ペンタックス株式会社は12日、2006年3月期の連結業績を発表した。売上高は1,422億1,100万円(6.5%増、前年度比)、純利益は8億500万円(77.2%減)。イメージングシステム事業は、デジタルカメラの売上伸張に加えて大幅なコスト削減に成功したものの、当期も黒字転換にいたらなかった。
デジタルカメラを含むイメージングシステム事業の売上高は、全社の49%を占める692億4,400万円(9.8%増)。営業損益は前年度の28億3,500万円から損失額を圧縮し、11億9,900万円となった。
デジタルカメラは欧州を中心に、地域に見合ったモデルを投入。売上高は14%増の644億円となった。コンパクトデジタルカメラは、シーズンごとの新製品の絞込みを進める一方、在庫の適正化に努めたという。
オプティカルコンポーネントは、売上高275億5,900万円(6.7%減)、営業利益30億9,700万円(37.9%減)。利益面では、レンズモジュールの低価格化、微小レンズの販売単価の引き下げなどが響いた。全社売上高での構成比は19%。
そのほか、医療用内視鏡分野などのライフケア事業が売上高386億4,700万円(23.3%増)、営業利益41億2,700万円(18.3%増)。ただし、たな卸在庫の修理や処分に関わる費用を計上したことで、予想の利益額には達していない。同事業は全社売上高の27%を占める。
2005年5月に発表した38億円のコスト削減計画については、43億円の削減を果たした。そのうちイメージングシステム事業は、計画の14億3,000万円を上回る22億円を達成している。
次期の見込みは、売上高1,575億円(10.8%増)、純利益34億円(322.4%増)。そのうちイメージングシステム事業は、売上高770億円(11.2%増)、営業利益10億円との黒字転換を発表した。上期1億円、下期9億円の営業利益を予想している。
デジタルカメラは、前期を上回る売上高761億円を見込む。また、デジタル一眼レフカメラを共同開発するサムスンテックウィンとの関係については、今回の発表にあわせて「2006年秋にサムスンブランド第2段製品を投入予定」とのアナウンスを行なっている。
■ URL
ペンタックス
http://www.pentax.co.jp/
2006年3月期決算短信(PDF)
http://www.pentax.co.jp/japan/company/ir/semi/soa/pentax_200603_kt.pdf
■ 関連記事
・ ペンタックス、2005年度通期の業績予想を下方修正(2006/05/08)
・ ペンタックス、デジカメなどイメージング事業は15億円の赤字(2005/11/04)
( 本誌:折本 幸治 )
2006/05/12 19:39
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。
|
|