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μTOUGH-8000
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オリンパスは12日、平成21年3月期(2008年4月1日~2009年3月31日)の連結業績を発表した。
売上高は、医療事業が堅調な推移を見せたが下半期における景気悪化や円高の進行により9,808億300万円(前年同期比13.1%減、以下同)。営業利益は為替および映像事業の減収に加え、2008年2月に子会社化した英医療機器メーカージャイラス社との経営統合などの費用が増加し345億8,700万円(69.3%減)。純損失は1,148億1,000万円(前年度は579億6,900万円の黒字)。
映像事業は売上高2,244億6,000万円(30%減)、営業損失51億3,100万円(前年度は330億8,600万円の黒字)。デジタルカメラ分野では、防水、防塵、耐衝撃、耐荷重、耐寒性能を備えたコンパクトデジタルカメラ「μTOUGH」シリーズが堅調に推移した。デジタル一眼レフカメラでは、アートフィルターを搭載した「E-30」と「E-620」を投入したものの、為替の影響や世界的な景気悪化による需要低下を受け販売台数が低迷。減収となった。営業損失については、販管費や在庫の削減を図るも、販売台数減や単価下落をカバーできなかったのが要因。
デジタルカメラの出荷台数は1,000万台(3%増)で、台数ベースのシェアは9%(前年度は11%)だった。2009年度通期では、出荷台数で1,030万台(3%増)を見込む。シェアは9%の見通し。
医療事業は売上高3,838億2,800万円(8.7%増)、営業利益は750億4,300万円(23.8%減)。医療用内視鏡分野は、国内外ともにハイビジョン対応のビデオスコープが堅調だったが、為替の影響で減収となった。外科や内視鏡処置具分野では、内視鏡統合ビデオシステムやガイドワイヤーなどが売上を伸ばした。さらに、ジャイラス社の売上が加わり、分野全体では増収だった。
ライフサイエンス事業は売上高1,188億1,900万円(9.6%減)、営業利益47億6,000万円(31.9%減)。顕微鏡分野では、生物顕微鏡における教育実習用モデルや共焦点レーザー走査型顕微鏡などの販売が好調だった一方、工業用顕微鏡は自動車や半導体関連の設備投資抑制により大幅な減収となった。臨床検査分野は欧米を中心に生化学自動分析装置の販売などが好調だったものの国内販売が不振で減収となった。
情報通信事業は売上高1,889億5,400万円(25.7%減)、営業利益9億700万円(69.8%減)。携帯電話販売において、買い換えサイクルの長期が進んだことや、端末需要の減少から減収となった。
その他事業は売上高647億4,200万円(6.5%減)、営業損失139億6,300万円(前年度は9億1,700万円の黒字)だった。
2009年度通期は、売上高9,000億円(8.2%減)、営業利益590億円(70.6%増)、純利益400億円と黒字転換を目指す。
映像事業では、マイクロフォーサーズ規格のレンズ交換式デジタル一眼カメラに注力する。また、新規事業として廃プラスチックの再処理事業、医療費削減支援事業、動物用医療などを手がけるという。
なお、当期の研究開発費は700億1,000万円(6.22%増)、設備投資費は556億3,200万円(11%増)だった。2009年度はそれぞれ590億円(15.7%減)、340億円(38.8%減)を想定している。
■ URL
オリンパス
http://www.olympus.co.jp/
決算情報
http://www.olympus.co.jp/jp/corc/ir/brief/2009/
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( 本誌:武石 修 )
2009/05/13 22:33
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