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エプソン、第3世代MAXART発表会を開催

~PX-P/K3インクの詳細を説明

 エプソンは11日、都内で大判プリンタ「MAXARTシリーズ」の新製品発表会を開催した。


PX-5500 PX-6500

PX-7500 PX-9500

PX-P/K3インクの詳細を説明

セイコーエプソン株式会社 情報画像事業本部 IJP事業部長の三村孝雄氏
 発表会ではセイコーエプソン株式会社 情報画像事業本部 IJP事業部長の三村孝雄氏が、新開発インク「PX-P/K3」インクの詳細な説明を行なった。

 同社は2000年に顔料インクを採用したMAXARTシリーズの第1世代を投入。2002年にはPX-Pインクを採用した第2世代のMAXARTシリーズを発売した。PX-Pインクでは、高画質、色再現性、色安定性、耐光性、耐ガス性、高速、高信頼性で評価されたが、同時に、グレーバランス、暗部の階調性、色のねじれ、メタメリズム(光源依存性)、黒濃度、光沢ムラについては改善が要望されていた。

 第3世代MAXARTシリーズで開発されたPX-P/K3インクでは、「グレースケールがカラー空間の背骨」との認識のもと、「フォトブラック」、「グレー」、「ライトグレー」の3種の黒インクを採用。

 ライトグレーの追加によりグレースケールの階調がより細かくなり、階調性も改善。さらにグレーインクを主として使用し、カラーインクは色調補正のみに使用することで、色のねじれを低減した。黒インクを主体とすることについて三村氏は「黒インクがファンデーションとして機能する。(黒インクで)ベースをしっかりつけて、(カラーインクで)化粧する」と表現した。


3種の黒インクを採用。マット系用紙ではフォトブラックインクをマットブラックに置き換える PX-Pインク(上)とPX-P/K3インクでの各色インクの使用量のイメージ。K3ではグレーインクを主に使用し、カラーの使用量を減らした PX-Pインク(左)とPX-P/K3インクでの各色インクの使用量のイメージ。グレーをベースとして

グレースケールがカラー空間の背骨 PX-P/K3インクによるカラー出力のメリット PX-P/K3インクによるモノクロ出力のメリット

 PX-P/K3インクでは顔料粒子を包む樹脂の成分を変更し、耐擦性を向上。さらにプリントアウトの表面の平滑度を向上させることで、光沢感と黒濃度が向上した。

 顔料自体も変更されており、光源によって色が変わって見えてしまう「メタメリズム(光源依存性)」を低減。色再現域の拡大、変色に対する安定性、耐光性も向上した。


顔料と包む樹脂の成分を変更。耐擦性、光沢感が向上した 黒濃度も向上 色再現域が広がった

「メタメリズム」の説明。ハロゲン光下では同じ色に見えるが……
タングステン光下では色が変わってしまう。PX-P/K3ではこれを低減した 耐光性も向上

前年比150%を目標に

セイコーエプソン 取締役 情報画像事業本部長の平野精一氏
 発表会冒頭にはセイコーエプソン 取締役 情報画像事業本部長の平野精一氏が、同社のデジタルフォトへの取り組みを説明。デジタルフォトを新しい写真文化とするために、一般ユーザーにはカラリオシリーズで、「誰でも簡単に楽しめるデジタルフォト」を訴求する。一方でプロやハイアマチュア向けには、MAXARTシリーズなどで、「満足していただける結果」をコンセプトとした製品を展開するとした。

 なおこの中で、同社製ストレージビューア「P-2000」について触れ、「全世界で好評のため、品不足でご迷惑をおかけしている」とした。


エプソン販売株式会社 取締役社長の真道昌良氏
 エプソン販売株式会社 取締役社長の真道昌良氏は、MAXARTシリーズの販売戦略を説明。大判プリンタ市場において、エプソンはグラフィックアート(GA)向けでは56.9%でトップシェアを占めるが、CAD向けでは4.4%にとどまることを紹介。CADにおいてはカラー出力のニーズが高まり、GAとCADの融合が進むとの予測を提示した。

 GA、CADの両市場において新規ユーザーの開拓に努め、第3世代MAXARTシリーズでは、前年比150%の販売台数を目標とする。


GA市場でのエプソンはトップシェア CAD市場ではHPがトップ 大判プリンタ市場全体でのメーカー別シェア

大判プリンタ市場全体では伸びていないが、GA市場が割合を増やしている MAXARTシリーズの販売台数の推移。2005年は前年比150%の飛躍を目指す


URL
  エプソン
  http://www.epson.co.jp/
  ニュースリリース(MAXARTシリーズ)
  http://www.epson.co.jp/osirase/2005/050511_2.htm
  ニュースリリース(PX-P/K3インク)
  http://www.epson.co.jp/osirase/2005/050511.htm
  製品情報
  http://www.i-love-epson.co.jp/products/maxart/

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( 田中 真一郎 )
2005/05/11 19:32
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