ファーストインプレッション
リコーGR
GR DIGITAL IV、GR1と外観比較
(2013/4/23 00:00)
ペンタックスリコーが5月下旬に発売するコンパクトデジタルカメラ「GR」のベータ機をお借りできたため、外観写真を中心にお届けする。外観や画面表示は変更となる可能性がある点をお含み頂きたい。また、等倍での実写掲載ができない個体のため、製品版を用いた詳細なレビューは追って掲載する予定だ。
GRは、1996年発売の銀塩カメラ「GR1」に始まるコンパクトカメラGRシリーズの最新モデル。ペンタックスリコーイメージング株式会社として発売する初のGRシリーズで、RICOHブランドを冠している。発売は5月下旬。ペンタックスオンラインショップでの直販価格は9万9,800円。
2011年発売のシリーズ前モデル「GR DIGITAL IV」から変わった最大のポイントは、撮像素子が1/1.7型CCDからAPS-Cサイズ相当のCMOSセンサーとなった点だろう。ボディは横幅方向に多少のサイズアップが見られるものの、銀塩のGR1と同寸で、GRシリーズのコンパクトなサイズ感を引き継いでいると言える。加えて、大きめのセンサーを搭載しながらもレンズバリア付きの沈胴レンズを採用。コンパクトカメラとしての扱いやすさを維持した。
レンズは35mm判換算28mm相当となる単焦点レンズ。別売のワイドコンバージョンレンズ装着で21mm相当の撮影も可能。マクロモードの最短撮影距離はレンズ前10cmとした。近いスペックのレンズを搭載するGXRユニット「GR LENS A12 28mm F2.5」との比較は、GR BLOGの記事に詳細が載っている。
操作部では、背面に新設された「AFボタン」と「AFファンクションレバー」が嬉しいポイントと感じた。AFボタンはいわゆる“親指AF”が可能となり、「AEロック、AFロック、AE/AFロック」のいずれかと、AFファンクションレバーの切り換えによって「被写体追尾AF(C-AF)ボタン」として機能する。
従来ならボタンごとの機能割り当てはマイセッティングか「Fnボタンペア設定」を事前に用意して切り替えるところだが、これを物理的なスライドスイッチひとつで素早く行なえるようになった。スナップシューターというGRの立ち位置上、とても理にかなっていると言える。これらの操作も基本的に右手のみで完結する点が、片手で持つことも想定されるコンパクトカメラとして理にかなっていると感じた。
同梱のバッテリーは「DB-65」。USB充電対応となりチャージャー「BJ-6」は別売になったが、GR DIGITAL IVおよびGR DIGITAL IIIのユーザーであれば、バッテリー(DB-60と単4型電池は非対応になった)、チャージャーともに流用できる。
短時間ながら試写してみたところ、AF速度や電源ON/OFFのスピードは、公式の謳い文句通りにGR DIGITAL IVを上回っていると感じた。特にコントラストAFのみだったGR DIGITAL IIIのユーザーにとって、このスピードアップは圧倒的なはずだ。
前後ダイヤルでの露出変更やADJ.メニューの項目設定も、UIにアニメーションが加わり小さな変化は見られたものの、リコーデジタルカメラのサクサク感をキープしていると言える。また、電源ON/OFFの高速化・静穏化も、静かな場所で撮る場合などにありがたみを感じるはずだ。
(参考)被写界深度
同じ35mm判換算28mm相当の画角を得られるGRとGR DIGITAL IVで、ほぼ同じ距離からそれぞれ絞り開放で撮影してみた。
レンズの実焦点距離18.3mm F2.8のGR(APS-Cサイズ相当センサー)と、6mm F1.9のGR DIGITAL IV(1/1.7型センサー)で、ともにマクロモードに設定している。被写体までの距離はGRの最短撮影距離であるレンズ前10cmにおおよそ合わせた。
晴れた日の昼間に絞りを開けると、GR DIGITAL IVでは露出オーバーとなってしまった。一方、GRでは内蔵NDフィルターを開放から使えるため、適正露出の範囲に収められた。下の作例では、見た目の明るさを揃えるためにGRのみ+0.7EVの露出補正を行なっている。
GRはベータ機での撮影のため、作例をクリックしても拡大しない点をご了承頂きたい。