さらに、高速連写のための工夫も解説した。10枚/秒の高速連写が可能な「EOS-1D Mark III」では、AFを行ないながら連写するが、ミラーダウンしたときにミラーがバウンドしてしまい、正確に測距できなくなる問題を解決するために、ミラーのバウンドを素早く抑える「アクティブミラーストッパー」を搭載している。また、高速で一定に動く被写体を捉えるためには、レリーズタイムラグを考慮しなければならないため、あらかじめ被写体の動きに合わせてピント位置を調整しておく「動体予測AIサーボAF」を採用している。シャッター動作に入った後もレンズを動かし続けるもので、「EF 300mm F2.8 L IS USM」使用時の近距離追従限界は、時速300kmの被写体は20mまで、時速20kmの被写体だと、5mまで追従できるという。
また、EOS-1D Mark IIIなどではランダムな動きや突発的な動きに対しても、敏感に対応できるように、撮影シーンに応じたAF動作をカスタム設定できるようになっている。
測距光学系の仕組み
アクティブミラーストッパーによりミラーバウンドを抑える工夫も
EOS-1D Mark IIIにおける近距離追従限界
EOS-1D Mark IIIには多彩なAF設定がある
EOS-1D Mark IIIなどで採用している「AFマイクロアジャストメント」は、レンズ個別のレンズでベストのピント位置を微調整できる機能。「ボディは1台1台キヤノンの基準の範囲で調整して出荷しているが、ユーザーによってはより厳密なAFが求められるシーンがあるため、カメラとレンズをセットでチューニングできる機能として提供している」(大原氏)という。