デジカメ Watch
最新ニュース
【 2016/01/26 】
【 2016/01/25 】
【 2016/01/22 】
【 2016/01/21 】
【 2016/01/20 】

パナソニック、「LUMIX DMC-L10」の発表会を開催

~「デジタル一眼レフカメラの撮影スタイルを変えたい」

DMC-L10。装着レンズはキット同梱のLeica D Vario-Elmar 14-50mm F3.8-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.
 パナソニックは25日、東京有明のパナソニックセンター東京でデジタル一眼レフカメラ「LUMIX DMC-L10」と新レンズ2本の記者向け発表会を開催した。なお、個々の製品の詳細は別ページの記事を参照されたい。

 DMC-L10と新レンズ2本は、8月にドイツで行なわれた展示会「IFA2007」で発表したモデル。国内での発表は今回が初めてとなる。

 発表会では、パナソニックAVCネットワークス社DSCビジネスユニット長の吉田守氏が、事業展開と製品説明を行なった。


パナソニックAVCネットワークス社DSCビジネスユニット長の吉田守氏
 吉田氏はまず、「一時期成長が止まるかに見えたが、2006年から急速に再成長の傾向を見せている」とデジタルカメラ市場の需要推移を述べ、要因を「技術の大きな進化、60%を超える買い換え・買い増し需要」と分析。この傾向は2007年度も続き、1,000万台を超える需要を見込むとしている。

 一方、デジタル一眼レフカメラ市場では、「コンパクトデジタルカメラを超える伸びがあり、2007年度は100万台以上も視野に入っている」と述べた。

 吉田氏は、非球面レンズ、レンズユニット、システムLSI、イメージセンサー、液晶モニターなどキーデバイスを社内に持っている点を、「LUMIXの強み」と表現。これらの技術を徹底的に活用し、垂直統合型の製品開発を行なうとした。また、大画面テレビで写真を楽しむ「テレ写」などと合わせて、「デジタル時代のリーディングカンパニーを目指す」と語った。


デジタルカメラ市場の推移 デジタル一眼レフカメラの需要推移

主要部品の内製化を強みとしている ハイアングルやローアングルなどこれまでのデジタル一眼レフでは難しかった撮影が可能に

 同氏は、DMC-L10のコンセプトを「デジタル一眼レフカメラにおける撮影スタイルの常識を変える」と説明。ライブビューとフリーアングル液晶を挙げ、「従来のデジタル一眼レフでは経験したことの無い、フレキシブルな撮影が可能になった。無理のない姿勢でさまざまなアングルの撮影が楽しめる。目線で顔を見合わせながらの撮影などでは、コミュニケーションも容易になり、赤ちゃんやペットなどのより自然な写真を撮れるようになるのでは」とメリットを力説した。


ホールド性や操作性にこだわったという Vario-Elmar 14-50mm F3.8-5.6を装着したDMC-L10




バッテリー室 新たに開発したバッテリー

内蔵ストロボをポップアップしたところ

同梱の1.2倍マグニファイヤー マグニファイヤーを装着したところ

顔検出AFを行なっているところ
 世界初となるコントラストAFによる顔検出については、「ポートレートや集合写真に威力を発揮する。夜景ポートレートも容易に撮影できる」と紹介した。

 DMC-L10に搭載した有効1,010万画素LiveMOSセンサーは、MOSイメージセンサーとしては、業界最先端の微細化技術を投入したという。「νMaicovicon」技術をベースに開発し、従来以上の高感度画質を達成したとしている。また、色ノイズ、輝度ノイズを個別に検知するノイズリダクションにより、特に問題となる色ノイズの現象を図った。

 また、「デジタル一眼レフカメラにおける大きな課題」(吉田氏)という撮像素子のゴミについては、3万回/秒の超音波振動や、センサーを密閉するフィルター構造などをあげ、「現在最も有効なゴミ対策システムである、との評価を頂いている」と自信を見せた。


ローアングル撮影。液晶モニターは上下方向に270度回転可能 発表会場には、壁越しの俯瞰撮影を体験できるコーナーも

画質を変更できるフィルムモードは、ライブビューで撮影前に効果を確認できる 同様にホワイトバランス調整もライブビューで確認可能

分解モデル LiveMOSセンサー

ノンダストシステムの仕組み センサーを密閉するフィルターと、フィルターの周囲の圧電素子からなる

ノンダストシステムのデモ装置も登場

フィルター状にゴミが付着した状態 超音波振動させるとゴミが落ちる

メイン基板 メイン基板上に配置されたヴィーナスエンジンIIIのチップ

 レンズキット同梱の標準ズームレンズ「Leica D Vario-Elmar 14-50mm F3.8-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」については「最高の画質を提供できる標準レンズとして開発した。風景やポートレート撮影に最適」と説明。また、高倍率ズームレンズ「Leica D Vario-Elmar 14-150mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA O.I.S.」は、「非球面レンズ4枚、EDレンズ1枚を使用し、性能的にも非常に高いものになったと自負している」と説明。「1本で、広角から望遠まで楽しめる待望のライカレンズになったのではないか」(吉田氏)


Leica D Vario-Elmar 14-50mm F3.8-5.6 ASPH. MEGA O.I.S. 望遠端にしたところ

Vario-Elmar 14-50mm F3.8-5.6の構造

カットモデル レンズ構成

Vario-Elmar 14-150mm F3.5-5.6 望遠端時

Vario-Elmar 14-150mm F3.5-5.6の構造

カットモデル レンズ構成

キット用のMCプロテクターとPLフィルターを新たに用意
 従来のフォーサーズレンズでは、コントラストAFや顔検出機能が利用できない点に関して、「従来のレンズでは、コントラスト検出の動作を保証しきれないという観点で、対応レンズを一旦絞らせてもらった」と説明したが、既発売のレンズに関しても、「将来的には(コントラスト検出対応の)検討を加えながらやっていきたい」との見通しを明らかにした。

 また、フォーサーズグループのレンズラインナップが計34本になったことを「フォーザーズグループの大きな資産であり特徴」(吉田氏)とした。

 なお同氏は、2010年にデジタル一眼レフで10%とのシェア目標を示した。「非常に高く厳しい目標だが、ネバーギブアップの精神でチャレンジしたい」と意気込みを見せた。生産台数に関しては、「キットレンズでとにかく高い性能を実現したい、との思いから、ライカDレンズを標準装備とした。価格的に高めになっていることもあり、月産5,000台でスタートし、製品の良さを訴求しながら着実に販売していきたい」と述べた。

 最後に吉田氏は「今後も、LUMIXならではの新たな写真の楽しみを追求するとともに、他社とは異なるユニークで独創性のあるデジタル一眼レフカメラの開発にチャレンジして行く」と締めくくった。


会場にはハイアングルやローアングルから撮影した写真を展示 引き続き「テレ写」もアピール。「大画面テレビでの楽しみ方は、業界に先駆けて提案した。デジタル時代にふさわしい写真の楽しみ方」(吉田氏)


URL
  パナソニック
  http://panasonic.jp/
  製品情報
  http://panasonic.jp/dc/l10/

関連記事
パナソニック、顔検出AFを備えたデジタル一眼レフ「LUMIX DMC-L10」(2007/09/25)
パナソニック、手ブレ補正ズームレンズ「Vario-Elmar」2モデル(2007/09/25)


( 本誌:武石 修 )
2007/09/25 18:17
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.