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【PhotoPlus Expo 2006】
会場で見つけたアクセサリ・周辺機器編 その2

~粘着三脚? や簡易ドライボックスなど

会場:米国ニューヨーク ジェイコブ・ジャヴィッツ・コンベンションセンター
会期:11月2日~4日(現地時間)


MonsterPod

 1人で旅行していて自分自身も入れた風景写真が撮りたいときや、友達と一緒に混ざった記念写真を撮りたいときに、周りに撮影を頼めそうな人がいなかったり、海外旅行先で頼みにくい状況というのはよくあるもの。三脚を持ち歩いていれば解決する問題だが、そういつも持ち歩くわけにはいかない。

 以前本サイトでも取りあげられたことがあるが、近くに自転車や木の枝があれば、そこに巻き付けて固定する三脚「gorillapod」を使って記念撮影をすることができる。が、巻き付けるには難しいほど太い幹だったり、ビルの壁しかないというときはお手上げだ。

 そんなとき、この三脚? が役に立ちそうだ。背面が柔らかい粘土状のもので出来ていて、これがこの製品の秘密なんだそうだ。説明によると変形する一種の合成ゴムで出来ているとのこと。

 使い方は簡単で、カメラを取り付けたいところにこれを置いて強く押しつけるだけ。そのまま1時間はくっついているそうだ。同社のブースには木の幹や岩壁の一部がおいてあり、実際に使われるところを実演していた。

 説明員によると、マウント可能なカメラはいわゆるコンパクトカメラサイズのもので、一眼レフカメラの場合は重さがあるため使用に向いていないとのこと。野外はもちろん家の中でもいろいろな使い道がありそうだ。面白い使い方としてはホームパーティなど多くの人が集まるときに天井や壁にMonsterPodとカメラを取り付けておいて、リモコンを使って定期的に写真を撮るといった使い方も考えられる。


簡易? ドライボックス

 国土の広い米国では、場所によって湿度が大きくことなる。今回PhotoPlus Expoが開かれたNYは夏に湿度が高くなる日もあるが、えてして日本より湿度が低い。そのため除湿庫の需要についてはあまり聞かないが、南部など湿度が高い州ではやはりレンズのカビ対策が必要かもしれない。そんな中、会場で「VACU PAC」と呼ばれる一風変わったドライボックスを見つけた。


VACU PAC
箱の横には湿度計もついているので、湿度の調整は簡単そうだ。

 乾電池も電源コードもなく、また除湿材を入れている様子もない。ではどうするのかと尋ねると説明員の女性が手前のハンドルを押したり引いたりし始めた。およそ10回ほどその動作を行ったあたりから、ボックス上部にある赤いボタンのように見えるものが少しずつ下に降りていくのが確認できた。これが完全に下に入ると箱の内部は真空状態に近くなり、湿度も下がるだそうだ。

 効果のほどはテストをしてみないとわからないが、この製品はタイの会社が開発したとのことなので、あの高温多湿のタイで実績があるのなら、その効果もまんざら誇張ではないかもしれない。米国での価格は90ドルで、すでに発売済み。


ディフューザ

 外部ストロボに装着して使用する、ユニークな形のディフューザを見つけた。製品名、「Lightshpere II」と呼ばれるものがそれだ。

 この製品の特徴はその形状にあり、上部にドームといわれる着脱式のフタを付け替えて使用できる。この部分が丼状にへこんでおり、ストロボの光がドームに反射するために、バウンスライトとしての効果も得られる。これにより天井が高かったり、バウンスに向かない色であってもさほど影響されずに一定のソフトライトが得られる、としている。


Lightsphere IIを手にして説明しているのは、この製品を開発したGary Fong氏。オレンジ色のドームは近日発売の「Vitamin C」
Chrome Dome。Lightsphere II Cloudタイプ専用オプションとなっている

 現在発売されているLightsphereには、本体部分が透明の「Clearタイプ」と半透明の「Cloudタイプ」の2種類があり、前者は光量が必要なグループ写真撮影に向いており、後者はよりソフトなライトが求められる場合に最適だということだ。

 また会場では、近日発売予定のアクセサリが2つ展示されていた。これらはLightsphere II Cloud版に対応したオプションで、標準で付いてくる白いドームと付け替えて使用する。

 ひとつは「Vitamin C」と呼ばれるオレンジ色のドームで、もうひとつは「Chrome Dome」と呼ばれる銀色のドームである。

 Vitamin Cを使うとより暖色系の効果が得られるとしている。またChrome Domeは中心に穴があいており、ここから光が天井へ抜けてバウンスする。より光量が必要なシチュエーションで効果がある、と説明があった。

 ちなみにLightsphere II Clearタイプ、Cloudタイプともに49ドルで現在発売中。Vitamin CとChrome Domeは近いうちに出荷が開始されるとしている。会場内でのプロモーション価格はLightsphere II ClundにVitamin CとChrome Domeを組みあわせ、80ドルとなっていた。


Harman、バライタインクジェットペーパー発売

Harman/ILFORDのブース
 デジタルプリントの需要の高まりを象徴するように、プリンタ本体の展示やプリンティングサービスの案内も会場内で多く見かけたが、その中で特にインクジェット用ペーパーの発表に人々の関心が集まっていた。

 HarmanはILFORDのモノクロ関連製品部門を保有し、今でもILFORDのブランドで販売しているが今回Harmanがバライタインクジェットペーパーを2種類発表した。

 同社のブースは半分に分かれ、それぞれILFORDブランドの製品とHarmanブランドの製品を展示しており、今回のインクジェットペーパーはHarmanブランドにて展示されていた。今回発表のあった用紙は「GLOSS FB Gel with real photo baryta(染料インク専用)」、「MATT FB MP with real photo baryta and instant-dry silica technology(染料/顔料インク対応)」。発売は2007年前半、価格は未定。

 また同社はさらにもう2種類のインクジェット用ペーパーの発売を予定しているとこと。


もうひとつのILFORDブース
 ちなみにILFORDのインクジェットペーパー部門は以前に王子製紙に買収されており、同社も会場内に専用ブースを構えていた。そのため会場内には2カ所でILFORDブースが展開され、(ひとつはHarmanブランドではあるが)どちらもインクジェットペーパーを扱うという結果になった。



URL
  Photoplus Expo
  http://www.photoplusexpo.com/


( Hiroyuki Yoshikawa )
2006/11/08 17:12
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