発表したのは、プロ用デジタル一眼レフカメラ「EOS-1D Mark III」。交換レンズ「EF 16-35mm F2.8 II USM」と、コンパクトデジタルカメラ「IXY DIGITAL 90」、「IXY DIGITAL 10」、「PowerShot TX1」、「PowerShot A570IS」。
EOS-1D Mark IIIのCMOSセンサーは独自に開発。DIGIC IIIを2つ搭載して並列処理することで10コマ/秒の高速撮影が可能になった。さらに、防塵防滴性能を従来より強化したという。またAF機構も一新。19の測距ポイントでF2.8対応のクロスセンサーを配置。画面周辺部でも合焦精度が大きく向上したと説明した。
加えて、「EOS Kiss Digital X」と同様のセンサーダスト対策を行なった。ゴミが発生しにくいシャッターユニットを実現するため、徹底的に構成部材を検討したという。また、撮像素子を振動させてゴミを落とす「セルフクリーニングセンターユニット」は、同機が搭載するAPS-Hサイズの撮像素子に最適な振動モードで動作しているとした。ゴミが付きにくいという、帯電防止処理を施した赤外線吸ガラスも搭載する。
上面表示パネル
シャッターボタン周り
撮影者から見て左上面
液晶モニター下の背面表示パネル
メモリカードスロット。CFとSDHC/SDメモリーカードの同時使用が可能
ライブビュー時の液晶モニター表示
バッテリーパック
左側面
グリップ部
EOS-1D Mark II N(右)との比較
同背面
EOS-1D Mark IIIは3型液晶モニターを備える
撮像素子
セルフクリーニングセンサーユニット
主要基盤。DIGIC IIIを2つ搭載
シャッターユニット
外装を外したところ
ファインダーユニット(左)と接眼部
ミラーボックス
撮像素子にAPS-Hサイズを採用した理由については、「画素1つあたりの大きさは、(APS-Cに比べて)大きい方が画質面で有利。加えて、プロカメラマンが覚えた撮影感覚を変えたく無かった」と2つのポイントを挙げた。また、35mmフルサイズセンサーを採用しなかった理由については、「EOS-1D Mark IIIは、スピードにプライオリティを置いている。その点からAPS-Hサイズで1,010万画素が最適と判断した」(村瀬氏)。 なお、「EOS-1Ds Mark IIの後継モデルは?」との質問には、「現時点では何も申し上げられない」との回答にとどまった。
EF 16-35mm F2.8 L II USMのレンズ構成。光学設計を一新し、ワイド側での周辺画質を向上させたという
EF 16-35mm F2.8 L II USM
フードを取り付けたところ
外部ストロボ「580EX II」
背面。カメラへの取り付けは、レバーで行なう
発光部を真上に向けたところ。反射板も内蔵する
580EX IIの取り付け部。防塵防滴になったことで、カバーが付いた。
EOS-1D Mark IIIのホットシューは、580EX IIの取り付け部に合わせたカバーが付いている
席上で岩下氏は、「IXY DIGITAL 10」の小型化のポイントを重点的に説明した。「2000年に発売した初代IXY DIGITALによって『コンパクト&スタイリッシュ』というカテゴリーを創出。IXY DIGITAL 10は、そのDNAを受け継いだモデル」とアピール。「ボックス&サークル」というデザインコンセプトを従来から踏襲する。
レンズ鏡胴およびシャッターユニットを再設計し、徹底した小型化を図った。メイン基盤は、半導体パッケージの取り付け方法に新技術を適用するなどして従来より約10%の小型化に成功した。ストロボも回路の見直しなどで約35%小型化できたという。これらユニットの小型化を受け、「IXY DIGITAL 70」比で厚みが2.3mm薄くなった。
IXY DIGITAL 10(ブラック)
こちらは、シルバー
PowerShot TX1
PowerShot A570 IS
同氏は、「EOS-1D Mark IIIなどを中心に、デジタルフォト、プリントソリューションをさらに進めていきたい」と締めくくった。
キヤノンのデジタル一眼レフカメラは、各分野で支持を受けているとした上で、報道、スポーツなどに向けたEOS-1D Mark IIIは、「プロ用カメラとして有るべき姿を原点から見直した」とし、そのメリットを「シャッターチャンスの増加や表現領域の拡大にある」と力説。過酷な領域など、撮影フィールドの拡大も望めるとした。
同氏は、「EOS-1D Mark IIIの投入やサポート力の強化で、プロ市場でのポジションをさらに盤石にしたい」とマーケティング目標を提示。デジタル一眼レフカメラでは45%以上のシェアを堅持すると述べた。