ氏がLeicaの販売戦略などを説明。同社は「財政的に危険な時期もあったが、現在は急激な回復基調にあり、製品のラインナップを整えられるようになった。アナログの世界で持っていたLeicaの強みを、途切れることなくデジタルの世界に移入できた。販売路の再構築も行なっている」とした。


V-LUX 1
D-LUX 3

ワイド液晶が搭載されたD-LUX 3。ちなみにDIGILUX、V-LUX、D-LUXは電源OFF時にLeicaマークが液晶モニターに表示されるが、M8にはこのギミックがない
左下からDIGILUX 1、DIGILUX 2、DIGILUX 3

Leicaのラインナップ
銀座に続く直営ショールーム2号店はベルリン

日独米英仏伊で同時に行なわれる広告キャンペーン「my Leica」


URL
  Leica
  http://www.leica-camera.us/news/

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【Photokina 2008】
ライカM8に触ってきました(2006/09/28)



( 本誌:田中 真一郎 )
2006/10/10 19:34
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