ディスプレイパネルの展示会「Display 2007」(第3回国際フラットパネルディスプレイ展)が開幕した。会場は東京ビッグサイト東ホール。会期は11日~13日、10時~18時(最終日のみ17時終了)。当日入場料は5,000円。
ディスプレイモジュールの展示が中心のイベントで、製造装置や部材の展示を重視する「フラットパネルディスプレイ研究開発・製造技術展」(ファインテック・ジャパン)から2005年に分離。以後、両イベントの併催は今回で2回目となる。
テレビ用の大型パネルモジュールに加え、中小型のパネルも展示されいてるので、ここではデジタルカメラ向けの製品に絞って紹介する。
■ Adobe RGB対応3型液晶パネルを展示した日立ディスプレイズ
日立ディスプレイズはAdobe RGBの色域表示に対応した2.98型液晶パネルを参考出品した。開発中の製品で、2008年度の量産を目標にしている。まだデジタルカメラでAdobe RGBに対応した液晶モニターを搭載した製品は存在しないが、ハイエンド向けに提供したいという。
解像度は960×240ピクセル、カラーフィルターはデルタ配列。液晶駆動方式は最新のIPS-Pro(In-Plane-Switching Provectus)方式ではなく、IPS方式を採用する。コントラスト比は500:1。輝度は300cd平方m。
色域が広いAdobe RGBに対応するには、カラーフィルタ―だけでなく、バックライトも含めた改良が必要という。担当者は「コスト面では従来型より不利になるが、需要は理解している。ぜひ実現したい」と意欲を見せていた。
同じくデジタルカメラ向けとして、640×480ピクセルの2.98型液晶ディスプレイも参考出品していた。年内の量産化を予定している。こちらはIPS-Proを採用。カラーフィルタはストライプ配列。コントラスト500:1、輝度300cd平方mとなっている。
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Adobe RGBに対応した2.98型IPS液晶モジール
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デジタルカメラ向けの2.98型VGAタイプ
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■ エプソンは「Photo Fine Vistarich」を訴求
2006年12月にセイコーエプソンの100%子会社となり、三洋エプソンイメージングデバイスから社名を変更したエプソンイメージングデバイス。ここでは、広視野角技術「Photo Fine Vistarich」(フォトファインビスタリッチ)を採用した中小型パネルを展示していた。
デジタルカメラ用は、2.5型、2.7型、3型の3製品。解像度はいずれも958×240ピクセル。いずれも出荷が始まっており、搭載製品が近々市場に出る予定。製品に「Photo Fine Vistarich」のロゴが入るかは納入先次第だが、カメラメーカーからも、Photo Fine Vistarich搭載を「カタログなどで謳いたい」との声をもらっているという。
Photo Fine Vistarichは、VAやIPSとも異なる駆動方式を採用することで、上下左右180度の視野角を実現した液晶パネル。ブースでは車載向けの7型800×480ピクセルなど、4月から量産化が決まった新製品をアピールしていた。
また、低温ポリシリコンTFTによるEVF向けのカラー液晶モジュールも出品。0.75型1,120×240ピクセル、0.44型785×240ピクセル、0.437型700×262ピクセル、0.35型521×218ピクセルの4タイプで、いずれもデジタルビデオカメラ向けなどに出荷済みという。
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ブース両脇でPhoto Fine Vistarichの量産化をアピール
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Photo Fine Vistarichの3型モジュール。「EPSON」の文字の大きさは各展示で共通
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同じくPhoto Fine Vistarich採用の2.7型
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Photo Fine Vistarichシリーズとして新製品の7型モジュール
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EVF用0.437型の低温ポリシリコンTFT
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■ URL
Display 2007
http://www.displayexpo.jp/
日立ディスプレイズ
http://www.hitachi-displays.com/
エプソンイメージングデバイス
http://www.epson-imaging.com/
■ 関連記事
・ 三洋エプソン、視野角180度の液晶技術「Photo Fine Vistarich」(2006/05/17)
・ 「Display 2006」に日立ディスプレイズがデジカメ用3.5型液晶など展示(2006/04/19)
( 本誌:折本 幸治 )
2007/04/11 18:35
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