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「塩竈フォトフェスティバル」が初開催
~日本最大級のポートフォリオレビューなど実施
ポートフォリオレビュー会場
22日、宮城県塩竈市で、「塩竈フォトフェスティバル」が開幕した。同市出身の写真家 平間至氏が企画したイベントで、今回が初開催となる。
4つの写真展が市内各所で30日まで開かれるほか、22~23日にはメインイベントの「ポートフォリオレビュー」が行なわれた。また写真家やギャラリストによるトークショウ、ワークショップ、撮影会などのイベントも開催された。
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ポートフォリオレビューなど、多数のイベント
ポートフォリオレビューは、自分の作品について、写真家やアートディレクターの講評やアドバイスを、対面して受けられるもの。レビュワーは平間至氏のほか、写真家の笠井爾示氏、瀧本幹也氏、広川泰士氏、三好耕三氏、フォト・ギャラリー・インターナショナルのギャラリスト山崎信氏、アートディレクターの中島英樹氏、キュレーターの菊田樹子氏、編集者の沖本尚志氏が務めた。
参加者は希望するレビュワー2名のレビューを受けることができるため、自分の写真をどのように売り込みたいのかに応じてレビュワーを選べるようになっている。海外のイベントでは一般的なシステムだが、国内でここまでの規模で行なわれるのは珍しい。
短い期間の告知ながら、レビューへの応募は250以上が全国から寄せられた。1次審査を通過した46人が、22日に塩竈市の生涯学習施設「ふれあいエスプ塩竈」に集まり、レビューを受けた。
レビュー時間はひとりあたり20分間が目安となっていたが、講評希望者とのやりとりが白熱して時間をオーバーするレビュワーも多く見受けられた。会場には応募していなくても誰でも入れ、自由にレビューの様子を見学できるため、激しいやりとりが繰り広げられるテーブルの周りには人だかりができることもあった。
ポートフォリオレビューの会場となったふれあいエスプ塩竈
1次審査を通過した作品
中島英樹氏にレビューを受ける
レビューは自由に見学できる
公開ポートフォリオレビュー
23日には公開レビューが開催された。22日のレビューで選出された9人の作品を、会場の大スクリーンに映し、レビュワー全員で講評する様子を見せるもの。レビュワー陣の中での意見や好みの違いなどがあらわになり、写真の多様な見方が浮き彫りにされた点で、講評を受けた応募者以外の見学者にも、大いに興味深い催しだった。
最後に、9人から大賞をはじめとする各賞を選出し、表彰した。大賞に輝いたのは、一卵性双生児の弟と自分のポートレートや体の各部を怜悧に比較撮影した「dizygotic twins」の藤安淳氏。同氏には写真集の作成権が与えられた。このほか、塩竈賞、フォトギャラリーインターナショナル賞、ファットフォト賞、フォトグラフィカ賞が授与された。
スクリーンに作品を映し、レビュワーが講評する
大賞の藤安淳氏
藤安氏の受賞作「dizygotic twins」
塩竈市長から表彰された藤安氏
22日夜には市内3カ所の居酒屋でトークショウが開催された。テーマは瀧本幹也氏と広川泰士氏による「ゼラチンシルバーセッション@塩竈」、笠井爾示氏、平間至氏、中島英樹氏による「写真・デザイン・音楽」、三好耕三氏と山崎信氏による「写真家とギャラリーの幸福な関係」。2,000円と飲食費を払えばどのショウにも参加でき、途中で移動することもできる自由なイベントで、写真家やギャラリストと非常に近い距離で話合える稀有な機会となった。多くの参加者は2次会にも流れ、朝方までアドバイスを受けたり、議論が繰り広げられた。
また23日には、広川泰士氏が1つの部屋をカメラに仕立てるワークショップ「まるごとカメラの部屋」、平間至氏がカメラを持った女性先着20名を撮影する「ひらま写真館別館」などのイベントが市内各所で開催された。23日は好天に恵まれ、参加者は地図を手におのおの、写真展やイベントをめぐり歩いた。
大正時代の邸宅・亀井邸で開かれている三好耕三展「塩竈 浦戸」。浦戸諸島の人々を大判カメラで捉えたポートレート
居酒屋トークショウ。写真家やギャラリストと対話するチャンスとなった
ポートフォリオレビュー会場で開かれた「Loveフォト展」は誰でも参加できる写真展
「ひらま写真館別館」。平間至氏が着ているのは、フェスティバルのキャラクター「カメラッコ」の着ぐるみ
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手弁当で作ったフェスティバル、来年以降も継続
このフェスティバルは、市内にギャラリーや文化施設が充実したことを受けて、塩竈市がアートフェスティバルの企画を平間氏に依頼したことが発端。1年前から本格的な準備が始まったが、売れっ子写真家である平間氏が東京と塩竈を頻繁に行き来する時間な負担や、予算の少なさなどから、何度も挫折しかけたという。
しかし「写真を真剣にやりたい人のためのポートフォリオレビューと、ちょっと写真に興味があるだけでも参加できる“Loveフォト展”のようなイベントを両立させたかった」、「居酒屋やスナックで写真家と膝を突き合わせて語り合うようなイベントは、東京ではできない。東京でこういうイベントをやっても、写真家も参加者も翌日の予定が入っていたりして、じっくりと話し合えない」、「こうしたイベントを通じて塩釜自体にも注目を集めたい」という平間氏の情熱が、さまざまな障壁を崩した。多くのレビュワーや運営者はほぼノーギャラで参加したという。
メインイベントとなるポートフォリオレビューついて平間氏は「初回から、多数の応募があったし、レベルの高い作品を選出できた」と手ごたえを感じた様子。表彰式では次回以降の開催も宣言した。「参加者の皆さんから、“こんなイベントを待ち望んでいた”という気持ちがひしひしと感じられたので、大変だが続けてやらざるを得ないだろう」。
授賞式で挨拶する平間氏
塩竈の目抜き通りにある平間氏のご実家「ひらま写真館」
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URL
塩竈市
http://www.city.shiogama.miyagi.jp/
塩竈フォトフェスティバル
http://gamaphoto.blog31.fc2.com/
平間至氏のホームページ
http://www.itarujet.com/
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塩竈市、「塩竈フォトフェスティバル」を開催(2008/02/08)
( 本誌:田中 真一郎 )
2008/03/24 19:39
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