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エプソン、出荷量絞込みなど新中期経営計画を発表


 セイコーエプソン株式会社は16日、中期経営計画「創造と挑戦1000」を策定したと発表した。2006年度からの業績回復、2008年度における連結経常利益1,000億円以上を目標として定めた。

 同社は2006年度に売上高経常利益率9%以上(連結)の目標を掲げていたが、今期に230億円の純損失を見込むなど業績が悪化。「大幅な乖離が発生する見込み」とし、業務執行役員制度の導入や、取締役員の削減などを含む新計画を発表した。期間は2006年度から2008年度。

 そのうちインクジェットプリンタ事業については、主柱事業として収益力の強化を図るとした。中長期の安定した収益確保と成長に向けた基盤作りを同事業に求めている。

 具体的には、フォトプリンタと複合機においては、「Epson Color」ブランドを中心としたプレミアムフォトを訴求。単機能モデルは成長が見込まれるBRICsを中心にプレゼンスを確保。ビジネス用途へは耐候性の高い顔料インクなどを訴求し、拡販につなげる。ラージフォーマットプリンタでも、高画質・高耐候性などの優位性を最大限活用し、市場拡大を図るという。

 また、同事業の2006年度を「体力づくりの年」と位置付け、利益の源泉であるインクカートリッジについては、成長率の鈍化を前提に戦略を立てた。インクカートリッジの純正率の向上にも取り組むという。

 プリンタ本体については、プリントボリュームの低いモデルを中心に出荷量を絞り込み、全般的に商品・顧客セグメントを低プリントボリュームから高プリントボリュームへシフトさせるのが狙い。同社の強みであるフォト技術、インク技術、画像処理技術、ヘッド技術も最大限に活用するという。並行して、プラットフォームの統一や部品の共通化など、物流コストや調達コストなどのトータルコストダウンを図る。

 そのほか、中・小型ディスプレイ事業では主柱事業として積極的な戦略を展開、同分野での主意を目指す。半導体事業については、生産拠点やラインの統合・再編によるスリム化を図る。

 なお同社は、半導体事業を中心とした2005年度463億円、2006年度30億円の構造改革費用を計上する。これらにより、今後3年間で計640億円の固定費改善効果を見込んでいる。

 改革の対象となるのは半導体事業、中・小型液晶ディスプレイ事業、高温ポリシリコンTFT事業、その他事業(情報関連機器事業など)。これら対象事業の業績目標を、2006年度が売上高1兆5,500億円、経常利益400億円、2008年度にそれぞれ1兆6,700億円、1,000億円以上と定めている。



URL
  エプソン
  http://www.epson.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.epson.co.jp/osirase/2006/060316.htm

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( 本誌:折本 幸治 )
2006/03/16 18:45
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