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【PMA09】パナソニック「LUMIX DMC-GH1」は動画のマニュアル撮影に対応

〜国内発売時期は未定も、海外向けは初夏に出荷

LUMIX DMC-GH1
 昨年末の商戦に投入された初のマイクロフォーサーズ規格対応ボディ「LUMIX DMC-G1」は、もくろみ通りに女性層の一部に強く訴求した一方、マウントアダプタを用いた多様なレンズへの対応が容易という特徴やEVFならではの機能が、予想以上に従来からのカメラファンにも受け入れられた。

 そして今回のPMA09では、かねてよりアナウンスされていた動画対応機「LUMIX DMC-GH1」の試作機が展示されている。DMC-G1に用意されたブルーが外され、代わりにゴールドを加えた3色で展開するDMC-GH1は、本格的な動画撮影にも対応する“HD”銘の入った「LUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH. MEGA O.I.S.と同時に発売され、両者を組み合わせたキットモデルも用意される見込みだ。超広角レンズの「LUMIX G 7-14mm F4」も、GH1と同時期に発売される。

 さらに、新たに追加アナウンスされた45mmマクロレンズに関しては、パンケーキレンズの「LUMIX G 20mm F1.7」とともに年内に発売される予定だ。


LUMIX G 7-14mm F4 同左

好調なセールスのDMC-G1

AVCネットワークス社 DSC ビジネスユニット企画グループ マネージャーの北尾一朗氏(左)と、企画開発チーム参事の井上義之氏(右)
 マイクロフォーサーズ第1号機のDMC-G1は、女性をターゲットにしたマーケティングが話題になったが、しかし一方で、マニア層にも知られる存在になった。写真コミュニティの中におけるパナソニック、そしてLUMIXブランドの立ち位置も、この1台で相当変化したようだ。

 ルミックスの商品企画を担当するAVCネットワークス社 DSC ビジネスユニット企画グループ マネージャーの北尾一朗氏は「女性には受けるだろうと考えて商品は企画していましたが、一方でカメラをよく知る人たちにとっては、とても遊べるカメラだろうとも考えていましたから、古くからのカメラファンにも受け入れてもらえるとは期待していました」と振り返る。

 とはいえ、マウントアダプタも多様な種類が発売され、期待以上にマイクロフォーサーズというフォーマットを使いこなしてもらえたとも話す。電子ビューファインダーという発展途上の方式を採用しながらも、その見え味やオートフォーカスに関して、十分に満足できる速度や品質を実現したことが、EVFに対する期待値を大きく超えて各方面に対して、レンズ交換式のライブビュー/EVF専用機の可能性に対する認知を一気に拡げた。

 販売数の面では昨年末の商戦で、業界全体が苦戦した中にあって「期待通りの数」(北尾氏)は売れたそうで、女性比率も実際に高く、若年層の女性がテーマパークなどに持って行ったり、主婦が子供やペットの写真を撮影するために購入している例が、ほかの製品よりも高くなっているという。


LUMIX DMC-G1
 発売後、すぐに出されたアップデートで、機能の追加やオートホワイトバランスの大幅な改善など、ユーザーのフィードバックを基にした的確な改良が施されたことも、DMC-G1の評価を高めた一因だったと思う。この点についてLUMIXシリーズの企画開発チーム参事の井上義之氏は「当初から発売直後に集まる要望を素早く整理し、アップデートをかけることを計画していた」と舞台裏を明かした。

 製品の開発が1度終了すると、担当者はまた別のプロジェクトを進めるため、発売直後に集まるユーザーの声に対し、即時に対応するというのは、実際にはなかなか難しいものだ。しかし新しい要素を多数盛り込んだ製品だけに、当初は多くの意見が集まると予想し、先回りでアップデートを行なえるよう開発リソースを予約していたわけだ。

 一方、私自身、DMC-G1を使用していて、1つ気になる点があったので、この機会に尋ねてみた。それはレンズとボディの“摺り合わせ”についてだ。パナソニック自身は公に公開していないが、DMC-G1はキットレンズの収差補正をリアルタイムで行ない、ファインダー像の段階で光学特性を電子的に補正している。EVF専用レンズの場合、リアルタイムでファインダー像に対して処理を行なえるのであれば、収差補正は必ずしも光学的に行なう必要はない。

 しかし、積極的な電子補正はレンズの特性をボディ側が把握していなければ行なえない。たとえば、DMC-G1とキット販売されているLUMIX Gレンズをオリンパスのカメラに装着したら、歪曲が多くて驚いた……といったことが発生しかねない。最初の数本ならば、他社との摺り合わせも念入りにできるだろうが、将来も含めるとどのような対策をしているのか気になるところだ。

 まず北尾氏は「パナソニックとしては、ボディとレンズの摺り合わせ開発をしているとは公式には話していません」とした上で、「ノーコメントとさせてください。しかし問題が発生することは望んでいませんから、普通にお使いになっていておかしな現象が起きることはないように作っています」と話した。

 双方の関係者への取材を総合すると、像の電子補正に関してはマイクロフォーサーズの規格を検討する際に、オリンパスとパナソニックの間で議論があったようだ。あくまで一般論ではあるが、電子補正の可能性があると判断した時に、同じ規格を採用するメーカーの製品同士で破綻しないようにしように考えるというのは当然のこと、とは言える。


新センサーとファームウェアの煮詰めで静止画機能も熟成させたDMC-GH1

DMC-GH1の背面には、「RECボタン」を新設。フリーアングル液晶も継承した
 さて新製品のDMC-GH1についても、詳細をお伝えしよう。

 両氏によると、搭載する映像エンジンはDMC-G1と同じ「ヴィーナスエンジンHD」。しかし、当然ながらファームウェアは、より開発が進んだものになっており、静止画カメラとして使用した場合でも若干の違いはあるようだ。ホワイトバランスやおまかせiAの動作アルゴリズムも、より進化したものになると考えられる。

 DMC-G1とDMC-GH1は同じ映像エンジンは用いているが、しかしファームウェアの共通化は行なえるようになっていないそうで、DMC-GH1への改良が既存のDMC-G1ユーザーの改良へと直結しているわけではない。だが、中にはDMC-G1にも反映して欲しい要素もある。画質関連の新しい機能はもちろんだが、たとえばDMC-GH1ではシャッター速度シミュレーションなどは、従来と異なり絞り込みボタンひとつで動作するよう操作性に変更が加えられているなど、かなり細かな違いが見受けられたからだ。全くの新機能はともかく、操作性の細かな改善ならDMC-G1にも……と思う人が少なくないはずだ。

 この点について、時期こそ明確にはしなかったが、「いつ、どんな内容でといった約束はできませんが、可能な部分はDMC-G1のファームウェアにもフィードバックします」(北尾氏)と話していた。

 DMC-GH1のハードウェア面での違いは、ペンタ部の造形にややボリュームが出て、ここにステレオマイクが取り付けられたほか、カメラ背面右上にレリーズボタンとは独立したRECボタンが取り付けられ、すべての撮影モードでRECボタンを押すことにより録画が行なえるようになっている。

 録画記録方式はフラッシュメモリカードを用いたHDカムコーダーでは主流のAVCHDを採用しているほか、パソコンに取り込んでの動画編集を意識してMotion JPEGもサポート。AVCHD時の録画モードにはFHD、SH、H、Lの4モードがあり、FHD時のみ1,920×1,080ピクセル毎秒24コマ、それ以外は1,280×720ピクセル毎秒60コマでの記録となる。SH、H、Lの違いはH.264エンコード時のビットレートだ。また、Motion JPEGでは1,280×720ピクセル毎秒30コマのみの対応となる。なお、音声記録はドルビーデジタル(AC-3)を用いた2チャンネル記録。外部マイクとの接続にはリモート端子と兼用となるミニプラグだ。


動画撮影時のマニュアル露出が可能に

 また、動画撮影機能の追加に合わせ、撮影モードに動画専用マニュアルモード「クリエイティブムービーモード」が加えられている。静止画撮影モード時にRECボタンを押すと露出は自動制御されるが、クリエイティブムービーではシャッター速度優先、絞り優先、あるいはマニュアルなど、あらかじめメニュー内で指定した露出モードを用いて露出を決めた上で動画撮影を楽しむことができる。

 加えてセンサーはフォーサーズ規格よりも一回り大きいものが使われており、4:3時の有効画素はDMC-G1と同じ(画素ピッチは同じ)ながら、3:2あるいは16:9で撮影する際にも、レンズのイメージサークルをフルに活用し、同じ画角で撮影できるマルチアスペクト設計となった。

 4:3時の記録画素は最大4,000×3,000ピクセルだが、3:2時は最大4,128×2,752ピクセル、16:9時は最大4,352×2,448ピクセルとなる。なお、画角は狭くなるが1:1撮影も可能だ(2、992×2,992ピクセル)。

 このマルチアスペクト対応の新センサーは、総画素が約1,400万あるそうだが、センサーのアーキテクチャがDMC-G1のものとは異なっており、フルHD動画に対応できるよう設計変更が施されているほか、同画素ピッチながらS/N比も向上しているという。

 このほか顔認証機能やソフトウェアキーボードによる文字入力、スライドショー機能など、ほかの最新LUMIX製品が取り入れている技術トレンドもDMC-GH1に組み込まれていた。


現時点ではマイクロフォーサーズに注力

DMC-GH1。ステレオマイクも搭載した
 気になる日本での発売時期と価格レンジだが、海外向けには初夏の出荷とアナウンスしているという。しかし昨年の段階では春の出荷だったのでは? と尋ねてみると「桜の花には間に合いません。ゴールデンウィーク? わかりません。別途案内させてください」(北尾氏)と述べるにとどまった。

 価格に関しても同様にまだ公開はしていないが「DMC-G1のダブルズームキットよりも、DMC-GH1の10倍ズームレンズキットの方が、かなり高くなります」とのこと。話しぶりからすると、エントリークラスのDMC-G1よりもワンクラス上の価格設定になるようだ。

 このDMC-GH1と組み合わせる動画撮影対応のLUMIX G VARIO HD 14-140mm F4-5.8 ASPH. MEGA O.I.S.のパフォーマンスも気になるところだ。取材用に持ち込んでいたDMC-G1に装着してみたが、460gの重さはDMC-G1自身の軽さもあって、ややバランスの悪さを感じるものの、LVFで見る限り歪曲などは良好。AFやズームリングの動きもスムースだった。

 次に動画撮影対応だが、絞りやAFの変化動作がスムースになり、動作音を抑えて音が混入しないようにしていることが、ほかのLUMIX Gレンズとの大きな違いになる。DMC-GH1と組み合わせた場合、動画と静止画ではAFの振る舞いがやや異なるそうで、動画撮影時には動きの中で自然にAFポイントが変化するよう配慮したアルゴリズムになっているという。またDMC-GH1との組み合わせでは利用していないようだが、フォーカス距離や絞りが変化する速度もカメラ本体側から制御可能になっているという。

 パナソニックはDMC-GH1の発売後、DMC-G1との2ラインナップでレンズ交換式カメラ市場で年末商戦を戦うことになるそうだ。フォーサーズボディについては「やらないというわけではないが、まずはマイクロフォーサーズの基盤を整備していくことに注力。レンズロードマップにマクロレンズを追加したように、まずは新しいインフラを確固たるものにすることに注力する」(北尾)とのことだ。



URL
  パナソニック
  http://panasonic.co.jp/
  パナソニックLUMIX DMC-G1関連記事リンク集
  http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/10/02/9224.html

関連記事
パナソニックはフルHD対応一眼「LUMIX DMC-GH1」を発表(2009/03/04)
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( 本田雅一 )
2009/03/06 00:39
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