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富士フイルム、「スーパーCCDハニカムEXR」を発表

~高感度/広ダイナミックレンジ/高解像度を1つのセンサーで実現

スーパーCCDハニカムEXRロゴ
 富士フイルムは24日、次世代撮像素子「スーパーCCDハニカムEXR」を発表した。

 スーパーCCDハニカムEXRは、「ノイズの少ない高感度」、「豊かな階調を実現するワイドダイナミックレンジ」、「高解像度」を1つのセンサーで実現するという。同センサーを搭載する製品は、2009年の早い時期を目標に開発中としている。


キーワードは「人の目で見たそのまま」

同社FinePix営業部長 小島正彦氏
 同日都内で行なわれた発表会では、同社執行役員営業次長兼FinePix営業部長の小島正彦氏が発表に先駆けて挨拶した。「キーワードは『人の眼』、『目で見たそのままを写す』」と表明し、続けて「今年はFinePix10周年の年。特にワイドダイナミックレンジやフイルムシミュレーション、顔キレイナビといった機能を搭載した機種を発売して、高い評価をいただいている」と前置きした後、「コンパクトデジカメの市場では価格の下落が著しいが、成熟市場ということで、各メーカーともに差別化を図っている」と現状を分析、その上で、「今日発表する技術もほかにはないオンリーワンの技術。当社は写真メーカーとして、『写真プリントした時の美しさ』をテーマにデジカメ開発を進めていく」とアピールした。


新世代の「リアルフォトエンジン」を搭載

 スーパーCCDハニカムEXRは、新配列のカラーフィルターと、3つの撮像技術「Pixel Fusion technology」、「Dual Capture Technology」、「Fine Capture Technology」からなるCCDセンサー。「人の眼で見たそのまま」をキーワードに、人の眼が無意識に行なっているメカニズムである「明るさによって解像度や感度が変化する」点に着目。被写体に合わせて、撮影に使用する撮像技術を1つのセンサーで切り替える。


明るさによって眼に求められる機能が異なる点に着目した 人間の眼のメカニズムをカメラに置き換えた場合の概念図

被写体の状況に合わせてシーンを切り替える

 カラーフィルターのハニカム配列は従来と同じだが、斜め方向に同色の画素が隣り合ったC.I.C(Close Incline Coupling)を採用する。従来は、垂直もしくは水平方向に2つ並んだR(レッド)とB(ブルー)の間にG(グリーン)が配置されていた。

 Pixel Fusion Technologyは、カラーフィルターの素子配列を活かして、高感度かつ低ノイズを実現する撮像技術。夜景などの撮影時に威力を発揮するという。

 隣接した2つの画素を1つの画素とすることで感度が2倍相当になり、偽色を抑え、1画素から電荷の信号量を増幅するよりもノイズの少ない、高画質な高感度画像を撮影できるとしている。従来の配列では、同色画素間の距離が遠くなり、偽色が発生した。


カラーフィルターの画素配列を一新 従来の画素混合方式では、偽色の発生とその補正処理によって解像感が損なわれていた

 Dual Capture Technologyは、隣り合った同色の画素にそれぞれ異なる感度を持たせる「Dual Exposure Control」を採用した「EXR方式」。晴天の野外撮影など、被写体の明暗差が大きいシーンで有効としている。

 高感度側の画像を作るAパターンと、低感度側の画像を作るBパターンを組み合わせて最適化を図ることによって、ダイナミックレンジの広い画像を作り、白とびや黒つぶれを抑える。従来は、面積の異なる「S」、「R」画素から得たデータを組み合わせて画像を作る「スーパーCCDハニカムSR方式」と、ハイライト部が白飛びしない条件で撮影した画像データを処理することでダイナミックレンジを拡大する「スーパーCCDハニカムHR方式」を採用していた。これらは、異なる画素を組み合わせた画像になったり、高感度で撮影する必要があるなどの制約があった。

 Fine Capture Technologyは、全画素を活用し、解像度の高い高画質な写真を可能にする技術。明るいシーンにおいて、人の眼が細かいところまで見ようとするメカニズムに着目した。木の葉や髪の毛など、高周波成分が多く微細な表現が求められるシーンで効果を発揮するという。


撮影した2枚を合成することでダイナミックレンジを拡大する 明るいシーンで高解像度画像を実現する「Fine Capture Technology」の概念図


URL
  富士フイルム
  http://fujifilm.jp/
  ニュースリリース
  http://www.fujifilm.co.jp/corporate/news/article/ffnr0225.html

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次世代撮像素子を発表した富士フイルム(2008/09/24)


( 本誌:関根慎一 )
2008/09/24 21:14
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