キヤノン株式会社の販売子会社、キヤノンマーケティングジャパン株式会社(キヤノンMJ)は27日、2006年12月期中間期決算のアナリスト向け説明会を開催した。
中間期決算はすでに26日に発表されており、売上高4,125億1,300万円(3.2%増、前年同期比、以下同)、営業利益163億4,300万円(22.2%増)、純利益92億7,600万円(41.7%増)の増収増益となっている。
■ 手ブレ補正や高感度でコンパクトデジカメが好調
デジタルカメラやインクジェットプリンタなどを含むコンスーマ機器事業は、売上高1,189億6,300万円(8%増)、営業利益46億8,500万円(39%増)。
デジタルカメラは、デジタル一眼レフの販売台数が前年同期比9%減となったが、EOS 30Dが好調だったことにより、単価は上昇したとしている。
コンパクトデジタルカメラは台数ベースで15%増で、第2四半期のみでは実に31%増と大幅な伸びを示した。同社ではコンパクトデジカメの好調を市場全体の傾向としており、その要因は「手ブレ補正・高感度・液晶モニターの大型化等の製品進化に伴う買換え需要の増加」としており、コンパクトデジカメの機能改善が購買意欲を刺激したと見ている。
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平均単価を押し上げたEOS 30D
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手ブレ補正や高感度撮影機能を備えたIXY Digital 800 IS。これらの機能により需要が喚起された
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インクジェットプリンタは本体売上台数が5%減となったが、インクカートリッジは金額ベースで10%増。また、昇華型のフォトプリンタが台数ベースで132%増と好調。同社ではインクジェット、昇華型という分け方ではなく、両方をあわせた「フォトプリンタ」という括り方でのシェアを重視するとしている。
なお、コンスーマ機器の8%増には、アップルコンピュータの「iPod」などを含むコンスーマPCの売上増が含まれており、コンスーマPCを除くと4%増となる。
■ 家電メーカー参入後でも、デジタル一眼は絶対の自信
キャノンMJ全体の通期予想は売上高は8,790億円、営業利益336億円、純利益190億円。4月20日の前回予想より12.4%の増益を見込む。
コンスーマ機器の通期予想は、売上高2,670億円、営業利益132億円。前回予想より10%の上方修正となっている。
デジタル一眼レフに関しては、家電メーカーの参入による競争激化が予想されるが同社はこれを市場拡大の「追い風」と捉え、「カメラメーカーとして市場の主導権を握っていく絶対的な自信」を見せた。
上期に大幅に伸長したコンパクトデジカメは、通期でも2桁成長を見込む。今後もこの市場は全体が底上げされ、期首の予想のような、競争激化により下位メーカーが振り落とされることはないと見る。ただしコンパクトデジカメ市場では製品サイクルや技術革新の速度が速く、その影響は図りきれないとの慎重な姿勢も見せた。
■ URL
キヤノン
http://canon.jp/
平成18年12月期中間決算短信(PDF)
http://cweb.canon.jp/co-profile/ir/finance/results/pdf/H18-12/CH-H18-2R.pdf
決算説明会資料
http://cweb.canon.jp/co-profile/ir/explanation/
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・ キヤノンMJ、デジカメなど好調で中間期は増収増益(2006/07/26)
( 本誌:田中 真一郎 )
2006/07/27 17:17
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