ソニー、裏面照射型センサー「Exmore R」を実用化

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ソニー、裏面照射型センサー「Exmore R」を実用化

～HDDハンディカムに搭載。GレンズやGPSも

製品化した裏面照射型CMOSセンサー「Exmore R」

　ソニーは、裏面照射型CMOSセンサー「Exmore R」を同社のデジタルビデオカメラ「ハンディカム」2機種で採用した。裏面照射型CMOSセンサーの製品化はソニーとして初めて。

　裏面照射型CMOSセンサーは、同社が2008年6月に開発発表した撮像素子。センサーの表面から光を照射していた従来のCMOSセンサーとは異なり、背面から光を入射させることで、センサー上の配線やトランジスタの影響を受けることなく、フォトダイオードに入る光の量を増大させることが可能。従来の表面照射型に比べ、約2倍の感度を実現した。画素配列は、独自のクリアビットを引き続き採用する。


Exmore Rでは、センサー上の回路部などの影響を受けないため、受光面積が広がった	裏面照射型CMOSセンサーでは、配線層などに入射光が遮られないため、従来に比べて2倍の高感度を実現した

Exmore Rは、特に低照度時の撮影でノイズが少なく、画質面で有利としている

　なお、デジタル一眼レフカメラ「α」とコンパクトデジタルカメラ「サイバーショット」へのExmore Rの採用について現時点では明らかにしていない。ただし、ソニーによるとExmore Rの搭載が適していると判断したデジタルカメラには、今後搭載する可能性があるという。今回、Exmore Rをデジタルビデオカメラに搭載した理由について、「特に暗所での撮影におけるノイズ低減などの観点から、ハンディカムへの採用が最適と判断したため」としている。

　製品化したのは1/2.88型で総画素数663万画素のタイプ。有効画素数は静止画撮影時で600万画素、動画撮影時で415万画素。同日発表のデジタルビデオカメラ「HDR-XR520V」と「同XR500V」に搭載した。ともに発売は2月20日。価格はオープンプライス。店頭予想価格はHDR-XR500Vが15万円前後、同XR500Vが13万円前後。


HDR-XR520V	HDR-XR500V

　いずれも、記録メディアにHDDを採用する。XR520VとXR500Vの主な機能の違いはHDDの容量で、XR520Vは240GB、XR500Vは120GBとなっている。また、本体色がXR520Vはブラック、XR500Vはシルバーを採用した。

　記録形式はAVCHD。1,080iのフルHD記録が可能。また、内蔵HDDおよびメモリースティックデュオ/PROデュオ、PRO-HGデュオに最大1,200万画素相当の静止画を記録することもできる。画像処理エンジンは「BIONZ」。

　レンズは独自のGレンズで、35mm判換算の焦点距離は43～516mm（16:9時）、F1.8～3.4の12倍ズーム。新開発の光学式手ブレ補正機構を盛り込み、広角側での手ブレ補正領域を従来の約10倍に高めた。

　Dレンジオプティマイザーや、動画撮影中に笑顔を検出して静止画を記録する「スマイルシャッター」機能が利用できる。また、動画および静止画に位置情報を記録できるGPS機能を世界で初めて搭載した。

　液晶モニターは92.1万ドットの3.2型ワイド。12.3万ドットの0.27型ワイドビューファインダーも備える。電源はリチウムイオン充電池。

　本体サイズは71×134×75mm（幅×奥行き×高さ）、重量はXR520Vが約510g、XR500Vが約500g。

■ ＵＲＬ
　ソニー
　 http://www.sony.co.jp/
　ニュースリリース
　 http://www.sony.jp/CorporateCruise/Press/200901/09-0115/
　製品情報
　 http://www.sony.jp/products/Consumer/handycam/PRODUCTS/HDR-XR500VXR520V/
　ソニー、感度約2倍でGPS/地図内蔵のHDDビデオカメラ（AV Watch）
　 http://av.watch.impress.co.jp/docs/20090115/sony1.htm

■ 関連記事
・変わりゆく「フォーマット優劣論」（2008/08/07）
・ソニー、感度が従来比2倍のデジカメ向けCMOSセンサー（2008/06/11）

（本誌：武石修）
2009/01/15 17:15

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