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エプソン、製造業などビジネス市場を意識したプライベートショー
エプソンは27日、「マイクロピエゾテクノロジーが広げる世界」をテーマに、同社の技術の実績や将来展望を伝えるプライベートショーを開催した。
プライベートショー会場入り口
会場の様子。プリントネットワークリビングのデモが行われている
会場は、開発変遷と技術の概要説明、大判絵本や手のひらのサイズ絵本など展示、プレゼンテーション会場、コンシュマー向けインクジェットプリンタの展示、TVとプリンタを融合させたネットワークリビング、芸術文化の復元とデジタル表現の創作支援活動、三好和義氏やグレック・ゴーマン氏など写真作品の大判プリントの展示、マイクロピエゾテクノロジーを応用してビジネスを展開する企業の製品紹介、新型省スペースミニラボと仮想レストラン、マイクロピエゾテクノロジーの産業分野における技術応用の紹介、マイクゾピエロテクノロジーの未来展望、など11のテーマで構成されていた。
プライベートショーは、展示物の自由閲覧から始まり、代表取締役社長の花岡清二氏の開会の挨拶、代表取締役副社長の丹羽憲夫氏の講演へと続いた。
代表取締役社長の花岡清二氏
代表取締役副社長の丹羽憲夫氏
マイクロピエゾテクノロジーのインク吐出の解説。機械的圧力による吐出の優位性をアピールしている
花岡氏は、「マイクロピエゾテクノロジーは、弊社の精密プレス加工技術、高密度実装技術、表面処理技術をベースに1989年から開発し、1993年になってインクジェットプリンタMJ-500の発売によって実を結んだ。家庭でのプリントという提案に基づいて、写真高画質をテーマに、その後のMJシリーズを開発し主力事業とした。今後は、マイクロピエゾテクノロジーをコンシュマー分野から、さらに他社との協業などによってビジネスや産業分野でのさらなる普及をめざしたい」とマイクロピエゾテクノロジーの歴史を語った。
マイクロピエゾテクノロジーを採用してきた歴代インクジェットプリンタたち。初代のMJ-500には、花岡氏もプロジェクトリーダーとして参加
マイクロピエゾテクノロジーの進化の過程を解説。年を重ねるごとにインク滴が小さくなっている
マイクロピエゾテクノロジーを、エンプソンの企業成長の中核にし、今後ビジネスや製造の現場でのシェアの獲得を目指すと宣言
同社の中期経営計画「創造と挑戦1000」を解説。マイクロピエゾテクノロジーを目的達成の根拠としている
丹羽氏は、「ホームプリンティング、プリント複合機などの次は、TVなどとの連携を高めプリントをより身近なものにしたい。デジタル放送や携帯電話のコンテンツをプリントできるようにデジタル家電の普及に対応したい。デジタル時代の芸術文化の支援、芸術作品や文化財のデジタルアーカイブ活動にも力を入れる。それによって制限が多かった作品をより一般に、手に取って鑑賞するという新しい芸術の楽しみ方を提供したい」と、マイクロピエゾテクノロジーに関する将来的な展望を語った。
また、シャープ大画面液晶TV用の亀山第2工場の例をあげて「マイクロピエゾテクノロジーの他分野での技術応用を積極的に展開し、オンデマンドなモノ造りという次世代の製造スタイルを実現して環境負荷低減を推進する」と、環境問題にまで踏み込んだ展望を語った。
台湾故宮に収蔵される「清明上河図」、「花陰双鶴」、「錦春図」、「玉堂富貴図」や、レンブラントの「ユダヤの花嫁」と「自画像」の複製画、さらに絵本作家のいわさきちひろ氏や漫画家藤子・F・不二雄氏の原画を再現するなど、マイクロピエゾテクノロジーによる、高度な複製技術でプリントされた芸術作品も多数展示していた。また、複製された京都、高台寺円徳院の屏風絵を襖と着物柄として活用した展示物は、多くの参加者の視線を集めていた。
複製された京都、高台寺円徳院の屏風絵を襖と着物柄として活用した事例。なお、この質感のある畳も用紙にプリントされただけのもの
複製されたレンブラントの作品
マイクロピエゾテクノロジーを応用して製造される、第8世代基板インクジェットカラーフィルタ。約3畳の大きさのガラス基板は世界最大。1枚の基盤から8枚のTV用カラーフィルターがプリントできる
会場には、大規模な液晶モニター製造工場を持つシャープ、ヨーロッパの有名服飾メーカーの伊Robustelliなど、エプソンから提供されたマイクロピエゾテクノロジーを応用して、ビジネスを展開する企業が集まりぞれぞれの作業工程など様子を解説していた。他には、クーポンプリンタのカラー化を実現したカタリナマーケティングジャパン、屋内外で展示できる大判印刷サービスを展開する武藤工業などの展示も見られた。
いわさきちひろ氏の絵本を、マイクロピエゾテクノロジーを応用して大きくプリントしたもの
エプソンが、写真館などをターゲットに6月発売下旬予定のクリルタリオイージーラボ。従来のミニラボに比べて大きさは約半分となり、印刷速度はLサイズで325枚/時。受付画面、サーバー、プリンタの3つのユニットで構成。価格は1セット198万円
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URL
エプソン
http://www.epson.jp/
( 本誌:織原 博貴 )
2007/03/27 19:48
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