富士フイルムホールディングス株式会社は28日、2007年度連結決算(2007年4月1日~2008年3月31日)を発表した。これによると売上高は2兆8,468億2,800万円(前年度比2.3%増、以下カッコ内は同じ)、営業利益は2,073億4,200万円(83.4%増)、純利益は1,044億3,100万円(203.2%増)で、売上高と営業利益は過去最高となった。
増収の原動力は、フラットパネルディスプレイ材料などが好調なインフォメーションソリューション部門と、デジタル複合機が堅調なドキュメントソリューション部門。カラーフィルムやデジタルカメラを含むイメージングソリューション部門は減収となった。
イメージングソリューション部門は売上高5,471億円(9.6%減)、営業利益マイナス24億円。売上高では、市場縮小の影響を受けたカラーフィルムが前年度比27%減、大手取引先への導入が一巡したフォトフィニッシング機器が同22%減となった。デジタルカメラは販売台数が800万台超と伸長したが、北米の景気悪化や価格競争の影響を受けて3%減の売上高となった。カラーペーパーはお店プリントの増加とシェア拡大、フォトブックサービスなど新しいプリントサービスの強化により、1%増となった。営業利益は、開発、調達などの拠点集約をはじめとする構造改革と円安効果により、前年のマイナス426億円から大幅に赤字幅を縮小した。
インフォメーションソリューション部門は売上高1兆1,081億円(8%増)、営業利益1,274億円(33.9%増)。フラットパネルディスプレイ材料が前年比19%増となったほか、デジタルカメラ付き携帯電話用レンズユニット、医療機器、刷版材料の売上が伸びた。
ドキュメントソリューション部門は売上高1兆1,916億円(3.5%増)、営業利益967億円(41.6%増)。カラーデジタル複合機などの輸出が好調だった。
2008年度通期は売上高2兆9,000億円(1.9%増)、営業利益2,100億円(1.3%増)、純利益1,100億円(5.3%増)を見込む。米国経済の減速、円高の進行、材料費の高止まりなどから450億円のマイナス影響を予想するが、フラットパネルディスプレイ材料をはじめとする高機能材料、携帯電話向けなどのレンズユニット、刷版事業などのグラフィックシステム、メディカルシステム、ライフサイエンス、ドキュメントソリューションを重点事業と位置づけて強化し、かつ、原価削減などを引き続き進めることで、過去最高の収益を目指す。
■ URL
富士フイルム
http://fujifilm.jp/
投資家向け情報
http://www.fujifilmholdings.com/ja/investors/
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