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キヤノンMJ、2006年度のコンパクトデジカメ過去最高に

~D40対抗機種の投入には否定的なコメント

 キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は26日、2006年度連結決算の説明会を開催した。この中で、デジタルカメラおよびインクジェットプリンタ事業の実績および今後の取り組みに言及した。

 デジタルカメラ事業は、コンパクトカメラ分野において、IXY DIGITALシリーズで6機種、PowerShotシリーズ9機種を新規に投入。台数ベースでは前年比20%増の伸びとなり、過去最高の販売記録を達成したという。

 「手ブレ補正機能を搭載したIXY DIGITAL 800ISおよび同900ISは、それぞれ春商戦、年末商戦で大ヒット商品となった。とくに、900ISは10月の発売以来、機種別でのトップシェアを維持している。PowerShotも初のTV CMの投入により、売り上げは好調に推移した」(同社)としている。

 一方、デジタル一眼レフカメラは、台数ベースで前年比16%増の伸び。コンパクトタイプ同様、メーカー別年間トップシェアを維持した。3月に発売したEOS 30Dに続き、9月に投入したEOS Kiss Digital Xがベストセラーモデルとなったほか、交換レンズの売上増も、業績に貢献した。

 デジタル一眼レフカメラは、上期は台数ベースで前年同期比9%減と低迷していたが、第3四半期には53%増、第4四半期には39%増と一転して高い伸びを見せている。

 また、コンスーマ機器事業部門を統括する芦澤光二専務取締役は、ニコンが投入した低価格デジタル一眼レフカメラの「D40」の販売が好調であることに対して、「6Mという画素数は、EOS Kiss Digitalでは、2世代前のスペック。そうした仕様の製品に、一眼レフユーザーが飛びつくとは思っていなかった。だが、デジタルコンパクトカメラから移行してきたユーザーがあり、一眼レフカメラの市場を広げることにはつながったといえよう」と評価する一方、今後の対抗機種の投入に関しては、次のように否定した。「キヤノンがこの分野に参入するのかどうかというと、その点では否定的といえる。一眼レフカメラを購入するユーザーは、価値を求めており、現時点では、6Mのスペックではユーザーを満足させられないと考えている。キヤノンは、一眼レフカメラの王道を進む。単に価格だけで訴求することは考えていない」。

 このコメントからも明らかなように、現在、同社では、ニコンD40と同価格帯および同スペックの廉価版一眼レフカメラの投入については、検討していない模様だ。

 なお、デジタルカメラ全体の販売台数は、前年比20%増となったという。


 一方、インクジェットプリンタは、市場全体が縮小傾向にあったことが影響し、前年比4%減とマイナス成長。だが、その一方で、年末商戦向けに投入した「MP600」が、機種別トップシェアを獲得したほか、昇華型のコンパクトフォトプリンタが台数ベースで62%増と大きく成長しており、家庭向けプリンタ全体の出荷台数は前年比1%減に留めた。

 なお、昇華型プリンタは、第4四半期に1%減の前年割れとなったが、これは、9月に発売予定の製品の投入が、11月にずれ込んだことが原因だという。

 インクカートリッジの売上高は前年比12%増と2桁成長を達成。「デジタルカメラと連動して、入力から出力までの一貫したホームプリントの楽しさを訴求したEnjoy Photoをキーワードとしたデジタルフォト戦略が成果をあげた」とした。

 なお、デジタルカメラやプリンタを含むコンスーマ機器部門の2006年度の売上高は、前年比7%増の2,708億円、営業利益は5%増の135億円。

 また、2006年度の同社全体の連結売上高は前年比5.5%増の8,671億7,200万円、営業利益は前年同期比14.1%増の339億1,900万円、当期純利益は22.5%増の188億700万円。4期連続の増収増益とともに、過去最高の業績となった。

 同社では、2007年度のコンスーマ機器事業部門の事業計画として、売上高は2,710億円、営業利益は135億円と、いずれも前年並みを目指すが、デジタル一眼レフカメラでは事業拡大を見込み、シェア45%を狙うことを明らかにしたほか、市場全体がマイナス成長、あるいは、よくても微増という状況が予想されるコンパクトデジタルカメラや、インクジェットプリンタにおいては、「価格競争が激化すると見込まれ、市況は厳しいが、それでも出荷台数では前年を上回る計画」(同社 川崎正己専務取締役)を掲げるという。

 コンパクトフォトプリンタおよびインクカートリッジは、引き続き2桁増の高い成長を計画。とくに、コンパクトフォトプリンタでは、台数ベースで38%増と大幅な成長を見込んでいる。

 同時に発表された中期経営計画では、2009年度にはコンスーマ機器事業部門で2,850億円の売上高を見込んでいる。



URL
  キヤノン
  http://canon.jp/
  決算短信
  http://cweb.canon.jp/co-profile/ir/library/result.html

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( 大河原 克行 )
2007/01/29 00:01
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