デジカメ Watch
最新ニュース
【 2016/01/26 】
【 2016/01/25 】
【 2016/01/22 】
【 2016/01/21 】
【 2016/01/20 】

CES会場で展示された日本未発売デジカメの数々


 1月5日~8日にかけて米ラスベガスで開催されたInternational CESの会場には、日本では未発表、未発売のデジカメも多数存在した。また、International CESの開催に合わせて発表された新製品も数多く展示されていたので、これらの中から注目の製品をピックアップしてお届けしたい。


Eastman Kodakはデュアルレンズ&CCDを搭載する「V570」を発表

 Eastman Kodakは米国時間の1月2日に、2つのレンズと2つのCCDを搭載する「V570」を発表。2つのレンズは、一方が35mm判換算23mm、もう一方が39~117mm相当の光学ズームとなっており、従来のコンパクトデジカメでは難しかった超広角撮影が可能としている。撮影素子は1/2.5型の500万画素CCDを採用。2つの光学系に対して、まったく同じ2つの素子を配置している。

 機能面では同社が従来からアピールしている画像の共有やダイレクト印刷テクノロジであるEasyShareに対応。また、付属のフレームドックに本製品を搭載すれば、ボタン1つでPCへ画像を転送したり、お気に入り画像のみで構成したスライドショーなどを表示できる。

 本製品は、すでに日本でも1月5日付けで発表されており、2月には店頭で実物を目にできるだろう。


2つのレンズとCCDを搭載するEastman Kodakの「V570」。レンズ部は電源を切ると、1枚板のレンズバリアが降りる仕組みになっている レンズは上側が23mm相当の短焦点、下側が39~117mmの光学ズームとなっている 一般的なズームレバーの操作を行なえば、2つのレンズ/CCDが自動的に切り替わる。切り替わるタイミングでも目立ったブラックアウトもなく、違和感のないズーム操作が可能だ

本体上部。シャッターのほか、静止画撮影/再生/動画撮影の切り替えが用意される。左端のハートマークボタンは、再生画面で指定したお気に入り画像のみ表示するモードとなる V570用の「EasyShare フォトフレームドック2」。これまでのフレームドックに比べて、さらにデザインがよくなったと同社ブーススタッフが胸をはっていた。本体背面にUSBコネクタと電源コネクタを備えており、PCとの接続や本体の充電を行なえる 本体背面。液晶パネルは2.5型。ISO800まで指定が可能だが、ISO800時は180万画素相当(1,552×1,164ピクセル)に固定される

PentaxがCCDシフト式手振れ補正を採用

 Pentaxは、同社初のCCDシフト方式手振れ補正を採用する「Optio A10」を展示。この手ブレ補正機能は「Shake Reduction」と名付けられている。レンズは35mm判換算37.5~112.5mm/F2.8~5.4の3倍ズームとなっている。撮影素子は800万画素の1/2.5型CCDを採用。

 記録メディアはSDメモリーカードで、このほかに24MBの内蔵メモリを搭載。面白いのは動画で利用されるコーデックがDivXとなっている点だ。MPEG-4ベースのDivXは圧縮率に対する画質の高さによる定評を得たことで汎用性が高まっており、このコーデックを使っていることは動画の視聴/管理に便利そうだ。動画サイズは640×480ピクセルまたは320×240ピクセルの30fpsを記録可能となっている。もちろん動画撮影時にもShake Reductionは動作する。

 このほか特徴的な点として、ISO感度の設定がある。通常はAuto/ISO50/100/200/400から選択可能なのだが。シーン撮影機能のCandleモードを利用することでISO800の設定になっている。ただし、Candleモード使用時は記録サイズが2,304×1,728ピクセルになる。

 本体サイズは88.5×54.5×23mm(幅×奥行き×高さ)で、重量はリチウムイオンバッテリーとSDメモリーカード込みで145g。米国内では2月に発売され、価格は349.95ドルが予定されている。

 また、Pentaxは1/2.5型600万画素CCDを採用したエントリーモデル「Optio E10」も展示。こちらは単三乾電池×2本で利用できる点や、モードダイヤルによるシンプルな操作感をアピールしていた。同じく2月発売で、価格は199.99ドル。


Pentaxのブースで展示された「Optio A10」。レンズ脇にある「SR」のロゴがShake Reduction対応を示す 背面液晶は2.5型TFT。Shake Reductionの有効/無効もメニューから切り替えられる Optio A10の本体上部。パナソニックの手振れ補正機能搭載機のようなボタンを備えているのが、モードを切り替えるものではない。本製品のShake Reductionはシャッターを切るときに働くが、このボタンを押している間はライブビュー表示中にもShake Reductionが機能する仕組みになっている

こちらはエントリーモデルの「Optio E10」。レンズには35mm判換算35~114mm/F2.8~4.8の光学3倍ズームを搭載 本体背面の液晶は、2.4型TFTを採用する 単三乾電池×2個で利用が可能。記録メディアはSDメモリーカードを利用可能なほか、本体内に10MBのフラッシュメモリを内蔵する

FUJIFILMはゲーム付きデジカメなど一挙4製品

 FUJIFILMは今回のCESに合わせて4種類の新製品を発表。同社のブースにも展示されていた。デジカメとしてのスペック面ではわりとオーソドックスな印象を受けるが、発表機種のうち「FinePix V10」はユニークな機能を搭載した印象的なモデルとなっている。

 FinePix V10は、510万画素のスーパーCCD HRを搭載する製品。35mm判換算38~130mm/F2.8~5.5の3.4倍ズームを搭載。背面には3型液晶モニターを搭載。ISO1600までの高感度撮影にも対応している。

 本製品のユニークな機能の1つが「Natural Light & with Flash」と呼ばれる撮影モードだ。これは、一回のシャッターでストロボ発光と非発光の2枚を撮影。液晶に表示した2枚の写真から好みのほうを保存しておける機能だ。

 もう1つは、ゲーム機能を搭載した点。15パズル、迷路、ブロック崩し、シューティングゲームといったゲームを背面液晶を楽しめる機能で、例えばブロック崩しであれば、最後に撮影した写真がすべてのブロックを崩すと表示される、といったカメラらしい点も組み込んでいる。

 FUJIFILMでは、このほかに2.5型液晶搭載の600万画素機「FinePix F470」や、単三乾電池が使用可能なエントリー向けの500万画素機「FinePix A500」と、このモデルのバリエーションモデルとなる400万画素機「FinePix A400」を展示している。

 価格はFinePix V10が349.95ドル、FinePix F470が279.95ドルで、この2製品は3月発売予定。FinePix A500は179.95ドル、FinePix A400は149.95ドルで2月の発売が予定されている。


ISO1600までの設定が可能なFinePix V10。ガンメタリックモデルのほか、オレンジモデルが発売される 背面の液晶は3型。再生メニュー内にゲームが用意され、撮影した画像を利用した4種類のゲームが楽しめる

写真はパズルを選択した例で、撮影した画像を利用して15パズルが行なえる 「Natural Light & with Flash」は、フラッシュあり/なしの2枚を撮影し、どちらを保存するか選択できる機能

600万画素、光学3倍ズーム機のFinePix F470 背面液晶は2.5型。記録メディアはxDのほか16MBの内蔵メモリを搭載している

画素数以外の違いはないというFinePix A400(左)とFinePix A500(右) 背面液晶は1.8型。こちらは内蔵メモリ12MBを搭載

Panasonicは手ブレ補正+ISO1600撮影が可能なLZシリーズに注目

 Panasonicは今回のCESのブースで3製品の新機種を展示。そのうち「DMC-LZ5」、「DMC-LZ3」は、通常利用時はISO400が最大となるが、高感度モードを有効にすることでISO800~1600での撮影が可能という点で、とくに注目を集めていた。

 両製品とも35mm判換算37~222mm/F2.8~4.5の光学6倍ズームを搭載し、もちろん光学式手ブレ補正機能も装備。撮影素子は前者が600万画素、後者が500万画素で、いずれも1/2.5型CCDとなる。

 このほか、背面液晶はLZ5が2.5型、LZ3が2型となり、前者のみマイクも装備。両製品とも単三乾電池が利用可能な点も特徴となっている。パナソニックのブースでは、このほか35mm判換算35~105mmの500万画素機「DMC-LS2」も展示されていた。


光学6倍ズーム/600万画素機のDMC-LZ5。ISO1600の高感度撮影に対応する LZ5の背面液晶は3型。HighAngleと書かれたボタンがあるが、これは液晶の表示設定を切り替えることで、高いアングルなどにカメラを掲げたときに液晶を見やすくするもの

こちらは光学6倍ズーム/500万画素機のDMC-LZ3。基本的な機能はLZ5と変わらないがマイクは搭載しない 背面液晶は一回り小さい2.5型を装備

光学3倍ズーム/500万画素機のDMC-LS2 こちらは2型液晶を搭載。やはりHighAngleボタンを備える

このほか注目のデジカメをピックアップ

 ソニーのブースには、日本未発売の「DSC-S600」が展示されていた。35mm判換算31~93mmの3倍ズームを搭載する600万画素機で、背面には2型液晶を搭載。最大ISO1000までの高感度撮影に対応するのも特徴で、ブースでは感度を高めることによるストロボの到達距離が伸びることについてもアピールがなされていた。


ISO1000までの撮影に対する、ソニーのDSC-S600。前面レンズのせり出しが小さいのが印象的な外観だ 背面には2型液晶を搭載する

 HPのブースには、今週中にも正式に発売される「Photosmart R927」、「Photosmart R727」、「Photosmart R725」を展示。特徴は撮影した画像のレタッチ機能が充実している点で、ブースでは点描画やスリム化、フレームの追加などの効果を示したアルバムを用意していた。価格は未定だが、399~199ドルのレンジになるとのこと。


HPのPhotosmart R927。800万画素/3型液晶のモデル 背面に3型液晶を搭載

Photosmart R727は600万画素/2.5型液晶を搭載 背面の2.5型液晶

Photosmart R725は600万画素、2型液晶となる 背面の2型液晶

撮影した画像に対するさまざまなエフェクトをかけられるのが特徴 ブースには効果の使用例を示したアルバムも用意

 SamsungはCES最大級のブースを出展したが、そのブース内ではなくプライベートルームにおいて、すでに米国内では販売を開始している「Pro815」を紹介した。Pro815は2/3型800万画素CCD、35mm判換算28~420mm/F2.2~4.6の光学15倍ズームを搭載する製品。

 背面に3.5型の大型液晶を搭載するほか、上部にも1.44型の液晶を搭載。これに加えてEVFも備えており、いずれの液晶でもライブビューが行なえるのが特徴。価格は米国で800ドルとなっており、すでに好評を得ているという。日本での発売時期/価格は未定とのこと。


昨年6月に発表され、年末に米国内で発売されたSamsungの「Pro815」 レンズ部にはAFモードの切り替えなども用意される。レンズ鏡胴部には(写真左から)ズーム、フォーカス、絞りの各ヘリコイドを備えることで、一眼レフライクな撮影も可能としている

背面には3.5型液晶を搭載。リアルタイムヒストグラムや格子の表示も可能 上面にも1.44型液晶を備える。ローアングル撮影に便利なライブビューのほか、撮影ステータスなどを表示できる

 BenQもブースでも多数のデジカメが展示されていた。BenQブースで強くアピールされた点の1つがOLED(有機ELディスプレイ)とLTPS(低温ポリシリコン液晶)パネルの採用だ。後者はすでに従来製品から採用をしてきたが、今回有機ELを搭載する「E521」を展示して、そのコントラストの高さや応答速度のメリットをアピールしていた。

 もう1つ、同社ブースでアピールされたのがPentax製レンズの採用で、こちらは今回展示された全製品のレンズ部にロゴが記されていた。同社は日本市場への参入は積極的に考えていないようだが、国際的に見ても市場においてレンズブランドの高い重要性を感じさせる展示といえる。


BenQのブースで展示されたE521。500万画素、光学3倍ズーム搭載 背面には2型の有機ELディスプレイを搭載する BenQブースで展示された全デジカメ製品に、Pentaxロゴのついたレンズを備えていた

4GB以上の容量を実現する「SDHC」を発表

 SDカードの規格を定める業界団体「SD Card Association」は、SDカードの大容量化を実現するための新規格「SDHC」をCES期間中に発表している。

 これは従来のSDカードがFAT16を採用していたことで最大容量が2Gに制限されていたが、新たにFAT32を採用することで4GB以上の容量を実現するのが大きな変更点となる。SD Card Associationでは、このSDHCにより今年中に4GB、今後32GBまでの容量増加を示したロードマップも示している。

 ただし、ファイルフォーマットが変わってしまうため、メディアに加えてホストコントローラもSDHCに対応したものが必要になる。メディアのピン互換は保たれるので、SD/SDHC両対応のホストコントローラでSDカードのメディアも利用できるが、SDのみ対応のホストコントローラではSDHCメディアは利用できないことになる。

 また、ビデオ撮影などにおいては、最大転送速度よりも重視されるとして、最低転送速度を定めたのも特徴となる。この最低転送速度に応じたクラスも定義されている。


新たに発表されたSDカードの新規格「SDHC」のロゴ SDHCは通常サイズだけでなく、miniSDやmicroSDでも提供される

最低転送速度に応じて、3種類のクラスが用意される SDカードのロードマップ。今年中に4GB、2007年以降に32GBまでの容量が示されている


URL
  2006 International CESレポートリンク集(PC)
  http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/link/ices.htm

関連記事
コダック、2つの光学系とCCDを搭載したコンパクトデジカメ「V570」(2006/01/05)
米Pentax、CCDシフト式手ブレ補正搭載コンパクト「Optio A10」(2006/01/05)
米Fujifilm、3型液晶を搭載した「FinePix V10」(2006/01/05)
米Fujifilm、スーパーCCDハニカムHR搭載で150ドルを切るデジタルカメラ(2006/01/05)
米Sony、ISO1000で撮影可能な低価格デジカメ「Cyber-shot DSC-S600」(2006/01/05)


( 多和田 新也 )
2006/01/11 01:04
デジカメ Watch ホームページ
・記事の情報は執筆時または掲載時のものであり、現状では異なる可能性があります。
・記事の内容につき、個別にご回答することはいたしかねます。
・記事、写真、図表などの著作権は著作者に帰属します。無断転用・転載は著作権法違反となります。必要な場合はこのページ自身にリンクをお張りください。業務関係でご利用の場合は別途お問い合わせください。

Copyright (c) 2006 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.