ニコンは、エントリー向けのデジタル一眼レフカメラ「D40」を12月1日に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は6万円弱の見込み。
同時に、「AF-S DX Zoom Nikkor ED 18-55mm F3.5-5.6 G II」が付属する「D40レンズキット」と、18-55mm F3.5-5.6 G IIに加えて「AF-S DX Zoom Nikkor ED 55-200m m F4-5.6 G」が付属する「D40ダブルズームキット」も発売する。価格はいずれもオープンプライス。店頭予想価格は、D40レンズキットが7万円弱、D40ダブルズームキットが9万円強の見込み。
ボディのみ、レンズキット、ダブルズームキットともに、ボディカラーとしてブラックとシルバーを選択できる。また、シルバーとブラックでは付属のストラップが異なる。
■ AF駆動をレンズ内モーター方式に限定、ファインダーが高倍率化
2005年6月発売の「D50」に続くエントリーモデル。D50から小型・軽量化を果たした。本体サイズは126×64×94mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約475g(本体のみ)で、同社のデジタル一眼レフカメラとしては最軽量となる。
また同社のデジタル一眼レフカメラとして、本体上部右側の表示パネルを初めて省略。液晶モニターもD50の2型13万画素の液晶モニターから、2.5型23万画素に大型化した。
撮像素子はD50と同じAPS-Cサイズ相当(23.7×15.6mm)、有効610万画素のCCD。撮影画角はレンズ表記の焦点距離に対し、約1.5倍相当となる。画像処理エンジンは、D50やD80とは異なる新開発のものを搭載。ISO感度はD50の最高ISO1600に加え、拡張設定によるHi1(ISO3200相当)まで設定可能になった。
歴代の同社AF銀塩一眼レフカメラや、デジタル一眼レフカメラが搭載してきたAF用ボディ内モーターと、その駆動を伝えるAFカップリングを省略。そのためAF駆動は、レンズ内にモーターを持つAF-SレンズおよびAF-Iレンズ(超音波モーターではないレンズ内モーターのレンズ。現在は生産終了)でのみ行なえる。それ以外のレンズはMFで使用可能。その際、開放F値5.6より明るいレンズなら、フォーカスエイドが利用できる。なお、D50でレンズマウント脇にあったAF/MF切り替えレバーは省略された。
ファインダー倍率は、D50の0.75倍から0.8倍に高倍率化した。視野率は95%。また、測距点がD50の上下左右中央の5点から、左右中央の3点に変化している。なお、測距モードはD50と同じく、AF-S、AF-C、AF-A(AF-S/Cの自動選択)を選択可能。
■ グラフィカルな新メニューを採用
もうひとつの大きな変更は、同社のデジタル一眼レフカメラとして初めて、本体上部のモノクロ液晶表示パネルを省略したこと。それに伴い、背面液晶モニターに主な情報をまとめて表示する「情報画面」を設けた。情報画面のデザインは「クラシックデザイン」、「グラフィックデザイン」、「壁紙デザイン」から選ぶことができ、壁紙デザインでは任意の写真を壁紙として設定できる。
また、情報画面から、記録解像度、圧縮率、ISO感度、AF方式、連写、測光方式などを選択できるようになった。各項目の選択時に、目安となる撮影状況を画像で表示する。あわせてボタン類を大幅に削減し、同社のデジタル一眼レフカメラとしては独自の操作方法となっている。
なお、表示パネルがあった場所には撮影モードダイヤルを装備。D50では左肩に装備していた。また、マウント左脇にFnボタンが設けられ、「セルフタイマー」、「動作モード」(連写設定)、「ISO感度」、「ホワイトバランス」の設定メニューを割り当てられるようになった。
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情報表示の画面例
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この画面から主要な設定を変更できる
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「壁紙デザイン」で任意の画像を背景に指定可能
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撮影メニュー。D80に近いデザインを採用
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■ 小型の新バッテリーや「発光禁止モード」を新たに装備
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内蔵ストロボも装備。「発行禁止オート」では自動ポップアップを停止する
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バッテリーは新型の「EN-EL9」を採用。フル充電から連続撮影で約2,200枚(CIPA準拠の1枚撮影で470枚)の撮影が可能。EN-EL9単体での価格は5,250円。なお、D50は同梱の「EN-EL3a」で約2,000枚撮影できた。
そのほか、デジタルイメージプログラムに「発光禁止オート」を新搭載。オートをベースに、内蔵ストロボのオートポップアップを禁止する。感度も上がりやすくなる。デジタルイメージプログラムは、オート/発光禁止オート/ポートレート/風景/こどもスナップ/スポーツ/クローズアップ/夜景ポートレートの計8種類となった。
また、D80と同じく「画像編集機能」を備えている。「D-ライティング」、「フィルター効果」、「モノトーン」、「赤目補正」、「トリミング」、「スモールピクチャー」、「画像合成」が行なえる。
測光センサーの分割数は、D50と同じく420。3D-RGBマルチパターン測光IIを採用する。非CPUレンズでの露出計動作には対応していない。
連写もD50と同様に2.5コマ/秒となっている。JPEGで連続100コマまでの撮影が可能。D50と同じワイヤレスリモコン「ML-L3」(2,100円)が利用できる。内蔵ストロボはiTTL調光に対応。コマンダー機能はない。
ゴミ対策としては、シャッターユニットなど主要部品からのメカダストの抑止、ローパスフィルターへの帯電防止を盛り込む。また、ローパスフィルターと撮像面との間に距離を取ることで、ゴミの映りこみへの影響を軽減。さらに、CCDは背面周辺部をシール構造とし、CCD周辺部にゴミを吸着する工夫を施したという。加えて、別売のソフト「Capture NX」の「イメージダストオフ機能」も利用可能。PC上でゴミの影響を軽減できる。
■ 主な仕様
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D40 |
D50 |
D80 |
撮像素子 |
APS-CサイズCCDセンサー |
有効画素数 |
約610万画素 |
約1,020万画素 |
画角変化 |
レンズ表記焦点距離の約1.5倍に相当 |
感度(拡張設定含む) |
ISO200~3200相当 |
ISO200~1600相当 |
ISO100~3200相当 |
ファインダー倍率 (50mmレンズ時) |
約0.8倍 |
約0.75倍 |
約0.94倍 |
ファインダー方式 |
ペンタミラー |
ペンタプリズム |
ファインダー視野率 |
約95% |
アイポイント |
18mm |
19.5mm |
測距点 |
3点 |
5点 |
11点 |
測光 |
420分割3D-RGBマルチパターン測光II 中央部重点 スポット |
最高シャッター速度 |
1/4,000秒 |
ストロボ同調速度 |
1/500秒 |
1/200秒 |
最大連続撮影速度 |
約2.5コマ/秒 |
約3コマ/秒 |
液晶モニター |
2.5型 約23万画素 |
2型 約13万画素 |
2.5型 約23万画素 |
記録メディアスロット |
SD/SDHC |
SD |
SD/SDHC |
PCインターフェイス |
USB 2.0 |
内蔵ストロボ |
あり |
電池 |
EN-EL9 |
EN-EL3a |
EN-EL3e |
サイズ (幅×奥行き×高さ、mm) |
126×64×94 |
133×76×102 |
132×77×103 |
重量(g、本体のみ) |
475 |
540 |
585 |
■ URL
ニコン
http://www.nikon.co.jp/
製品情報
http://www.nikon-image.com/jpn/products/camera/slr/digital/d40/
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・ ニコン、レンズキットで10万円台のデジタル一眼レフ「D50」(2005/04/20)
( 本誌:折本幸治 )
2006/11/16 15:04
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